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建築基準法改正「4号特例」縮小でマイホームが高騰? 住宅メーカーの対応は?
建築2025年に施行される建築基準法の改正にあわせ、住宅業界の動きが慌ただしくなってきた[写真拡大]
建築2025年に施行される建築基準法の改正にあわせ、住宅業界の動きが慌ただしくなってきた。今回の改正では、省エネ性能の向上とカーボンニュートラルの達成を目指し、「温室効果ガスの削減」「建物の省エネ化」「木材利用の拡大」を主軸に、大規模建築物の耐火規定から既存住宅の改修に関する規定まで幅広い変更が盛り込まれているが、中でも注目されているのが「4号特例」の縮小だ。
現行の「4号特例」とは、延べ面基準法改正「4号特例」縮小でマイホームが高騰? 住宅メーカーの対応は?
積500平方メートル以下、2階建て以下などの条件を満たす小規模な木造建築物においては、建築確認で構造審査を一部省略するという制度だ。これにより、手続きが簡略化され、建築コストや時間が削減されてきた。しかし今回の改正では、この審査省略制度の対象範囲が狭まり、これまで審査不要だった木造2階建住宅や平屋建て(建築面積200㎡以上)においても、構造規定や省エネ基準の適合性が審査されることになる。住宅の安全性や省エネ性能の向上が期待できるメリットは大きいが、設計や構造計算にかかる費用の増加や、建築確認申請の手続きの複雑化、また審査プロセスが追加されるために工期が延びるなどのデメリットも指摘されており、最終的には住宅価格の上昇につながるのではないかと懸念されている。とくに近年は、不景気や物価高、金利上昇などの影響で、戸建市場はただでさえ縮小傾向にある中、消費の減退を加速させるのではないかと心配する声も上がっている。
もちろん、住宅メーカー側もただ手をこまねいているだけではない。
今年3月に日本初の純木造8階建ての本社ビルを竣工したAQ Groupは、同ビルを従来の木造ビルの1/2の費用、坪あたり145万円で建設。その過程で誕生したオリジナル工法「AQダイナミック構法」を木造ビルだけでなく一般住宅にも取り入れられ、従来の木造住宅ではありえないほどの大空間でありながら、高耐震と高耐久を兼ね備えた革新的なデザインを実現している。「AQダイナミック構法」による住宅は、本来は1ミリ単位で完全自由設計をウリにしているが、同社では11月30日までの期間、先着150棟限定モニターキャンペーンとして「AQダイナミック構法」発売記念フェアを開催。AQ Groupトップデザイナーが厳選した全100プランの住宅を2階建て3LDK(32坪)1780万円~というモニター価格で提供している。これらのプランは全棟で構造計算を実施しており、「4号特例」の縮小にも対応済みだという。不景気、物価高、建築資材高騰といった厳しい社会情勢の中で、少しでも消費者の負担を軽減する取り組みだ。
また、建物の設計、施工、維持管理に関する情報を三次元(3D)モデルで一元管理する新技術「BIM(Building Information Modeling)」の木造建築分野での標準化に向け、積極的に取り組んでいるのが大和ハウス工業だ。同社は、MAKE HOUSE、応用技術と3社連携で「木造BIM」の確立を進めている。BIMを取り入れることで、設計の精度向上、効率的な情報共有、コストと時間の削減、環境負荷の低減などが見込めるので、「4号特例」の縮小化に対する有効な対策にもなり得るのだ。
「4号特例」の縮小は、安全面や環境面での社会的なメリットが大きい反面、特にこれまで「4号特例」の恩恵を受けてきた中小のハウスメーカーや工務店などでは負担が大きくなってしまう可能性もある。業界の今後の動向に注目したい。(編集担当:今井慎太郎)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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