異常通知機能付き 250mA出力 車載用ボルテージトラッカ「S-19721 シリーズ」を発売

プレスリリース発表元企業:エイブリック株式会社

配信日時: 2023-07-04 10:00:00

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画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/360931/img_360931_5.jpg

ミネベアミツミグループのエイブリック株式会社(社長: 田中 誠司、本社:東京都港区、以下:ABLIC)は本日より、車載用ボルテージトラッカ「S-19721 シリーズ」の販売を開始しました。
自動車業界はCASE(コネクテッド、自動運転、シェア&サービス、電動化)を軸とした技術革新が急速に進んでおり、特にCASEの中の「自動運転」機能を持つ自動車には、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転(AD)システム等を機能させるために様々なセンサ類が搭載され、刻一刻と変化する車内・車外の状況を正確に把握しています。
多くのセンサは電源電圧に比例した出力(レシオメトリック出力)を行いますが、ECU(Electronic Control Unit)内の計測部(ADC)が正確な値を読み取るためには、センサとADCの電源電圧を等しい値で使用する必要があります。通常、配置スペースの制約からECUはセンサから離れた場所にワイヤーハーネスを介して配置されますが、万が一、ワイヤーハーネスに障害が発生した際にADCやMCUなどのECU内部の部品に影響が及ばないよう、センサの電源ICとMCUの電源ICは分離して構成します。
この場合、センサとMCUが内蔵されたADCは異なる電源ICで構成されるため、それぞれの出力電圧に差異(オフセット)が生じる可能性がありますが、オフセットが生じるとセンサの読み取り精度が低下し、自動車の安全性、環境性能、快適性などに影響を及ぼすリスクありました。
本日発売したボルテージトラッカ「S-19721シリーズ」は、業界最小クラス(※1)のオフセット電圧で、ECU外部のセンサ類や部品へ電源を供給する際に、正確なセンサ読み取りを実現することができます。また、本シリーズは250mAまで出力可能なため、センサの高機能化で大電流出力が求められる、あるいはセンサの搭載個数が増加して複数のセンサをまとめて電源を供給する、といった用途にもご使用いただけます。
さらに、ICの異常状態を検出してINT(正式表記ではオーバーラインあり)端子に出力する異常通知機能、ならびに、各種保護回路を備えているため、ワイヤーハーネスに障害が発生した場合でもECUを保護することができます。
このように、新製品「S-19721シリーズ」は、業界最小クラスのオフセット電圧とICの状態を外部へ通知することができる異常通知機能と各種保護回路を備えていることにより、自動運転のさらなる安全性向上に貢献する製品です。また、お客様の様々な使い方にお応えできるよう、多彩なパッケージを用意しています。
なお、「S-19721シリーズ」はPPAP(Production Part Approval Process: 生産部品承認プロセス)に対応しており、車載ICの品質規格AEC(*)-Q100 Grade1(*Automotive Electronics Council: 車載電子部品評議会)にも対応予定です。


【主な特長】
1. 業界最小クラスのオフセット電圧
「S-19721シリーズ」は、非常に低いオフセット電圧±4.5mVを実現しています。電圧トラッキングの許容誤差が低いことで、センサ読み取り精度向上に貢献します。

2. ICの異常状態を検出して外部に通知可能
「S-19721シリーズ」は、ICの異常状態を検出してINT端子に出力する、異常通知機能を内蔵しています。出力端子の過電圧、出力端子の過電流、ICのサーマルシャットダウンの3つの異常に対応しており、お客様の使用条件や用途にあわせてINT端子に出力する組み合わせを選択できます。

3. 多彩なパッケージ
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/360931/img_360931_2.png
「S-19721シリーズ」は、36V動作、250mA出力のボルテージトラッカとして標準的なHSOP-8Aパッケージに加えて、高放熱タイプのTO-252-9Sパッケージ、小型タイプのHSNT-8(2030)パッケージを採用。お客様の様々な使い方に適したパッケージを提供します。

4. 各種保護機能を内蔵
「S-19721シリーズ」は、過電流保護回路、サーマルシャットダウン回路に加え、逆流電流防止機能を内蔵。VOUT端子からVIN端子に逆流する電流を-5μA min.に制限し、天絡、地絡によるデバイスの破壊を防ぐことが可能です。

5. 36V入力/45V定格
「S-19721シリーズ」は、入力電圧36V、定格45Vの高耐圧製品のため、直接12V鉛バッテリーに接続することが可能です。


【主な仕様】
・入力電圧 : 4.0 V ~ 36.0 V
・出力電圧 : 2.0 V min. まで調整可能
・オフセット電圧 : ±4.5 mV (0.1mA ≦ IOUT ≦ 250 mA)
・ドロップアウト電圧: 330 mV typ. (VADJ = 4.0V, IOUT = 125 mA)
・出力電流 : 250 mA出力可能(VIN = VADJ + 2.0 V) (※2)
・入力コンデンサ : セラミックコンデンサが使用可能 (4.7 μF以上)
・出力コンデンサ : セラミックコンデンサが使用可能 (4.7 μF ~ 1000μF)
・過電流保護回路を内蔵: 出力トランジスタの過電流を制限
・サーマルシャットダウン回路を内蔵 : 検出温度175 ℃ typ.
・逆流電流防止機能 : IREV = -5 μA min. (VIN = 0V, VADJ = 5.0 V, VOUT = 16.0 V)
・消費電流 : 動作時40μA typ.
パワーオフ時 3.7μA typ.
・INT端子出力機能 : ICの動作状態を監視可能
・動作温度範囲 : Ta = -40 ℃ ~ +125 ℃
・鉛フリー(Sn 100%)、ハロゲンフリー
・AEC-Q100進行中(※3)

(※1)36V動作250mA出力の車載ボルテージトラッカとして。2023年7月 当社調べ
(※2) 大電流出力時には、ICの損失が許容損失を越えないように注意してください。(※3)詳細は、弊社販売窓口までお問い合わせください。


【用途例】
・車載アプリケーションのオフボードセンサ用:
電流センサ、温度センサ、トルクセンサ、舵角センサ、環境光センサ、燃料残量計、等
・車載用 (エンジン、トランスミッション、サスペンション、ABS、EV / HEV / PHEV関連機器等):
インバーター、オンボードチャージャー、バッテリマネジメントシステム、
電動パワーステアリング、車両安定性制御装置、ボディコントロールモジュール、等


【車載用ボルテージトラッカIC ラインナップ】
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/360931/img_360931_3.png

【製品詳細】
https://www.ablic.com/jp/semicon/products/automotive/automotive-voltage-tracker/s-19721/


【Web サイト】
https://www.ablic.com/



画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/360931/img_360931_4.jpg
本製品は、環境貢献に優れた製品としてミネベアミツミグループの「グリーンプロダクツ」に認定された製品です。詳しくはこちらをご覧ください。https://www.minebeamitsumi.com/news/newproducts/2021/1201086_16441.html


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