炭酸の角層への作用
配信日時: 2021-12-15 11:20:00
炭酸の活用は、古くはローマ時代に炭酸泉を飲用することから始まり、入浴、医療、美容とさまざまな分野で人々の暮らしに関わっています。花王は炭酸の作用に着目し、1980年代から研究を行なっています。2018年には、炭酸によって肌が弱酸性に保たれると、角層細胞同士を接着している因子(デスモグレイン)の分解が促進され、肌がなめらかになる(角層堆積抑制作用)可能性があることを報告しています※1。
そこで今回、ニキビ等の悩みがある肌に継続して使用した際の効果を確認しました。
炭酸を含む製剤を肌に塗布すると?
ニキビ等の肌悩みを有する男女49名を対象に、炭酸を含む製剤と含まない製剤のいずれかを4週間続けて塗布してもらう連用試験を行ないました※2。 その結果、炭酸を含む製剤を使用したグループでは4週間後、(肌あれ)が減少し、肌がなめらかになっている例が多いことを確認しました。また、皮膚科専門医による目視評価において、炭酸を含む製剤を使用したグループの男女ともにニキビが軽減する傾向が見られました。
さらに、炭酸を含む製剤を使用した男性グループでは、4週間連用後にニキビ(紅色丘疹)が有意に軽減しました。なお、炭酸を含む製剤を使用した女性グループは、生理周期によるホルモンバランスの変化と思われる理由により有意差は確認できなかったものの、男性グループと同様にニキビ軽減の傾向は見られました。
[画像: https://prtimes.jp/i/70897/101/resize/d70897-101-6dae16ad63f144285acb-0.png ]
この結果は、炭酸を含む製剤が角層のデスモグレインの分解を促進したことで、肌がなめらかになり、副次的にニキビが軽減した可能性を示唆していると考えます。今後も、炭酸のさらなる可能性に期待し、研究を進めていきます。
これらの研究結果は、第46回香粧品学会(2021年6月25~26日・オンライン開催)にて発表しました。
※1 2018年10月26日 花王ニュースリリース 微細化した炭酸が肌を持続的に弱酸性に保つことを明らかに
https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2018/20181026-001
※2 20~39歳(男性24名、女性25名)、2019年10~11月
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