介護施設・事業所におけるBCP策定義務化期限直前 備蓄品から始めよう
配信日時: 2023-06-07 10:00:00
尾西食品株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長 古澤紳一 ※以下、尾西食品)は、防災食・備蓄のリーディングカンパニーとして、”アルファ米”をはじめとする非常食を製造・販売。専門家のアドバイス、被災者の声を通して日常の防災意識を高める活動を進め、2021 年3月より、公式サイトにて防災コラムの発信をしております。
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ミネルヴァベリタス株式会社 顧問
本田 茂樹 様
今回は、令和3年度介護報酬改定に伴い義務化された介護施設・事業所における業務継続行計画の策定に関する経過措置期限満了を2024年4月に控え、厚生労働省老健局が制定した「介護施設・事業所における自然災害発生時の業務継続ガイドライン」の検討委員会委員長を務められたミネルヴァベリタス株式会社顧問の本田茂樹氏に、様々な角度からお話を伺いました。
本田氏は、介護施設・事業所におけるBCP策定に関するコンサルタントに携わっておられ、その豊富なご経験から、BCP策定に関するご講演や研修会などにも多数ご登壇。著書には、BCP策定の手引書となる「介護施設・事業所のための BCP策定・見直しガイド」(出版:社会保険研究所)もあります。
■ 〜BCPの策定について〜
――介護BCP義務化の背景を教えてください
介護施設が提供しているサービスは、利用者やその家族の生活と直結しており、万一止まった場合でも、短時間で復旧し、影響を最小限に抑えることが重要です。BCP策定時には、1. 利用者を守る 2. 介護サービスの継続 3. 職員を守ることが重要です。建物や設備、ライフラインが大丈夫でも職員がいなければ介護サービスは継続できません。特に自然災害が起こったり感染症に見舞われたりすると職員の就労環境は過酷となり、メンタルヘルス環境も悪化します。義務化は、これまでの職員の高い職業倫理や献身的な努力だけで乗り切る方法ではなく、BCPという仕組みで解決しようとするものなのです。
――BCP策定の現状と課題を教えてください
義務化が決まった1年後の令和4年3月に厚生労働省の事業で策定状況が発表されており、それによれば介護施設のサービス類型や規模感によって全然違っています。例えば、訪問看護、訪問介護、通所や小規模事業者などは遅れていると思います。介護施設の職員は介護のプロではありますが、BCPの作成は初めてのことですから、作成のためのガイドラインに加え、ひな形や記入例についても整えられています。これらは厚生労働省のホームページから入手することができますので、その気になれば、期限までのBCP策定は十分間に合うと考えています。
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――防災計画とBCP策定は似て非なるもの
BCPは防災計画とは異なり、災害や感染症発生時に重要な業務を中断させずに継続するための計画です。防災計画と連携して作成する必要はありますが、防災計画を充実させただけではBCPになりません。経営資源(職員、建物・設備、ライフライン)を守るのが防災計画ですが、BCPでは欠けた経営資源をどのように補うか、例えば、職員が業務に就けない場合には、いかに応援を送ってもらうかといった代替策を災害発生前に準備しておくことが重要で、被災時には既に勝負が付いているのです。
――BCPは従うべき基準である
BCPの策定は運営基準によって義務付けられています。運営基準は介護保険法のもとで、業務内容や営業時間などさまざまな要件についてまとめたものですが、その運営基準の中でBCPの策定と研修・訓練の実施が、セットで義務付けられました。もし、策定できていなければ、運営基準違反になり一定の手続きを経て指定が取り消されることもあり得ます。
――BCPにおける食料備蓄についてはどのように考えればよろしいでしょうか
BCP実施の担い手である職員の方も食料が無ければ力が出ません。災害時に職員が能力を最大限発揮できるよう介護施設の利用者だけでなく職員用も必ず含めて水や食料の備蓄を考える必要があります。備蓄食料は種類や数量など想定しやすいので、BCPの策定は備蓄品から始めるのも良いかもしれません。
また備蓄品は、24時間365日使う物ではないので、不便な所に置きがちですが、浸水する可能性がある施設では保管場所は重要です。上層階に何らかのスペースを確保して、水や食料など最低でも3日分から始め、段階的に増やしていくことが推奨されています。
食料備蓄に関する訓練では、食事提供が新入職員や入職間もない職員だけで、或いは限られた人数の職員だけで、災害時にも実行可能かどうかを確認します。消費期限の少し前に食品を入れ替えて、利用者に提供する訓練を行うことも有効です。
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――BCP策定は何から始めればよろしいでしょうか
まずは厚生労働省のホームページにアップされているガイドラインや研修の動画などをご覧いただき、全体像を把握してください。そしてひな形を利用して出来るところから順に埋めていきます。まずは手をつけやすい備蓄品や職員の連絡網の整備から始めると良いでしょう。ひな形(例示入り)はそのまま使って良い部分が多いですから、その施設に合えばそのまま残せばよいですし、合わなければ修正する、あるいは削除します。それほど難しく考える必要はありません。
――最後にまだBCPを策定していない介護施設に向けてメッセージをお願いします
まず作り始めてください。経過措置期間である今までは忙しい日常業務の中で、優先順位が落ちていたと思いますが、待っていても絶対にできません。期限近くになったら、厚生労働省や自治体からこれを使ってくださいとBCPが届くという幻想は捨てましょう。時間がないのは、どうしようもないですが、ノウハウがないのは、ガイドラインやひな形(例示入り)があります。たいへん懇切丁寧な書き方になっていますので、是非活用してみてください。
本田茂樹(ほんだ しげき)氏 経歴:
三井住友海上火災保険株式会社入社後、MS&ADインターリスク総研株式会社を経て、ミネルヴァベリタス株式会社顧問 リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。
厚生労働省 介護施設のBCP策定 (厚生労働省公式ホームページへのリンク)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/douga_00002.html
本文はこちら:https://www.onisifoods.co.jp/column/detail.html?no=18
尾西食品株式会社
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/358027/img_358027_4.jpg
・事業内容:長期保存食の製造と販売
・代表取締役社長:古澤 紳一
・所 在 地:〒108-0073東京都三田3-4-2
いちご聖坂ビル3階
・URL:https://www.onisifoods.co.jp/
詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
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