宇宙技術が2050年までのネットゼロ達成に必要な排出ガス削減の6分の1を実現する機会を提供

プレスリリース発表元企業:Inmarsat

配信日時: 2022-11-01 00:34:00

宇宙技術が2050年までのネットゼロ達成に必要な排出ガス削減の6分の1を実現する機会を提供

インマルサットとグローバントの新しい報告書によれば、既存の衛星技術によって最大年間55億トンのCO2を削減可能

(ロンドン)-(ビジネスワイヤ) -- インマルサットが委託した独立的調査(グローバントの持続可能ビジネス・スタジオの主要コンサルタントが実施)によれば、衛星技術は既に炭素排出を毎年15億トン(1.5ギガトン)削減しています。これは米国全体の2021年の炭素排出の3分の1近くに相当し[1][2]、5000万台の自動車の廃車までの全排出量に当たります[3]

ネットゼロを目指す急速な動きの中での宇宙技術の可能性を立証するこの報告は、1) 輸送と物流、2) 農業、林業、その他の土地利用、3) エネルギー・システムという3つの業界セクターに焦点を当てています。これらの業界セクターは、合わせて世界全体の排出量の約60%を占めています[4]

このような業界で衛星技術を全体的に導入することができれば、現行技術だけを利用する場合でも、現在衛星技術によってもたらされているCO2削減量を4倍近くに増やして年間最大55億トンにすることが可能であることが、グローバントの分析で示唆されています。

この量は、地球の気温の上昇を1.5°C未満に維持するために2030年までに必要だと現在推定されている総炭素排出量の6分の1に相当します。これは、気温の上昇を2°C未満に維持するために必要な量の3分の1でもあります[5]。これは、世界が直面する最大の課題に対して宇宙技術がプラスの影響を与えることができる可能性を明らかにしています。

このリサーチに基づいたグローバントの計算からは、衛星技術の脱炭素化能力を利用しないことで、世界が現在最大40億トンのCO2排出を直ちに削減できる可能性を逃していることが示唆されています[6]。このような技術は輸送における燃料消費の節約やルート設定の改善、エネルギー使用の削減やエネルギーの最適化、更には森林火災の防止など、多数のことを可能にします。

インマルサット最高経営責任者(CEO)のRajeev Suriは、次のように語りました。「脱炭素化に取り組む行動は世界的な優先事項であり、宇宙技術はこの課題に対応する上で重要な希望の源を提供します。グローバントに委託した私たちの報告書は、宇宙が現在大きな炭素排出削減を可能にすることができ、将来更に大きな削減を可能にできることを明らかにしています。つまり、宇宙は、気候変動との闘いに直接的な貢献を果たします。」

「世界の首脳が近くCOP27で集まるタイミングで、私たちはCOP27の参加者に向けて、脱炭素化戦略の中で宇宙技術の役割に目を向ける機会を提供し、地球の気温上昇のリスク低減に向けて影響力のある貢献をするために必要なデータを更に効果的に集めるために業界と密接に協力することを促します。COP27においても、それ以外の場面でも、私たちは、世界や業界のリーダーと協力してこの機会を捉えて地球のために本当の持続的変化を実現していくことを楽しみにしています。」

インマルサットのためにその「宇宙の価値とはいったい何か」イニシアチブの一環として行われた最近の消費者調査では、宇宙を気候課題の解決に役立てることができると考える人は10人に4人に上っています[7]。このイニシアチブの2回目の調査の結果には、この大きな少数派は特に勇気付けられると思われます。

とは言うものの、宇宙技術は決して気候変動の唯一の解決策ではありません。代替エネルギー源や新たなエネルギー節約技術などの是正策についての不可欠な作業をフルスピードで継続する必要があります。しかし、既存の宇宙技術で可能な削減は直ちにインパクトをもたらすことができ、このような追加的な是正策の開発と展開のために時間を稼ぐ可能性に貢献します。

今後については、グローバントの報告書では、現在出現しているか出現しそうな状況にある多数の初期段階の宇宙利用技術が今後数年間に広く採用されれば、88億トンの炭素排出(2021年の世界の排出量のほぼ4分の1(23%)[8]、1人当たり排出量の18億人分[9]に相当)の削減が可能であることが明らかにされています。これには以下が含まれます。

海洋では、自律的船舶によって燃料消費を節約することで4億トンを削減することができます。エネルギーでは、エネルギー移行のためのAI利用エネルギー最適化によって、13億トンのCO2を削減できます。航空では、ESAアイリス技術が航空業界全体で導入されれば1億トンの炭素を削減することができ、最初の導入機体は2023年前半に就航する予定です。グローバントの共同創立者でEMEA会長のMartin Umaranは、このように述べています。「デジタルネイティブな企業として、当社は常に、持続可能性のような社会的利益やネットゼロへの急速な動きのための最重要のテーマにおいて破壊的技術が果たす役割を理解して評価することに努めています。それ故、インマルサットとの共同の活動は、私たちにとって期待を感じさせるものであり、有効性の高いものでもあります。グローバントは、テクノロジーを利用した持続可能性の先頭を歩んでおり、その結果として、衛星通信技術とのシナジーは、これまでにない脱炭素化のソートリーダーシップをもたらしています。」

[1] ONS
[2] https://www.statista.com/statistics/183943/us-carbon-dioxide-emissions-from-1999/
[3] 内燃機関自動車は、およそ6万6000ポンドのCO2を排出します(9万3000マイルを走行すると仮定
[4] リサーチには、輸送(世界の排出の15%)、農業、林業、その他の土地利用(22%)、電気と熱(23%)が含まれます
[5] 「不足している2030年の二酸化炭素排出削減量は、世界の温暖化を2°C未満に制限するためには12~15ギガトン、1.5°Cに制限するためには29~32ギガトンと推定されています。」
[6] 既存の削減量の15億トンと衛星技術の全面的導入によって予想される削減量の55億トンとの差
[7] https://www.inmarsat.com/en/news/latest-news/corporate/2022/people-unaware-concerned-space-landmark-report.html
[8]2021年に、世界のCO2排出は・・・合計37.9ギガトンでした
[9] https://www.statista.com/statistics/268753/co2-emissions-per-capita-worldwide-since-1990/

インマルサットについて
インマルサットは、世界有数の革新的かつ高度で並外れた信頼性を備えた世界規模の移動体通信を陸海空で提供します。これにより、海運と航空の分野におけるデジタル化を含め、商業、企業、政府、基幹業務にとっての新世代サービスが実現します。

原文はbusinesswire.comでご覧ください:https://www.businesswire.com/news/home/20221026005104/en/

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