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「イレニサ」2025春夏コレクションでレディースもスタート 彫刻からのインスピレーション
「イレニサ(IRENISA)」は2024年7月11日、東京都渋谷区のJ6 Bldg.で2025春夏コレクションを発表した。今シーズンからレディースをスタートした「イレニサ」。“Variable Void(可変する空間)”をテーマに、ルーチョ・フォンタナ (Lucio Fontana)やイサム・ノグチなど、彫刻からインスパイアされたメンズとレディースのコレクションを披露した。
「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」でパターンの経験を積んだ小林祐と「サポートサーフェス(support surface)」で企画・生産・デザインを経験した安倍悠治によるイレニサ。メンズブランドとしてスタートしたイレニサがどんなレディースを作るのかが注目された今回。
作曲家・アーティストの若狭真司が書き下ろした曲に、アップライトベースによるライブパフォーマンスが行われる中、プレゼンテーションはメンズから始まった。メンズは光沢や陰影、素材感が目を引く、黒のジャケットとパンツに白いカットソー、左右の襟が違うアシンメトリーなジャケットとワイドパンツ、ショールカラーのジャケットとスカート、パンツなど、ミニマリズムの中に彫刻のような立体感や日本的な要素をミックスしている。
レディースは、メンズと共通する黒のジャケットとパンツに、たくさんのボタンを付けたクロップド丈のシャツ、バイアス使いが印象的な、石のようにも見えるグレーのドレスやジャケット、水の中で泳いでいるようなブルーのストライプのシャツとパンツなどが登場した。メンズに比べ、遊び心のあるデザインや軽さ、ストイックな中にも体を見せたデザインが目を引いた。メンズと共通するデザインも多いが、レディース用としてデザインしたものがコレクション全体の2割、パリの展示会で発表したメンズをサイズダウンし、レディースでも着られるようにしたものが2割だという。
昨年、楽天ファッションウィーク東京で発表した初めてのランウェーショーを思い出させるグラフィカルなテキスタイルは籠染めという伝統技法で染められ、サマーウールには和紙糸で立体的なストライプ柄を織り込むなど、柄や素材も日本的な要素が取り込まれている。また、光をまとっているような白のシャツコートやメンズのつなぎ、鮮やかな青を使ったパンツ、ニット、レディースのクロップド丈トップスなど、光や自然を感じさせる色や、トロンプルイユで遊んだデニムなどもアクセントとなっている。
禁欲と遊び、メンズとレディース、デザインとシンプル、東洋と西洋、ミニマリズムとアバンギャルドの境界線をなくしながら、レディースをスタートすることで表現の幅や可能性を広げたコレクション。小林祐と安倍悠治は「彫刻のような衣服を作ることを意識し、自然の美しさと人工的な緊張感を融合させました。また、レディースの開始に際し、性別や年齢にとらわれないニュートラルな人間像を描くことを目指し、フラットな目線で世の中を見つめることができる人をイメージしたコレクションを作りました」とコメント。
レディースをスタートするきっかけについては、「いつでも始められる気持ちはあり、準備はできていましたが、まずメンズで自分たちの立ち位置を明確にし、皆さんに知ってもらってからレディースを始めるのが良いと考えました。まだ完全に確立できたわけではありませんが、10シーズン目を迎え、新しい表現方法に挑戦するタイミングだと思いました」と話した。
※この記事はアパレルウェブより提供を受けて配信しています。
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