認定特定非営利活動法人Living in Peaceが、児童養護施設の子どもたちを対象としたキャリア教育プログラムの提供を開始

プレスリリース発表元企業:認定特定非営利活動法人Living in Peace

配信日時: 2021-12-01 10:30:00

大学等進学率

「すべての人に、チャンスを。」をビジョンとして活動している認定特定非営利活動法人Living in Peace(所在地:東京都中央区)は、児童養護施設の子どもたちを対象としたキャリア教育プログラム「おしごとリップ」の実施マニュアルを提供開始いたします。


■児童養護施設で暮らす子どもたちが抱えるキャリアの課題
児童養護施設で暮らす子どもたちの多くは、高校卒業と同時に施設からの退所を余儀なくされます。近年では奨学金制度の拡充により、少しずつ進学率が上昇していますが、全高卒者と比較すると、進学する子どもの割合はまだまだ低いのが現状です。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/286614/LL_img_286614_1.png
大学等進学率
出典:厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課調べ(平成30年5月現在)

そのため、この時点で多くの子どもたちは就職を選択することになります。しかし、就労後も社会的孤立や資金的困難、未来への不安感から、生活が不安定になりやすく、結果として貧困状態に陥りやすいという現実があります。その主な原因として、主に以下2点が考えられます。

1. 職業選択の知識が乏しい
児童養護施設で暮らす子どもたちは、将来の進路をより早期に固める必要があるにもかかわらず、施設職員以外の大人と接する機会が少なく、世の中の職業や様々なキャリアパス、職業観を知る機会が限られています。こうした現実が、職業選択の幅を狭め、サービス業や福祉関係といった特定の職業に偏った選択へと繋がっているのです。

2. 自立に向けた心の準備ができていない
児童養護施設は、恒常的に人手が足りておらず、日常のケアに加えて就職・進学に対する手厚いサポート等の自立支援を行うことが困難な状況にあります。こうしたことから、子どもたちは自立に向けた準備が十分でないまま施設の退所を迎えてしまい、結果として高い失業率や低い継続率といった就業の不安定さに繋がります。


■プログラムが目指す解決策
今回マニュアルを作成した「おしごとリップ」は、こうした課題を解決するためにLiving in Peaceが開発した、通年のキャリア教育プログラムであり、2011年から実施しています。ちなみに、名前の由来は「おしごと」とLiving in Peaceの頭文字の「LIP」を合わせると「トリップ(旅)」という言葉が現れることから、「おしごとリップ」と名付けています。プログラムを通して様々な仕事の世界を冒険してほしいという想いが込められています。
「おしごとリップ」では、上記の課題に対して次のような解決策を考え、プログラムを実施しています。

1. 様々な業界から講師をお招きし、子どもたちに幅広い職業の選択肢を知る機会を作る
様々な業界から招いた講師から発信される、業界知識や具体的な仕事内容、講師のキャリアや職業観についての講義を通して、子どもたちが幅広い職業の選択肢を知る機会を作ります。また、座学だけでなく、グループもしくは個人ワークを通して職業理解を深めることで、子どもたちの考える力や発信力を身につけ、他者との関係性向上・自律性・有能感の醸成を目指します。

2. 自立に向けた心の準備を行う
本プログラムでは、子どもたちに多くの職業に触れてもらうだけではなく、その経験が自立に向けた心の準備に繋がるよう、下記3点に力を入れています。

(1) 非認知能力の強化
自立にあたって重要となる「粘り強さ」「誠実さ」「人間関係構築」といった非認知能力を伸ばすことを重視しています。
(2) 早い段階からの実施
児童養護施設を退所する間際に、キャリアや自立のことについて子どもの意識づけを行おうとしても多くの困難や不十分さが伴います。高校受験がキャリア形成の最初の関門でもあるため、より早い段階から参加することで効果が高まると考え「おしごとリップ」は中学生から参加できる内容にしています。
(3) 長期的な実施
非認知能力を育むには子どもとの長期的な関係性構築が不可欠であること、将来の選択肢を複数知ってほしいという想いから、単発ではなく1年間に10回前後を1タームとし、実施しています。可能であれば、数年間継続して参加してもらえるとより効果が高まります。


■プログラムの効果
プログラムに参加した子どもたち、また子どもたちの成長を見守っている施設職員の方たちから、以下のようなお声をいただいています。

<子どもたちの声>
・今までは保育士になりたいとだけ思っていたけれど、色々なことに興味を持った。
・自分の意見だけじゃなく、他の人の意見も聞けるようになった。
・みんなの前に出て発表できるようになった。

<施設職員の声>
・「プログラミングの仕事について話が聞きたい」等の具体的な要望が出てくるようになり、実際にその職に就いている人に話を聞く子どもが出てきた。
・人前で話すことができなかった子が発表できるようになり、驚いている。
・自分の気持ちを吐き出せる場所が増えていることを、非常にポジティブに捉えている。


■お問い合わせ先
<キャリアプログラム利用に関するお問い合わせ>
利用規約に目を通していただいた上で、お問い合わせフォームにご入力をお願いいたします。
・ご利用規約 :おしごとリップマニュアル利用規約
https://www.atpress.ne.jp/releases/286614/att_286614_1.pdf
・お問い合わせ:お問い合わせフォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdNR5LMb4b3OntUP4TNkYdMeYD_q_CZF8dgegrIRQqmWlx_kw/viewform


■団体概要
団体名称 : 認定特定非営利活動法人Living in Peace
監事 : 五十嵐 裕美子(五十嵐綜合法律事務所弁護士)
鈴木 瞳(株式会社マカイラ 執行役員)
アドバイザー: 小森 哲郎(株式会社ファイントゥデイ資生堂 代表取締役社長兼CEO)
河口 真理子(立教大学 21世紀社会デザイン研究科 特任教授)
所在地 : 〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町5番1号 兜町第1平和ビル
設立 : 2007年10月28日 結成
URL : https://www.living-in-peace.org/


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