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NYの視点:各国中銀の金融政策に乖離、為替変動率が上昇へ
*07:36JST NYの視点:各国中銀の金融政策に乖離、為替変動率が上昇へ
コロナ期やその後のインフレ加速で、世界各国の金融政策はほぼ同調したものだった。しかし、コロナ後、政府財政策の解消、サプライチェーン混乱回復、景気の正常化で、各国中銀の金融政策に乖離が出始めた。為替相場の変動率が上昇する可能性がある。
欧州中央銀行(ECB)はラガルド総裁を含め金融当局者がインフレが目標値に向けて改善していることを一段と確信したと、6月の利下げ開始をほのめかしている。ただ、ECBは6月以降も利下げが続くわけではないと、加えた。英中銀も食品小売りインフレが21以来の低水準となったため、8月の利下げ観測が強まった。カナダ4月消費者物価指数は前年比+2.7%と伸びが3月+2.9%から予想通り鈍化し21年3月来で最低となったため、早くて7月の利下げ観測が一段と強まった。
一方、連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利下げの行方は不透明。ウォラー理事は4月の消費者物価指数(CPI)でインフレが加速していない証拠が得られ、インフレ改善の進行が再開したことが示唆されたと歓迎した。同時に、経済が驚くほど柔軟性があるとし、利下げにはあと数カ月良好なインフレデータが必要だとした。経済が悪化する兆候は見られず、3,4カ月金利を据え置いても、経済は悪化しないと指摘した。ただ、利上げの必要はないとの見解。FRB金融政策当局者はインフレが目標値に達する一段の確信を得られておらず、当面現行金利据え置きが予想されている。ウォラー理事はデータで正当化されれば年末に利下げを検討することが可能と述べた。米アトランタ連銀のボスティック総裁も、利下げは少なくとも第4四半期になると予想。
また、豪準備銀行は5月政策決定会合の議事要旨で、CPIが、一段と長く目標を上回る可能性を指摘し、利上げ協議を再開したことを明らかにした。《CS》
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