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NVIDIAやAMD、Ciscoが登壇、OCP Korea Tech Dayで探るAIインフラのオープン化

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2026年8月21日、韓国・ソウルのCOEXで「2026 OCP Korea Tech Day」が開催される。Open Compute Project(OCP)FoundationとOCP Korea Communityによる年次イベントで、AIデータセンターを支えるサーバー、ストレージ、ネットワーク、電源、冷却、施設設計などが主要テーマとなる。
会場はCOEXのグランドボールルームとASEMボールルームで、開催時間は韓国標準時の10時から17時30分まで。基調講演、約60件のセッション、30以上の展示ブースに加え、夕方にはネットワーキングレセプションも予定されている。オンライン配信を伴わない現地開催で、プログラムや会場は主催者の都合により変更される場合がある。
■AIデータセンターを構成する技術を幅広く議論
OCP Korea Tech Dayは、2019年から韓国で開催されているオープンインフラ分野のカンファレンスだ。2026年は会場をCOEXの1階と2階に広げ、午後の技術プログラムを8トラックで構成する。
扱われる領域は、サーバー、ストレージ、メモリ、スケールアップおよびスケールアウト・ネットワーク、オープンインフラソフトウェア、冷却・電源、AIクラスター、AIデータセンター設備など多岐にわたる。AI向け計算基盤では、チップ単体の性能だけでなく、ラック内外のデータ転送、電力供給、排熱、運用管理を一体として設計する必要があるためだ。
NVIDIA、AMD、Cisco、Broadcom、SanDisk、Supermicro、FADU、FuriosaAIなどの企業や、大学・研究機関の担当者が登壇する予定である。午前の基調講演では、AIデータセンターにおけるフラッシュストレージ、AIエージェント用ストレージ、次世代AIコンピューティング、モジュール型データセンター、ソブリンAI基盤などが取り上げられる。
■OCPが目指すオープンなインフラ設計
OCPは、2011年にFacebookが開始した取り組みを起点とし、データセンター向けのサーバー、ラック、電源、冷却、ネットワークなどについて、企業や研究機関が設計や技術要件を共有する国際的なコミュニティへ発展した。
OCP自身は標準化機関ではないが、公開された仕様や設計を通じて複数のメーカーが対応製品を開発できる環境づくりを進めている。調達先の選択肢を増やし、異なる企業の機器を組み合わせやすくすることが狙いだ。
OCPは2025年に「Open Data Center for AI」構想を打ち出し、対象をIT機器だけでなく、データセンター施設の電源、冷却、運用技術、テレメトリーへ広げた。高密度化するAIクラスターを大規模に導入するには、サーバーと建物設備を切り離して考えることが難しくなっているためである。
■液冷技術と電力供給が主要テーマに
GPUやAIアクセラレーターを多数搭載するラックでは消費電力と発熱量が増えるため、熱管理が設備設計を左右する。今回の冷却・電源トラックでは、ダイレクト・トゥ・チップ方式、リアドア熱交換器、液浸冷却、二相冷却、冷却液、クイックディスコネクト継手などが扱われる。
直接液冷では、チップに取り付けたコールドプレートへ冷却液を流して熱を運ぶ。設備側の配管や冷却液分配装置に加え、コネクタ、圧力、流量、冷却液の性質、保守方法などをシステムとして設計する必要がある。
GS CaltexやSK Picglobalはプロピレングリコールを用いた冷却液を、LG Electronicsはコールドプレート方式と液浸冷却の比較や二相冷却用冷媒の評価を取り上げる予定だ。Stäubli Korea、CEJN Koreaなどは、液冷システムの交換や保守に使う接続部品を紹介する。
電源分野では、高電圧直流給電やOCP Open Rack V3に対応する電源構成も議題となる。計算装置だけでなく、ラック、電源シェルフ、バスバー、冷却設備を共通の設計思想で組み合わせることが、高密度AI基盤を展開するうえで重要になる。
■NVLinkとEthernet系技術を取り上げるネットワークトラック
AIモデルの学習や推論を多数のアクセラレーターへ分散するには、高い帯域幅と低い遅延を備えた接続技術が必要になる。ラックやポッド内のアクセラレーターを密接に接続する「スケールアップ」と、複数のクラスターを接続する「スケールアウト」では、求められるネットワーク特性も異なる。
NVIDIAは、Vera Rubin NVL72で第6世代NVLinkを採用し、72基のRubin GPUを単一のラックスケールシステムとして接続する。同社発表では、NVLink 6の帯域幅はGPU当たり毎秒3.6テラバイト、ラック全体では毎秒260テラバイトに達する。
一方、OCPではEthernetを使ったスケールアップ接続として、ESUNやScale-Up Ethernet Transport(SUE-T)に関する作業が進められている。BroadcomはSUE-TとESUNを、CiscoはAIファクトリー向けのスケールアップおよび拠点間ネットワークの設計・検証を取り上げる予定だ。
この議論は、単純にどちらが優れているかを決めるものではない。密結合されたシステムとして性能を最適化するアプローチと、公開された技術要件を通じて機器や供給元の選択肢を広げるアプローチを、用途に応じてどう組み合わせるかが焦点となる。
■ストレージを使ったKVキャッシュの階層化
大規模言語モデルの推論では、過去のトークンに関するアテンション計算の中間情報をKVキャッシュとして保持する。長いコンテキストを多数の利用者について処理すると、KVキャッシュが占めるメモリ容量も増加する。
高速アクセスが必要なデータをGPUやAIアクセラレーターの広帯域メモリに置き、それ以外をホストメモリやNVMeストレージへ移す階層化は、高価なアクセラレーターメモリを効率的に使うための選択肢となる。もっとも、実際の性能やコストは、モデル、入出力の長さ、同時実行数、ストレージ速度、ソフトウェア実装によって変化する。
FADUは、AIデータセンターにおけるSSDとコントローラーの新たな役割を基調講演で説明するほか、午後にはGPUメモリから共有ストレージへKVキャッシュを階層化する構成を取り上げる予定だ。SanDisk、VAST Data、HammerspaceなどもAI向けストレージに関するセッションを予定している。
■FuriosaAIはRNGDクラスターを紹介
AIソリューションおよびアクセラレーテッドAIクラスタートラックでは、AMD、Cisco、韓国電子技術研究院、FADU、VESSL AI、Tenstorrentなどが、推論基盤やアクセラレーター運用について講演する。
韓国のFuriosaAIは、推論アクセラレーター「RNGD」のクラスターを大規模化する手法を紹介する予定だ。RNGDは同社独自のTensor Contraction Processorアーキテクチャを採用し、TSMCの5nmプロセスで製造される。48GBのHBM3を搭載し、大規模言語モデルやマルチモーダルモデルの推論を主な用途とする。
FuriosaAIは、米国のI/ONX HPCおよびデータセンター事業者のVeloxと共同で、スウェーデン・ストックホルムの15MW級AIデータセンター計画に参加すると発表している。計画では2027年初めに2MW分を先行稼働し、第1段階でRNGDを1,800枚、拡張段階を含めて合計8,800枚超を順次導入する予定だ。
この案件は将来の段階的な導入計画であり、全量がすでに稼働しているわけではない。RNGDはGPUと組み合わせた異種混在環境で、主に大規模言語モデルやAIエージェントの推論を担う構成とされている。
■韓国が進めるAIデータセンター整備
韓国政府は、2035年までに国内のAIデータセンター容量を合計18.4GWへ拡大する構想を公表している。2029年までに8.4GWを整備し、その後2035年までに10GWを追加する計画で、官民の投資規模は合計1,000兆ウォン超と見込まれている。
政府はAIデータセンター関連の部品やソリューションの国産化、国内AI半導体企業の商用化、地域への施設分散、海外展開も課題に挙げる。OCP Korea Tech Dayで扱われるマルチベンダー対応のラック、電源、冷却、ネットワークは、こうした産業基盤を構成する技術的な選択肢となる。
一方で、カンファレンスでの議論が、そのまま韓国政府の政策や個別のデータセンター計画を決定するわけではない。実際の導入では、性能、電力効率、調達可能性、運用ソフトウェア、既存設備との互換性、総所有コストなどを踏まえた判断が必要になる。
■Open Rack V3によるラック設備の共通化
施設関連のトラックでは、韓国のAIデータセンターへOCP Open Rack V3(ORv3)を適用する方法が議論される。ORv3は21インチ幅の機器ベイや48V直流バスバーに対応し、電源やIT機器をラックへ組み込みやすくする設計を採用している。
対応製品では、電源シェルフや機器を交換しやすくする接続方式、ケーブル管理、液冷用設備との統合などが用意される。共通仕様に沿ったラックと機器が増えれば、設備事業者は用途や供給状況に合わせて構成を選びやすくなる。
今回のイベントでは、ORv3を基礎とした高密度ラック、液冷設備の導入、AIサーバーの冷却要件、モジュール型冷却設備、高密度インフラ向けユニット設計などが取り上げられる予定だ。
■開催概要
2026 OCP Korea Tech Dayは、8月21日の10時から17時30分まで、ソウル・三成洞のCOEXグランドボールルームおよびASEMボールルームで開催される。現地参加のみで、終了後にはネットワーキングレセプションが予定されている。
当日登録料は12万1,000ウォン、学生料金は3万3,000ウォン。参加費には基調講演と技術セッション、展示会場への入場、昼食、飲料が含まれる。セッションの時刻、登壇者、会場割り当ては変更される可能性がある。
■注目ポイントQ&A
●Open Compute Projectとは何ですか?
データセンター向けのサーバー、ラック、電源、冷却、ネットワークなどについて、企業や研究機関が設計や技術要件を共有する国際的なコミュニティです。OCP自体は標準化機関ではありませんが、公開仕様や共同開発を通じて、相互運用しやすいインフラと多様な供給網の形成を支援しています。
●スケールアップとスケールアウトの違いは何ですか?
スケールアップは、ラックやポッド内の複数のGPUやアクセラレーターを高帯域かつ低遅延で接続する考え方です。スケールアウトは、複数のサーバーやクラスターをネットワークで接続して、システム全体の計算能力を拡張する考え方です。
●KVキャッシュの階層化にはどのような利点がありますか?
頻繁に参照するKVキャッシュを高速なアクセラレーターメモリに残し、それ以外をホストメモリやNVMeストレージへ移すことで、限られた広帯域メモリを効率的に利用できます。効果はモデルや負荷、ストレージ性能、ソフトウェア構成によって異なります。
●韓国にとってオープンインフラが重要なのはなぜですか?
韓国はAIデータセンター、AI半導体、電源、冷却、運用技術を産業として育成し、海外展開する構想を進めています。公開仕様に対応した製品やマルチベンダー構成の選択肢が増えれば、調達先の多様化や国内企業の参入、施設ごとの柔軟な設計につながります。
元記事: Seoul Hosts Global AI Hardware Forum Friday: NVIDIA, Cisco, AMD Join OCP Korea Tech Day
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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