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韓国輸出、大企業の比率が75.2%に上昇 AI半導体好況でも中堅は13.4%減

(Nicholas Cappello/unsplashc.com)[写真拡大]
韓国関税庁が2026年8月26日に発表した7月の企業規模別輸出入統計で、大企業の輸出額が前年同月比90.7%増加し、韓国の輸出全体に占める比率が75.2%に上昇した。半導体輸出は大企業が228.3%増、中小企業が57.7%増となった一方、中堅企業は13.4%減少しており、企業規模によって明暗が分かれた。
中堅企業と中小企業の輸出総額も前年同月を上回り、2026年3月から5カ月連続で増加した。ただ、大企業の伸びが大幅に上回ったため、輸出全体に占める中堅・中小企業の比率は低下した。
■7月輸出は990億ドル、大企業が90.7%増
韓国の2026年7月の輸出額は前年同月比63.0%増の990億ドル(約15兆7,410億円、1ドル=159円換算)となった。企業規模別では、大企業が90.7%増の744億ドル(約11兆8,296億円)、中堅企業が8.7%増の127億ドル(約2兆193億円)、中小企業が17.9%増の117億ドル(約1兆8,603億円)だった。
大企業の輸出は半導体が228.3%増、コンピューター周辺機器が389.5%増となった。船舶は51.9%増、無線通信機器は52.3%増、石油製品は37.7%増、乗用車は15.0%増だった。一方、家電製品は5.0%減、精密機器は9.2%減少した。
中堅企業では、鉄鋼製品が18.5%増、船舶が28.6%増、精密機器が27.6%増、石油製品が23.0%増となった。半導体は13.4%減、無線通信機器は31.8%減、コンピューター周辺機器は17.8%減だった。
中小企業では、半導体が57.7%増、無線通信機器が209.8%増、精密機器が29.3%増、鉄鋼製品が21.8%増となった。半導体関連の需要が大企業だけに及んだわけではないものの、中堅企業の半導体輸出は前年同月を下回っており、同じ業種でも企業規模によって異なる動きが表れた。
■大企業の輸出比率が10.9ポイント上昇
輸出全体に占める大企業の比率は75.2%となり、前年同月の64.2%から10.9ポイント上昇した。中堅企業は19.2%から12.8%へ6.4ポイント、中小企業は16.4%から11.8%へ4.5ポイント低下した。
これは中堅・中小企業の輸出額が減少したためではない。両区分とも輸出額は増加したが、大企業の伸びが大幅に上回ったことで、相対的な比率が縮小した。中堅企業と中小企業の輸出はともに2026年3月から5カ月連続で前年同月を上回っている。
2026年1~7月の累計輸出額は前年同期比50.5%増の5,951億ドルだった。大企業は71.1%増の4,397億ドル、中堅企業は9.2%増の800億ドル、中小企業は14.5%増の734億ドルとなり、累計でも大企業の伸びが際立った。
■半導体で大企業と中堅企業の差が鮮明に
企業規模による差が特に大きかったのが半導体である。大企業の半導体輸出が前年同月比228.3%増、中小企業が57.7%増となるなか、中堅企業は13.4%減少した。
韓国の半導体産業は、メモリ半導体と大規模な製造能力を強みとしている。AIインフラの拡大に伴い、高帯域幅メモリ(HBM)やサーバー向けDRAM、データ保存用メモリへの需要が増え、大手メモリメーカーの輸出を押し上げている。
一方、中堅企業の半導体輸出が減少したという統計だけから、その原因を設備投資能力の不足や特定製品への対応の遅れに限定することはできない。中堅企業が扱う製品構成、取引先、市況、前年の輸出水準など、複数の要因を確認する必要がある。
米国際貿易局は、韓国がメモリ半導体と大規模製造で高い競争力を持つ一方、システム半導体、ファブレス設計、AI半導体、先端パッケージング、主要な材料・部品・装置では、さらにエコシステムを拡充する余地があると分析している。これらは中堅・中小企業を含む供給網の裾野を広げるうえで重要な分野となる。
■輸出の伸びは首都圏と忠清圏で顕著
地域別では、大企業の輸出が首都圏で141.8%、忠清圏で127.2%増加した。半導体関連企業が集積する京畿道は196.8%増、忠清南道は159.9%増となった。
中堅企業の輸出は首都圏で5.8%、東南圏で13.6%、忠清圏で21.9%増加した一方、全羅南道を中心とする地域では24.4%減少した。中小企業は首都圏、東南圏、忠清圏、大邱・慶北圏など、すべての地域区分で輸出が増加した。
輸出先別では、大企業の対中輸出が136.9%、対ベトナムが125.0%、対米国が90.1%、対EUが75.3%増加した。中堅企業も米国、中国、ベトナム、EU向けが増えたが、台湾向けは45.3%、シンガポール向けは2.7%減少した。
これらの数値は大企業の輸出増加が複数の市場にまたがっていることを示す。ただし、企業規模別統計だけでは、輸出増加分のすべてをAI半導体需要に帰属させることはできない。自動車、船舶、石油製品など、半導体以外の品目も大企業の輸出を押し上げている。
■SKハイニックスは次世代メモリの生産基盤を拡張
SKハイニックスは2026年8月7日、京畿道・龍仁のY2工場に35兆2,000億ウォン、忠清北道・清州のM17工場に19兆1,000億ウォンを投じることを取締役会で決議した。投資総額は54兆3,000億ウォンで、約6兆2,000億円に相当する。
Y2はHBMを含む次世代DRAMの生産拠点として、2027年7月に着工し、2029年6月に最初のクリーンルームを開設する計画である。M17はNAND型フラッシュメモリの生産拠点で、2027年2月に着工し、2028年12月のクリーンルーム開設を予定している。
同社は建物や電力・用水などの生産基盤を先行して整備し、クリーンルームの拡張や製造装置の導入については、実際の市場需要に応じて段階的に進める方針を示している。こうした大規模投資は、AI向けを含むメモリ需要への対応に多額の資本と長期的な生産計画が必要であることを示している。
■韓国政府は半導体供給網を支援
韓国では2026年8月11日、「半導体産業競争力強化および支援に関する特別法」が施行された。同法は、メモリ半導体やシステム半導体の設計・製造に加え、ソフトウェア、素材、部品、装置、パッケージングを含む供給網を支援対象に位置付けている。
同法に基づき、政府は半導体産業の基本計画と実行計画を策定し、半導体クラスターの指定や産業基盤整備、研究開発、人材育成、金融支援などを進める枠組みを整えた。
今回の統計では、中堅・中小企業の輸出額も増えている一方、輸出全体に占める比率は低下した。政策の効果を判断するには、供給網を構成する材料、部品、装置、設計、パッケージング企業の輸出や投資が今後どのように変化するかを継続的に見る必要がある。
■輸出集中を見る際の注意点
大企業の輸出比率が75.2%に上昇したことは、韓国の輸出拡大が大企業に強く牽引されていることを示す。半導体では大企業と中堅企業の増減方向も分かれており、企業規模別の差が鮮明になった。
一方、この比率には半導体以外の輸出も含まれるため、75.2%のすべてをサムスン電子とSKハイニックスの2社によるものとみなすことはできない。また、大企業の輸出比率が上昇したことから、賃金や所得格差が直ちに拡大したと結論付けることもできない。
企業や投資家にとって注目点となるのは、輸出額の大きさだけでなく、成長を支える品目と企業がどの程度分散しているかである。AIインフラ投資やメモリ市況が変化した場合、大手半導体メーカーへの依存度が高い輸出構造は、韓国経済の成長を押し上げる要因にも、変動を大きくする要因にもなり得る。
■注目ポイントQ&A
●大企業の輸出シェアが75.2%に上昇したのは、中堅・中小企業の輸出が減ったからですか?
いいえ。2026年7月は中堅企業が8.7%増、中小企業が17.9%増となりました。ただし、大企業が90.7%増と大幅に伸びたため、中堅・中小企業の相対的なシェアが低下しました。
●半導体輸出は大企業だけが伸びたのですか?
いいえ。大企業は228.3%増、中小企業も57.7%増となりました。一方、中堅企業は13.4%減少しており、企業規模によって異なる動きが見られました。
●中堅企業の半導体輸出が減った原因はHBMを製造できないためですか?
今回の企業規模別統計だけでは、原因をHBMの製造能力に限定できません。製品構成、市況、取引先、前年の輸出水準などを詳しく分析する必要があります。
●韓国政府は半導体産業をどのように支援していますか?
2026年8月11日に半導体産業競争力強化特別法が施行されました。製造企業だけでなく、設計、ソフトウェア、材料、部品、装置、パッケージングなどを含む供給網の支援が制度上の対象となっています。
●企業規模別の輸出統計は今後も公表されますか?
韓国関税庁は、2026年8月以降、主要品目、輸出先、地域を含む企業規模別の輸出入動向を毎月提供する方針です。
元記事: Korea Customs Data Confirms Chip Boom Bypassed Mid-Sized Firms: Chaebols Claim 75%
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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