7日の香港市場概況:ハンセン0.6%安で反落、テック指数が1.8%下落

2024年6月7日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 7日の香港市場概況:ハンセン0.6%安で反落、テック指数が1.8%下落
7日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比109.85ポイント(0.59%)安の18366.95ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が44.69ポイント(0.68%)安の6510.37ポイントと反落した。売買代金は1331億1170万香港ドルに拡大している(6日は1145億6330万香港ドル)。


中国経済の先行きがやや不安視される流れ。取引時間中に公表された5月の輸出入統計では、米ドル建て輸出が前月の1.5%増から7.6%増に加速したものの(予想は5.7%増)、輸入は8.4%増から1.8%増に鈍化した(予想は4.3%増)。市場からは、内需の弱さが指摘されている。また、日本時間の今夜、米金融政策を左右する米5月雇用統計が公表されることも気がかり材料となった。なお、週明け10日は端午節の祝日で本土と香港の市場が休場となる。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(レノボ:992/HK)が6.8%安、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が5.9%安、ガラス生産の信義玻璃HD(868/HK)が5.4%安と下げが目立った。レノボなど「ニューエコノミー」銘柄に売りが広がる中、ハンセン科技(テック)指数は1.8%安と他の指数をアンダーパフォームしている。


スマートフォン部材・組立の銘柄群も安い。高偉電子(1415/HK)が8.6%、舜宇光学科技(2382/HK)が2.9%、丘タイ科技(1478/HK)が1.6%、比亜迪電子(BYD電子:285/HK)が5.3%、富智康集団(2038/HK)が2.4%ずつ下落した。


中国消費セクターも総じてさえない。家電の海信家電集団(921/HK)が3.1%安、乳製品の中国蒙牛乳業(2319/HK)が2.6%安、酒造の青島ビール(168/HK)が2.1%安と値を下げた。そのほか、ネット通販セール「618」を展開する電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)が1.4%安。中国で毎年6月に実施される恒例の「618」セールについて、小規模業者の一部に不参加の動きが拡大していることが分かった。


半面、産金セクターは高い。霊宝黄金(3330/HK)が4.1%、山東黄金鉱業(1787/HK)が3.4%、招金鉱業(1818/HK)が3.1%、紫金鉱業集団(2899/HK)が2.7%ずつ上昇した。


上下水道やごみ処理など環境インフラ関連も物色される。中国水務集団(855/HK)が4.5%高、中国光大環境(257/HK)と粤海投資(270/HK)がそろって5.4%高、北控水務集団(371/HK)が4.1%高で取引を終えた。


一方、本土市場は3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.08%高の3051.28ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。発電株、運輸株、インフラ関連株、エネルギー株、素材株、銀行株なども買われた。半面、ハイテク株は安い。消費関連株、医薬株、保険・証券株も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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