Bentley Systems、地球科学分野向け3Dモデリングソフトウェアの世界的リーダー企業Seequentを最大10億5,000万ドルで買収する契約を締結

プレスリリース発表元企業:Bentley Systems, Incorporated

配信日時: 2021-03-16 03:48:00

Bentley Systems、地球科学分野向け3Dモデリングソフトウェアの世界的リーダー企業Seequentを最大10億5,000万ドルで買収する契約を締結

インフラデジタルツインを「深化」させて環境の耐障害性を向上

(ペンシルバニア州エクストン)-(ビジネスワイヤ) -- インフラストラクチャエンジニアリングソフトウェア企業のBentley Systems, Incorporated(Nasdaq: BSY)は本日、Accel-KKR率いる投資家グループと、Seequentの最終的な買収契約を締結したことを発表しました。地質学および地球物理学的モデリングや地質工学的安定性を実現するソフトウェアのほか、地理データ管理、可視性、コラボレーションのためのクラウドサービスにおけるリーダー企業であるSeequentを、9億ドルの現金(状況に応じて調整)に加えBSYのクラスB株3,141,361株で買収することにより、まずBentley Systemsの主要財務指標(ARR、年間売上高、EBITDA)がそれぞれ約10%増加すると予想されており、さらにBentleyの有機的成長率も顕著に漸増するものと期待されています。最も重要なのは、この 2 社の統合によってインフラデジタルツインの可能性がさらに深まり、環境リスクの理解と低減につながるため、耐障害性と持続可能性が向上するということです。

この買収は、ニュージーランド海外投資法による承認やハート・スコット・ロディノ反トラスト改正法に基づく認可を含む、慣例法のクロージング条件を満たし規制当局の承認を受ける必要があります。クロージング後、SeequentはBentleyの独立子会社として営業することになり、Seequentの現最高執行責任者であるGraham Grant氏が、CEOを退任するShaun Maloney氏の後任として、Bentleyの最高製品責任者Nicholas Cuminsに直属するものとします。

ニュージーランドのクライストチャーチを拠点とするSeequentは、16か所のオフィスに430名を超える社員を擁しており、世界100か国以上の地質学者、水文地質学者、地球物理学者、地質工学エンジニア、土木技術者、土木技術者のほか、世界トップクラスの鉱業会社にサービスを提供しています。南米やアフリカ南部など鉱物の豊富な地域におけるSeequentの確立された地位を基盤とすることで、そうした大規模なインフラ要件を抱える地域でのBentleyの全体的な営業機会が拡大するものと期待されています。その一方で、Bentleyの中国における確立された地位と、主軸となる土木分野全体での影響力により、Seequentの新規市場における事業拡大が加速することも期待されます。

「インフラのインフラ」を意味する地下の状態は、文字通り地球の主要な環境リスクの根底をなすものです。Bentleyの現在のサービスでは、基礎、排水設備、埋設ユーティリティ、トンネル、海底構造物など、「地表付近」に建設されたものをデジタルツインに統合できます。ここにSeequentが加わることで、インフラデジタルツインが非常に深い地下深度にまで到達することが可能になり、洪水、地震、気候、水の安全保障上の脅威に対する環境レジリエンスが強化されます。

Seequentは15年以上前に初めて陰的モデリングの技術を地質学に応用し、数学的ツールを駆使して、測定データとユーザーの解釈から3D地質モデルを導出し視覚化してきました。このソフトウェアの進歩によって、地球の地下理解における「リープフロッグ型」のパラダイムシフトが起こり、以降この技術はますます世界中の地球科学者や研究者によって採用され、環境条件や課題についての貴重な見識を見出し可視化するために利用されています。

Seequentの製品には、3D地質モデリングと可視化を行うための主力製品であるLeapfrog、3D地球モデリングと地球科学データ管理のためのGeosoft、地質工学的な斜面安定度解析と変形モデリングに使用できるGeoStudioなどがあります。Bentleyの補完的な地質工学エンジニアリングソフトウェアのポートフォリオ(PLAXIS、gINT、OpenGroundなど)も今後統合され、ボーリングや穿孔のデータから地質モデルや地質工学解析のアプリケーションまで、オープンなデジタルワークフローがサポートされる予定です。

鉱業業界は経済的感度が高く環境上の責任も大きいため、3D地球モデリングをいち早く採用して従来の2Dプロセスに置き換え、意思決定サイクルの迅速化と改善に努めてきました。鉱山は継続的に変化する終わりのないインフラ建設プロジェクトであると同時に、貴重であり環境上の重大なインフラストラクチャ資産でもあります。Seequentは、主要なすべてのインフラエンジニアリングのプロジェクトおよび資産について、従来の2D地下モデリングとシミュレーションのプロセスを同様に「リープフロッグ(一足飛び)」できる可能性に気づきました。Leapfrogの利用度は公共インフラのセクターで着実に高まっており、多くの場合Bentleyのソフトウェア製品と組み合わせて使用されています。

BentleyとSeequentのソリューションを統合し、より深度の深いインフラストラクチャのデジタルツインを実現することで、「ESG手形」を強化して世界環境を改善しつつ世界経済も改善していくことに貢献できます。石油・ガスの探査や生産については、専門の地球物理学ソフトウェア業界がサービスを行っているため、Seequentの製品はそれほど利用されていませんが、昨今ではエネルギー移行の必要性によって新たな機会が生まれており、それは鉱業を拡大して広域の電化に必要な材料を生産することだけにとどまりません。Seequentは地熱エネルギー源の3Dモデリング業界のリーダーであり、そのソフトウェアとクラウドサービスは水資源シミュレーションや環境エンジニアリングにおける重要な地球科学的背景を提供しています。

BentleyのCEOであるGreg Bentleyは、次のように述べています。「Seequentは我々の共通の未来に大きく貢献してくれるものと確信しています。それは2社の製品の相乗効果が得られるという理由からだけでなく、Seequentのこれまでの歩みにはBentleyが成功してきた道程に通じるものがあるからです。しかもSeequentは、その成長をより早く成し遂げています。Seequentはあらゆる段階で先見の明のある決定を行い、未来の利益を実現してきました。たとえば地球モデリングでは3Dの「立面」の可能性を特定してそれに鋭く焦点を当て、当初からサブスクリプションの商用モデルを制度化し、適切なグローバル市場に直接参入してきたほか、隣接科学に最適なソフトウェアを買収して統合し、それらをみなクラウドサービスで提供しているため、デジタルツインをともに進歩させる準備ができているのです。SeequentをBentleyの子会社としてそのまま残し、その経営陣にいっそう大きな責任を委ねて、ダイナミックな推進力を維持してもらうという判断は、Seequentに対するこの上ない賛辞と考えています。退任されるCEOのShaun Maloney氏に対しては、これまで維持されてきたビジネスの質と、形成されてきたチームの高い能力を讃えたいと思います。そして彼の実績ある後任者Graham Grant氏と、Seequentの仲間たち全員を、我々の共通の価値観とインフラを発展させる取り組みに温かく迎え入れるつもりです」

Accel-KKRの共同マネージングパートナーでありSeequentの取締役でもあるTom Barnds氏は、次のように述べています。「Seequentの今年の新規株式公開を楽しみにしていましたが、今回の提携については我々もその必然性を確信しており、今後は代わってBSYの株主となることを嬉しく思っています。Seequent取締役会は、Shaun Maloney氏の長年の仕事ぶりと、この素晴らしい会社を常に安定的に成功させてきたその手腕、優れた経営陣、そしてSeequentの投資家と社員たちに対する素晴らしい業績を讃え、感謝したいと思います」

SeequentのCEOであるShaun Maloney氏は、こう話しています。「Bentleyとともに『リープフロッグで前進』し、より深度の深いデジタルツインを利用して地球科学とインフラエンジニアリングを連携させることで、Seequentは『地球をもっと理解することで皆にとってより良い世界を創出できる』という信念を明確に示しています。Bentleyの子会社となったSeequentのユーザーや取引先企業は、これまで通りのサービスを利用できるだけでなく、今後さらに多くの製品や商業的な相乗効果を期待することができます。Seequentの社員たちについては、志を同じくするBentley SystemsとCOOのGraham Grantのもと、将来は安泰だと確信していますので、私はここで予定通りの退任を発表させていただきたいと思います。今後は新たに拡大される業務から、皆にとってともに進歩するための大きな機会がもたらされるでしょう」

BentleyのCFOであるDavid Hollisterは、次のように述べています。「この取引は第2四半期に完了する見通しで、現金対価は手元資金と8億5,000万ドルの回転信用枠の組み合わせによって決済される予定です。今年中にはSeequentによって、BentleyのARRに8,000万ドル以上が上乗せされるものと見込んでいます。Seequentは過去もそして現在も目覚ましい有機収益成長率を誇っており、さらにBentleyと類似した営業利益プロファイルを備えているため、Bentleyの財務モデルに迫っています。この取引のための資金調達は、今年初めに2026年を期限とする6億9,000万ドルの転換社債を発行したことで促進されました。Bentleyのデレバレッジ目標(総純レバレッジ×調整後EBITDAを今後2年間でクローズ後の4.0倍以下から約2.5倍まで減少させる)の達成は、将来の株式発行によって加速される可能性もあります」

顧問

Bentley Systemsに対しては、BofA Securitiesが財務顧問を、Simpson Thacher & Bartlett LLPおよびBell Gullyが法律顧問を務めています。Seequentに対しては、Goldman Sachsが財務顧問、DLA Piperが法律顧問を務めています。

カンファレンスコール

2021年3月12日(金)東部標準時午前8時30分に、投資家向けのカンファレンスコールを開催いたします。このカンファレンスに登録するには、次のリンクをクリックしてください。https://zoom.us/webinar/register/WN_TN6D4dUVTcWAIVlsqxDmkw

ここをクリックすると、Seequentに関する90秒のビデオをご覧いただけます。

Seequentについて

Seequentは、地下地球科学を理解し設計ソリューションを開発するための3D地質モデリングと視覚データソフトウェアの開発を行う世界的リーダー企業です。

Seequentのソリューションは、ユーザーが複雑なデータを分析し、リスクを管理して、最終的に地球、環境、エネルギー面での課題に関するより適切な意思決定を行うことを可能にします。

Seequentのソフトウェアは、道路および鉄道トンネルの建設、地下水の検出と管理、地温探査、海底インフラのマッピング、資源評価、使用済み核燃料の地下貯蔵などという、世界中の大規模プロジェクトに利用されています。

Seequentの拠点はクライストチャーチの本社と研究開発センターを中心として全世界に広がっており、アジア太平洋、アフリカ、南米、北米、ヨーロッパに及ぶオフィスのネットワークを通じて、100か国以上の優良企業および顧客に最先端の地下ソリューションを提供しています。

https://www.seequent.com

Bentley Systemsについて

Bentley Systems(Nasdaq:BSY)は、インフラストラクチャエンジニアリングソフトウェア企業です。世界経済と環境の両方を維持しつつ、世界のインフラを前進させる革新的なソフトウェアを提供しています。業界をリードする当社のソフトウェアソリューションは、専門家やあらゆる規模の組織によって、道路・橋梁、鉄道・輸送、上下水、公共事業や公益事業、建物やキャンパス、産業施設の設計、建設、運用に活用されています。当社の製品には、モデリングおよびシミュレーション用のMicroStationベースのアプリケーション、プロジェクトデリバリ用のProjectWise、資産およびネットワークパフォーマンス用のAssetWise、インフラストラクチャデジタルツイン用のiTwinプラットフォームなどがあります。Bentley Systemsは、172カ国に4,000人以上の従業員を擁し、年間売上高は8億ドルを上回ります。www.bentley.com

将来予想に関する記述

本プレスリリースには、予定されているSeequentの買収とそのタイミング、その買収がBentleyの財務状況および業績に及ぼす影響、そしてBentleyとSeequent双方の取引関係、製品、サービスに関する記述など、将来予想に関する記述が含まれ、それらはリスクや不確実性をともなうものです。

本プレスリリースに含まれる記述で、歴史的事実の記述でないもの(Bentleyの信念や期待に関する記述を含む)は、いずれも将来予想に関する記述であり、そのようにみなされる必要があります。将来予想に関する記述は、Bentley Systems経営陣の信念に加え、同経営陣による想定、および同経営陣が現時点で入手可能な情報に基づいています。そうした記述は将来の出来事に関する予想に基づいており、事実の記述ではないため、実際の結果は予測されたものと著しく異なる可能性があります。実際の結果が著しく異なるものになりうる要因としては、BentleyがSeequentの事業を有効に統合または運営する能力、買収に必要な規制承認を取得するための費用や遅延、買収関連の費用、資本市場環境の不利な変化やBentleyが許容できる条件での(あるいは一切の)追加融資を獲得する能力の不利な変化、Seequentの顧客基盤または地理的条件の変化、Seequentの事業を運営または統合するために必要な人員確保の失敗、Seequentの顧客が業務を行っている業界の変化、BentleyとSeequentの双方が業務を行っている競争環境の状況や買収に対する競争的反応、BentleyとSeequentがイノベーション・新製品の開発・既存製品の改良を行う能力、一般的な経済・市場・ビジネスの状況、買収の会計処理による予想外の影響、買収を完了させるための条件を満たす能力やそれを予定のスケジュール通りに行う能力などが挙げられます。

実際の結果が現在の予想と著しく異なるものになりうる要因についての詳細情報は、2020年12月31日期のForm 10-Kに関するBentleyアニュアルレポートの「リスク要因」の項、およびその後のSECへの提出書類で説明されていますが、それらに限定されるものではありません。

© 2021 Bentley Systems, Incorporated.Bentley、Bentleyのロゴ、AssetWise、gINT、iTwin、MicroStation、OpenGround、PLAXIS、ProjectWiseは、Bentley Systems, Incorporated、またはその直接または間接の完全所有子会社のいずれかの登録商標、未登録商標、または商標です。Seequent、Geosoft、GeoStudio、Leapfrogは、Seequent Limitedあるいはその子会社の登録商標または未登録商標です。その他すべてのブランドおよび製品名は、それぞれの所有者の商標です。



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