関連記事
投資初心者こそ、流行よりも自身の投資スタイルを優先しよう
2024年の幕開けとともに、日経平均の高値が続いている。1月10日にはバブル後最高値である3万4441円を付け、その後も昨年は超えられなかった3万5,000円の壁も突破した。
【こちらも】2024年もシンプルな長期積立投資で資産形成を 新NISA開始でも3原則は変わらず
高値の要因はさまざまあるが、今年から新NISA制度がスタートし、NISA制度を活用して新たに投資を始める人が増えたことも、要因の一つではないかと考えられている。
また昨年から引き続き、投資信託商品のうち全世界型の人気が高い傾向にある。これらの商品は、オールカントリーやオルカンとも呼ばれ、一つの投資商品で全世界に分散投資ができ、主にカントリーリスクの分散に有効である。一方で、全世界型といってもアメリカの比率が大きい傾向にあるため、アメリカの景気動向に左右されやすいという商品特性もある。
このように、一般的な流行で投資商品を選んでしまうと、本当の意味でのリスク分散にはなっていない場合もあり得る。いくら分散投資ができる全世界型といっても、これ一つだけでは万が一の暴落時に資産を守れないこともあり得る。
ではどうすれば良いのかというと、流行は一つの目安とし、あくまでも「自分の投資スタイルはどのようなものであるか」を明確にしておくことが、ポイントになるのではないか。
投資スタイルといっても、堅苦しく考える必要はない。ある程度投資の経験を積んだ投資家なら、自身の投資スタイルはある程度固まりつつあるだろう。だが今年から投資を始めた人など、投資初心者の場合は、経験が浅い分スタイルの確立は容易ではない。そこで、シンプルに「リスク許容度」を基準にし、自身がどこまでリスクに対応できそうかを投資スタイルの参考としてみてはどうだろうか。
リスク許容度とは、万が一投資で損が出た場合に、どこまでなら対応できるのかの目安をいう。具体的には、損が出ても日常生活には影響しない金額はいくらくらいか、ということである。
この他にも自身が投資に対して「利益は少なくても良いので、損をしたくない」と考える場合には、ローリスク商品から始めてみると良いだろう。逆に多少のリスクを負っても利益を追及したいと考える場合には、前述の全世界型など海外の要素の強い商品も選択肢の一つである。
このように、必ずしも流行や他人の勧めで商品を選ぶのではなく、あくまでも自身がどうしたいのか、同時にどうしたくないのかを優先しよう。流行や他人の勧めは目安の一つとし、自分自身で選んで投資する力こそ、これから必要になってくるだろう。(記事:大野 翠・記事一覧を見る)
スポンサードリンク