スペースXのファルコン9「B1067」が37回目の飛行、ディスカバリーの39ミッションに迫る

2026年8月26日 16:43

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記事提供元:Tech Times

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スペースXのファルコン9ロケットの第1段ブースター「B1067」が、通算37回目の飛行と着陸に成功し、同社のブースター再使用記録を更新した。飛行回数は、スペースシャトル「ディスカバリー」が約27年間に達成した39回の軌道ミッションにあと2回まで近づいた。

両者は機体の構成や任務、再使用される範囲が異なるため、単純に同じ記録として扱うことはできない。それでも、同一のロケット第1段を短期間で繰り返し飛行させるファルコン9の運用実績を示す節目となった。

■37回目の飛行でスターリンク衛星29機を投入

スターリンク10-49ミッションは、米東部夏時間2026年8月25日午前5時33分、日本時間同日午後6時33分に、フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地にある第40発射施設から打ち上げられた。ファルコン9は29機のスターリンク衛星を搭載し、打ち上げから約1時間後に衛星を展開した。

第1段のB1067は打ち上げから約8分半後、日本時間午後6時41分ごろに、大西洋上のドローン船「A Shortfall of Gravitas」へ着陸した。同船への着陸は165回目、ファルコン系列のブースター回収成功は通算654回目となった。

今回の飛行でB1067は、ファルコン9ブースターとして最多となる37回目のミッションを完了した。前回の飛行から今回までの間隔は約47日だった。

■ISS補給や有人飛行を担ったB1067

B1067の初飛行は2021年6月3日の国際宇宙ステーション補給ミッション「CRS-22」だった。その後、NASAの有人宇宙飛行ミッション「Crew-3」と「Crew-4」、補給ミッション「CRS-25」などに使用された。

通信衛星では、Turksat 5B、Eutelsat HOTBIRD 13G、SES O3b mPOWER-A、PSN SATRIA、Telkomsat Merah Putih 2、Koreasat-6Aなどを打ち上げたほか、欧州の衛星測位システム「ガリレオ」の衛星打ち上げにも使われた。

37回の飛行のうち26回はスターリンク関連のミッションだった。有人宇宙船から大型通信衛星、測位衛星、自社の通信衛星網まで、幅広いペイロードを運んできたこともB1067の特徴である。

■ディスカバリーの39ミッションとの違い

スペースシャトル・ディスカバリーは、1984年8月30日から2011年3月9日までに39回の地球周回ミッションを実施した。ギネス世界記録は、ディスカバリーを最も多く再使用された宇宙機として認定している。運用期間中の宇宙滞在は合計365日に達した。

ディスカバリーは宇宙飛行士や貨物を軌道へ運び、地球へ帰還する有人軌道船だった。一方のB1067は、ファルコン9を構成する第1段ブースターであり、打ち上げ後に分離して帰還する。上段や衛星、有人宇宙船を含むロケット全体が再使用されるわけではない。

そのため、B1067があと2回飛行しても、ギネス世界記録における「宇宙機の再使用記録」と自動的に同列になるわけではない。注目すべき点は、異なる時代と設計思想の下で運用された2機の飛行回数が近づいていることにある。

スペースシャトルは、軌道上での有人活動や大型貨物の輸送、衛星の展開と回収など、幅広い役割を担う複雑なシステムだった。これに対してファルコン9は、第1段を垂直着陸させて再使用することで、打ち上げ頻度を高める運用を築いてきた。両者の違いは、宇宙輸送における再使用という考え方がどのように変化してきたかを示している。

■ケープカナベラルのスターリンク打ち上げは当面減少か

今回のスターリンク10-49は、ケープカナベラルから打ち上げられる当面最後のスターリンクミッションとなる可能性がある。スペースXの短期打ち上げ予定には、同拠点からの次のスターリンクミッションが掲載されていない。

2026年に実施されたスターリンクミッション76回のうち、44回はカリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地から打ち上げられた。ケープカナベラルでは、スターシップ関連の準備に人員が振り向けられていると報じられている。

ただし、スペースXはケープカナベラルからのスターリンク打ち上げ終了を公式に発表していない。現時点で確認できるのは、短期予定に次のミッションがなく、フロリダでの打ち上げがしばらく途切れる可能性があることまでだ。

■スターシップの運用拡大後にファルコンを縮小

スペースX最高経営責任者のイーロン・マスク氏は、スターシップが週に数回の飛行を安定して実施できるようになれば、ファルコンの生産や技術開発に使っているリソースをスターシップへ移す考えを示している。

これはファルコン9が直ちに退役することを意味しない。移行時期はスターシップの飛行頻度と運用の安定性に左右され、スペースXはファルコン9の正式な退役日を発表していない。

2028年より先の一部の商業打ち上げについて、スペースXが新規予約を受け付けていないことも報じられている。一方、既に契約された政府機関や民間顧客のミッションがあり、ファルコン9の運用は当面続くとみられる。

B1067の次回ミッションや退役時期も発表されていない。37回という実績は、スターシップへの移行が意識され始めるなかで、ファルコン9が築いてきた高頻度の再使用運用を象徴する記録となっている。

■注目ポイントQ&A

●B1067はディスカバリーの39回まであと何回ですか?

飛行回数ではあと2回で39回に並びます。ただし、ディスカバリーは有人軌道船、B1067はロケットの第1段であり、機体の種類や任務、再使用される範囲が異なります。

●B1067は次にいつ飛行しますか?

次回のミッションは発表されていません。ファルコン9全体の打ち上げ頻度から、B1067の次回飛行時期を直接予測することはできません。

●ケープカナベラルからのスターリンク打ち上げは終了したのですか?

終了は公式発表されていません。短期の打ち上げ予定に次のスターリンクミッションが掲載されていないため、当面途切れる可能性があります。

●ファルコン9は2028年に退役するのですか?

2028年を正式な退役時期とする発表はありません。マスク氏は、スターシップが週に数回安定して飛行できるようになった段階で、ファルコンの運用を縮小する考えを示しています。

●ファルコン9 Block 5はなぜ繰り返し飛行できるのですか?

第1段を推進力で減速させて垂直着陸させ、回収後の点検と整備を経て再使用することを前提に設計されているためです。B1067の37回の飛行は、この運用方式による最多記録です。

元記事: Falcon 9 Workhorse Nears Shuttle Reuse Record as Cape Canaveral Starlink Era Ends

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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