関連記事
ゼンショーHDを1兆円企業に仕立てたのは、巧みなM&Aと創業者の思い
ゼンショーホールディングス(7550。東証プライム。以下、ゼンショーHD)の、総売上高1兆円超はなるのか。外食業界首位のゼンショーHDは「すき家(牛丼店)」「はま寿司」を中心に、多様な飲食業の店舗展開を繰り広げている。
【こちらも】破綻寸前の大戸屋を敢えて呑み込んだコロワイドは、ゼンショーHDとの距離を詰められるか
1982年に小川賢太郎氏により設立(11月:すき家1号店開業)された。前2024年3月期末のグループの総店舗数は1万5,109。売上高を業種別にみると前期で「すき家:27.5%/はま寿司20.4%」と2業態が両輪であることが分かるが、「多様さ」がゼンショーHDの特徴。
馴染み深いところを指折り数えても、「なか卯(親子丼・京風うどん)」「ココス(包み焼きハンバーグなど、ファミリーレストラン)」「ビッグボーイ(ハンバーグ&ステーキ)」「華屋与兵衛(和風レストラン)」「伝丸(北海道ラーメン店/関東圏で展開)」「久兵衛屋(うどん専門店)」etc。そして詳細は「沿革」に譲るが、グループ業態の大半をM&Aで納めている。
2021年3月期(42.2%営業減益)/22年3月期(23.6%営業減益)こそコロナ禍に足をすくわれたがその後の回復ぶりには、凄まじさすら、覚える。23年3月期:135.4%営業増益/前24年3月期:147.1%営業増益。そして今3月期は「11.8%増収(1兆800億円)、16.4%営業増益(625億円)、20.5%最終増益(370億円)」計画。ちなみに21年3月期の20円配は今期計画で70円が予定されている。
ゼンショーHDは今25年3月期を最終年度とする中計を進行中だが、「売上高:9376億円(22年3月期比42.4%増収)、営業利益:568億円(6.17倍)、純益355億円(2.57倍)」を掲げている。つまり、今期計画がクリアされれば中計を超え、1兆円企業になるという次第だ。
本稿作成中の時価は6800円台前半。1月19日の年初来高値8035円から8月5日の大暴落時点で5246円まで下げ、戻り基調。IFIS目標平均株価は算出者3人中3人が強気で、8033円。過去9年半余の修正値ベースの株価パフォーマンスは約7倍。中長期構えの対応が賢明と言えそうだ・・・
かつて、すき家の夜勤勤務体制が問題視された時期がある。ゼンショーの名前には、創業者:小川氏の「全部勝つ」「善なる商売」「禅の心で行う商売」という思いが込められているという。一時の「ブラック」の風評も乗り越えてきたのも創業者の思いの強さと捉えるなら、やはり中長期構えで対応すべき銘柄とすべきなのだろうか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
スポンサードリンク