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ナンセンスを意味する「tosh」と「twaddle」: イギリス英語のスラング特集 (29)
イギリス英語には、懐疑心や不満を表現するためのスラングが非常にたくさんある。「tosh」と「twaddle」は、そのなかでも特に、言葉の虚しさや意味のなさを指摘するのに使われる表現だ。今回は、日常会話やメディアでも頻繁に用いられるこれらのスラングの起源や意味を、掘り下げていこう。
【前回は】「throw a wobbly」「tickety-boo」とは? イギリス英語のスラング特集 (28)
■Tosh
同じスペルでさまざまな意味を持つ「tosh」というワードだが、イギリスのスラングとしては、「nonsense」や「rubbish」を意味する名詞として有名だ。アメリカ英語の「malarkey」や「baloney」といったスラングに近いニュアンスを持つ。
このスラングの由来ははっきりしないが、おそらく「trash」(ゴミ)と「bosh」(馬鹿げた話)の組み合わせから誕生したと考えられている。19世紀後半から使われ始めたようで、現在も、日常会話だけでなく、テレビや映画、新聞や雑誌、文学作品などでもよく見かける非常にポピュラーなスラングだ。
・His political promises are pure tosh; you can't believe a word he says.
(彼の公約はまったくのでたらめだから、彼の言うことなど信じられない)
・The so-called scientific evidence they presented was nothing but tosh.
(彼らが提示したいわゆる科学的証拠は、ただのでたらめに過ぎなかった)
■Twaddle
「twaddle」も「tosh」と似たような意味を持つスラングで、馬鹿げた言葉や振る舞い、考えなどを表す。
「twaddle」の語源もはっきりとわかっていないが、18世紀にはすでに存在していた。具体的には、1782年にMary Delanyによって使われた記録があり、その時点で彼女はその言葉を「old fashioned slang」と表現している点が興味深い。
ちなみに、Mary Delany(メアリー・ディレイニー)とは18世紀の有名なペーパークラフト作家で、作曲家のヘンデルや作家のジョナサン・スウィフトとの書簡集でも知られた存在だ。
それはともかく、「twaddle」はそれほど昔から使われていた言葉なのだが、おそらく「twattle」という方言的な言葉から派生したと考えられている。これは「くだらないおしゃべりをする」という意味の動詞だ。
なお、この言葉もスラングである以上、状況や言い方によっては少し軽蔑的な感じを与えることがあるかもしれない。しかし、決して無作法な言葉ではなく、メディアでもよく使われている一般的な言葉だ。
・I can't believe he's talking such twaddle about the economy.
(彼が経済についてそんな戯言を言っているなんて信じられない)
・She dismissed his political opinions as mere twaddle.
(彼女は彼の政治的な意見をただの戯言と一蹴した)(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る)
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