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16日の香港市場概況:ハンセンは2.1%安で4日続落、EVに売り
*18:00JST 16日の香港市場概況:ハンセンは2.1%安で4日続落、EVに売り
16日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比351.49ポイント(2.12%)安の16248.97ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が112.66ポイント(1.92%)安の5743.78ポイントと4日続落した。ハンセン指数は3月7日以来、約6週ぶりの安値水準に落ち込んでいる。売買代金は1145億8010万香港ドルにやや拡大した(15日は951億5490万香港ドル)。
内外環境の不透明感が投資家心理を冷やす流れ。取引時間中に公表された中国経済統計では、今年1〜3月期GDP成長率が5.3%に拡大し、予想(4.3%)を上回ったものの、3月の小売売上高や鉱工業生産が予想を大幅に下回っている。不動産関連の統計も前年割れが続いた。先行して発表された3月の金融と貿易の統計が下振れていたこともあり、足元の景気鈍化が懸念されている。外部環境もネガティブ。中東地域の地政学リスクが高まっているほか、米長期債利回りの上昇基調も嫌気された。米中金利差の拡大が警戒される中、上海外国為替市場では、対米ドルの人民元安が進行している。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を約1カ月ぶりの元安水準に設定。市場では、当局は元安を容認しているとの声も聞かれている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が6.4%安、マカオ・カジノの金沙中国(1928/HK)が6.0%安、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が5.2%安と下げが目立った。
セクター別では、新興EV(電気自動車)関連が安い。蔚来集団(9866/HK)が10.2%、小鵬汽車(9868/HK)が5.6%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が5.5%、理想汽車(2015/HK)が4.9%ずつ下落した。上述した小売統計では、自動車販売の縮小が明らかになっている。ほか、EV世界大手のテスラが従業員の10%以上を削減する方針を発表したことで、業界の成長鈍化も不安視された。また、蔚来や理想汽車などの個人向け新車ローンについて、国内行の一部支店が扱いを停止したとのうわさが流れたことも売り材料視されている。
半導体セクターもさえない。ASMPT(522/HK)が5.3%安、華虹半導体(1347/HK)が4.4%安、上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.8%安、晶門半導体(2878/HK)が3.6%安で引けた。
セメントや鉄鋼、非鉄など素材セクターも売られる。中国西部水泥(2233/HK)が4.5%安、華潤建材科技HD(1313/HK)が3.5%安、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が4.3%安、鞍鋼(347/HK)が3.7%安、江西カン鋒リ業(1772/HK)が7.2%安、新疆新キン鉱業(3833/HK)が7.0%安で取引を終えた。
一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.65%安の3007.07ポイントで取引を終了した。不動産株が安い。ハイテク株、消費関連株、素材株、インフラ関連株、公益株、運輸株なども売られた。半面、エネルギー株の一角は物色される。銀行株の一角も買われた。
亜州リサーチ(株)《CS》
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