ウクライナ危機:紛争激化から1カ月が経過~子どもの難民は430万人に【プレスリリース】

プレスリリース発表元企業:公益財団法人日本ユニセフ協会

配信日時: 2022-03-25 15:11:29



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【2022年3月24日 ニューヨーク/ジュネーブ/キエフ(ウクライナ) 発】

ウクライナにおいて紛争が激化してから1カ月が経過し、子どもの推定人口750万人の半分以上にあたる430万人の子どもが避難を余儀なくされています。そのうち、難民として近隣諸国に移動した子どもは180万人以上、現在ウクライナで国内避難民となっている子どもが250万人です。

ユニセフ(国連児童基金)事務局長のキャサリン・ラッセルは「この紛争は、第二次世界大戦以来最も早いスピードで、子どもたちの大規模な移動を引き起こしています。この厳しい状況は、今後何世代にもわたって影響を及ぼし続ける可能性があります。子どもたちの安全、幸福、そして必要なサービスへのアクセスなどのすべてが、止まらない暴力行為によって脅かされています」と述べました。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、2月24日に紛争が激化して以来、ウクライナでは78人の子どもが死亡し、105人が負傷しました(3月24日時点)。しかし、これは国連が確認できた報告のみの数字であり、実際の数はもっと多いと考えられます。

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この紛争は、民間インフラや基本的なサービスへのアクセスに壊滅的な影響を与えています。

例えば、世界保健機関(WHO)は、全国の医療施設に被害をもたらす攻撃がこの1カ月間に52回あったと報告しています。現在、推定140万人が安全な水を利用できず、460万人が水へのアクセスを制限されているか、絶たれる危険にさらされています。生後6カ月から23カ月の45万人以上の赤ちゃんが、補助食の支援を必要としています。

ユニセフはすでに、はしかやポリオを含む定期予防接種や小児予防接種の接種率が低下していることを確認しています。このため、特に暴力行為から避難する人々が集まる人口密集地では、ワクチンで予防可能な病気が急激に拡大する可能性があります。

ラッセルは「わずか数週間で、紛争はウクライナの子どもたちに壊滅的な影響を与えています。子どもたちは平和と保護を緊急に必要としています。彼らの権利は守られなければなりません。ユニセフは、即時停戦と、子どもたちを危険から守ることを訴え続けています。病院や学校、民間人が避難している建物など、子どもたちが頼っている必要不可欠なインフラが攻撃されるようなことはあってはならないのです」と述べました。

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ユニセフとパートナーは、ウクライナと近隣諸国の子どもたちに人道支援を提供するために活動しています。

ウクライナ国内では、キエフ、ハリコフ、ドニプロ、リヴィウなど9つの地域にある49カ所の病院に医療物資を届け、40万人の母親、新生児、子どもの医療へのアクセスを改善しました。今後も、包囲されているコミュニティで水と衛生用品を配布し続けます。また、紛争が激化している地域で活動する移動式子どもの保護チームの数を22から50に増やし、220万人以上の支援ニーズに応えるためにトラック63台分の命を守る物資を届けました。今後数週間のうちに、最も厳しい状況にある家族に緊急現金給付支援を開始し、ウクライナ全土の主要な場所に子どもにやさしい空間を設置する予定です。

ウクライナからの避難を余儀なくされた子どもたちやその家族を保護・支援するため、ユニセフと国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は各国政府や市民社会団体と協力し、子どもや女性の安全を守るためのワンストップの支援拠点である「ブルードット」を設置しています。移動する家族に重要な情報を提供し、おとなの同伴者のいない子どもや家族と離ればなれになった子どもの特定と確実な保護を支援し、必要なサービスを提供する拠点となっています。「ブルードット」は、ウクライナの子どもや女性を受け入れている国々ですでに設置されており、今後も規模を拡大していく予定です。

こうした安全かつ迅速で制限のない人道アクセスを確保するための集中的な取り組みにもかかわらず、ウクライナで最も被害を受けている地域では、依然として大きな課題が残っています。

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ユニセフ「ウクライナ緊急募金」ご協力のお願い
8年にわたる東部地域の紛争や、昨今の武力行為の激化の影響を受けるウクライナの子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「ウクライナ緊急募金」を受け付けております。水や電気を絶たれたり教育の機会を奪われたり、避難を余儀なくされるなど、紛争による直接的・間接的な影響を受ける子どもたちをはじめ、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。

1. ホームページから
https://www.unicef.or.jp/kinkyu/ukraine/
※クレジットカード/インターネットバンキング/Amazon Pay/携帯キャリア決済/コンビニ支払がご利用いただけます。

2. 郵便局(ゆうちょ銀行)から
振替口座:00190-5-31000/口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「ウクライナ」と明記願います。
*窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。

※ 公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。

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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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