「口腔内のジンジバリス菌保菌検査」を実施 50歳以上の2人に1人がジンジバリス菌(歯周病菌)を保菌

プレスリリース発表元企業:L8020協議会

配信日時: 2021-12-03 13:00:00

マスク着用で口臭を感じる人は要注意! 鶴見大学名誉教授・花田信弘氏が、歯周病菌増加によるアルツハイマー型認知症への影響を指摘 2021年12月3日(金)

「L8020乳酸菌」を通じた歯の健康維持を提唱する、L8020協議会(所在地:広島市西区商工センター6丁目6番29号 会長:株式会社CampusMedico代表取締役会長 広島大学大学院医系科学研究科 二川浩樹教授)は、「口から始まる認知症予防プロジェクト」を発足いたしました。プロジェクト第2弾として、2021年9月17日(金)~2021年10月15日(金)の期間、50歳から75歳の男女226人を対象に、「口腔内のジンジバリス菌保菌検査」を実施いたしましたのでその結果をお知らせします。



[画像1: https://prtimes.jp/i/84217/4/resize/d84217-4-5536e9abf1bb0436b724-0.gif ]

L8020協議会が2021年9月に実施したインターネット調査の結果、全体の4割以上の方がマスクを着用する生活の中で「お口のネバつき(50.8%)」や「口臭(42.9%)」を感じていることが判明いたしました。「お口のネバつき」や「口臭」は歯周病菌が原因であることが多く、歯周病菌の中で、最も人体に悪い影響を与えるジンジバリス菌の保菌についても調べる必要があると考えられました。そこで、L8020協議会は「口腔内のジンジバリス菌保菌検査」を実施いたしました。

検査の結果、50歳以上の2人に1人(54%)からジンジバリス菌が検出される結果となり、「お口のネバつき」や「口臭」を実感された方とほぼ同等の割合となりました。

鶴見大学名誉教授・花田信弘教授は、「ジンジバリス菌は口臭だけでなく、アルツハイマー型認知症をはじめとする様々な病気の原因の1つと言われています。口臭を感じる人は、ジンジバリス菌を保菌している可能性が高いため、今まで以上にオーラルケアを意識してください。」と見解を述べられました。

■「口腔内のジンジバリス菌保菌検査」概要
調査期間: 2021年9月17日(金)~2021年10月15日(金)
調査方法: 唾液によるPCRインベーダ法により起床直後の菌数を検査
調査対象: 50歳~70歳未満の男女226名(平均年齢56.0歳/中央値55.0歳)

<選択基準>
・50歳以上70歳未満(性別不問)
・歯周炎または歯周病が気になる方もしくは、マスク着用時に口腔内のネバつきのような不快感がある方
・1年以上、歯科医院に通院していない方

<除外基準>
・総入れ歯の方
・5本以上の部分入れ歯を使用している方

調査結果: ジンジバリス菌が検出された方121名(54%)

                    ジンジバリス菌の保菌率

[画像2: https://prtimes.jp/i/84217/4/resize/d84217-4-7f1d86173b1858a1daaf-1.png ]


■ジンジバリス菌(Porphyromonas gingivalis)とは
10~20種類ほど確認されている歯周病菌の一種で、数百種類いると言われている口腔常在菌の中で最も病原性を示します。歯と歯茎の隙間に付着した歯垢(プラーク)内で、ジンジパインというタンパク質分解酵素を生成し、糖やタンパクなどを取り込み増殖します。やがて歯周組織内部に潜り込み、ジンジパインにより歯肉などのタンパク質で出来た歯周辺組織を破壊し炎症(歯周病)を引き起こします。また、ジンジバリス菌のもつリポポリサッカライド(L P S)という内毒素は歯周組織の炎症を助長するだけでなく、糖尿病や非アルコール性肝炎、動脈硬化症などの全身疾患を増悪させることが知られています。近年、このジンジバリス菌のL P Sによって脳内へのアミロイドβの沈着が促進され、アルツハイマー型認知症を発症させているという研究結果(※1)も発表されています。
このようなジンジバリス菌はメタンや硫化水素を排出して、悪臭を放ち口臭の原因にもなります。
(※1)世界初ヒト歯周病の歯茎で脳内老人斑成分が産生されていることが判明~歯周病によるアルツハイマー型認知症への関与解明の新展開~
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/396

■鶴見大学名誉教授・花田信弘氏のコメント
・今回の調査結果を受けて
今回の「口腔内のジンジバリス菌保菌検査」の結果から、2人に1人が口腔内に歯周病菌であるジンジバリス菌を保菌しているということが判明しました。
インターネット調査でマスクを着用することで口臭を感じる人が多いことがわかりましたが、これほどまでに保菌率が高いという事は、マスク着用で口臭を感じる方は口腔内に歯周病菌を保菌している可能性が高いと考えられます。

・ジンジバリス菌を保菌するリスクに関して
ジンジバリス菌と言えば、よく知られている歯周病菌の1つです。ジンジバリス菌は、キーストーン病原体といって存在することで体内の免疫系に変化をもたらし、口腔細菌を悪い方向に持っていきます。これはピロリ菌でも同じことが言え、免疫系に変化を起こすことでアルツハイマー病やパーキンソン病、膵臓がんの原因にもなりかねません。このような大病の原因となる細菌を、日本人の2人に1人が保菌しているということは非常に重大な問題であると言えるでしょう。

・オーラルケアについて
今まで以上にオーラルケアを意識した方が良いのかもしれません。オーラルケアにはバイオフィルムを破壊する「物理的除去(歯磨き)」「ケミカルコントロール(洗口剤)」、有害な菌を有用なプロバイオティクスに置き換える「細菌置換療法」などがありますが、バイオフィルムを除去するために歯磨きなどの物理的除去は欠かせません。物理的除去に加えて更にプロバイオティクスによる細菌置換療法を併せて行う事をおすすめします。

■花田信弘教授プロフィール
[画像3: https://prtimes.jp/i/84217/4/resize/d84217-4-ac778d9b301c109c856e-2.jpg ]


花田 信弘(はなだ のぶひろ)
歯科医師、歯学博士
現職:鶴見大学名誉教授、上海理工大学特任教授


1981年 九州歯科大学歯学部 卒業
1885年 九州歯科大学大学院歯学研究科 修了
1987年 米国ノースウェスタン大学医学部微生物・免疫学講座 博士研究員
1990年 岩手医科大学歯学部 助教授
1993年 国立感染症研究所口腔科学部 部長
2002年 国立保健医療科学院口腔保健部 部長
2008年 鶴見大学歯学部 教授
2021年 鶴見大学名誉教授
2021年 上海理工大学特任教授・光触媒国際研究院公衆衛生・健康医療部門長
     学会理事、日本口腔感染症学会理事、日本バイオフィルム学会理事
先日   厚生労働省健康日本21計画策定委員、内閣府新健康フロンティア戦略賢人会議分科会委員、
     内閣府消費者委員会委員、日本歯科医学会学術研究委員会副委員長。

■関連動画
https://youtu.be/9n8f87vmiTw
[動画: https://www.youtube.com/watch?v=9n8f87vmiTw ]



■参考【NEWS RELEASE】(2021年9月24日)「マスク着用による口腔内環境に関する意識調査」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000084217.html
[画像4: https://prtimes.jp/i/84217/4/resize/d84217-4-48ae55e5a729649ac32d-3.png ]


半数以上の人が、マスク着用による口腔内の【粘つき】を実感。
「マスク着用前と比較して、お口の【粘つき】は変化しましたか」という質問に対し、「粘ついた」と回答した人が46.3%と最も多く、次いで「変わらない」と回答した人が39.4%となりました。「粘ついた(46.3%)」「とても粘ついた(4.5%)」と回答した人の合計は50.8%に上り、反対に「さっぱりした(9.3%)」「とてもさっぱりした(0.5%)」と答えた人の合計は10%未満となりました。
この結果により、半数以上の人がマスク着用後、口腔内の粘つきを実感していることが分かりました。

[画像5: https://prtimes.jp/i/84217/4/resize/d84217-4-b54d178766f06c735ce7-4.png ]


4割以上の人が、マスク着用による【口臭】の悪化を実感。
「マスク着用前と比較して、【口臭】は変化しましたか」という質問に対し、「変わらない」と回答した人が47.1%と最も多かったものの、「悪化した」と回答した人が38.9%と2番目に多い結果となりました。「悪化した(38.9%)」「とても悪化した(4.0%)」と回答した人の合計は42.9%に上り、「改善した(9.3%)」「とても改善した(0.6%)」と答えた人の合計は10%未満となりました。
この結果により、4割以上の人がマスク着用後、口臭の悪化を実感していることが分かりました。

■プロバイオティクスとは
「十分量を摂取したときに宿主(ヒト)に有益な作用をもたらす生きた微生物」を指す言葉です。プロバイオティクスの代表格といえば乳酸菌で、乳酸を多くつくる菌の総称です。有害な菌を有用な菌で置き換える細菌置換療法(リプレースメントセラピー)の中で悪玉菌と置き換える善玉菌として活用され、日常的に摂り続けて健康を維持することを目的としています。

■「L8020乳酸菌」とは
「L8020乳酸菌」は、むし歯菌・歯周病菌を殺滅する効果があり、歯周病菌の中で、最も人体に悪い影響を与えるジンジバリス菌が持っている毒素であるL P Sを不活性化する作用を持った、口腔内環境の改善に効果のある乳酸菌です。広島大学大学院医系科学研究科 二川浩樹教授によって日本人のむし歯の無い子供の口腔内から発見されました。口腔内には、腸内以上に多種類の微生物、通常700~800種類の微生物が生息しています。これらは口腔内微生物叢、またはオーラルフローラ(Oral flora;口の中のお花畑の意味)と呼ばれています。オーラルフローラは腸内フローラと同じく悪玉菌と善玉菌が混在しており、日頃から口腔内の悪玉菌を減らし善玉菌が優位な状態を作っていくプロバイオティクスを適用することで、むし歯や歯周病のリスクを抑えることができます。

■「L8020協議会」とは
「L8020乳酸菌」を通じて、厚生労働省や日本歯科医師会が推奨している、「満80歳で自分の歯を20本以上守ることを目指した8020運動」に貢献したいと考え、2014年に発足。二川教授が会長となり、「L8020乳酸菌」を使用して製品化・商品化、販売を行っている企業21社が参加しています。
http://l8020.info/index.html

PR TIMESプレスリリース詳細へ