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観光税はオーバーツーリズム対策の切り札となるか⁉
●日本でも導入?各自治体が対策に踏み切る
新型コロナによる入国規制無くなり、インバウンドが急速に拡大している日本でも、今後観光税の導入があるかもしれない。
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オーバーツーリズム(観光公害)対策として、徴収した税金は、地元の観光インフラ整備や拡充の財源に充てられる。
日本では2019年から、日本から出国する旅客に対し1000円を徴収する国際観光旅客税(出国税)が導入されているが、宿泊会社や交通機関を通じて課税する海外のような観光税はまだまだ少ない。
各自治体が徴収や、外国人を対象とした一部観光施設の値上げを表明するなど、今後観光税導入に向けた動きが加速すると見られている。
オーバーツーリズム対策の切り札になるだろうか?
●自治体が続々と徴収金や値上げを表明
沖縄県は2026年を目処に、独自の関係税を導入し、自主財源で持続可能な観光業をサポートする。
大阪府の吉村洋文知事は3月、「今後外国人観光客だけを対象とした徴収金制度」を設けたいと語った。姫路市は、世界遺産・姫路城の入場料を、外国人については約4倍に引き上げる案を検討している。
東京ディズニーリゾートがある千葉県浦安市も、2025年を目処に宿泊税の値上げの検討を始め、富士山のある山梨県では、外国人が最も多く利用する吉田ルートで2000円を追加徴収する。
●反対意見も?事業者から不満の声も
値上げによる客離れを招きかねないことは言うまでもないが、中には周知が足りておらず、客とのトラブルになるケースもある。システム導入に資金が必要となるケースもあり、事業者にとってデメリットの方が大きいという不満もある。
自治体によって制度が違うため、例えば宿泊地の隣の自治体に宿泊客が流れたり、宿泊税を取らない“闇民泊”に泊まる客が出てくる可能性もある。
現在、宿泊税は自治体が独自に設けて課税する法定外税となっており、導入には総務相の同意が必要となる。導入済み、もしくは導入予定の自治体は12あるが、検討中の自治体も多く、今後さらに広がることが予想される。
3月に経済同友会が、宿泊税について全国での導入を提言したが、いまだコロナ禍からの回復が遅れている自治体もあり、災害や風評被害、政治問題などで波のある観光産業では、一律の導入は難しいだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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