新NISAは副業になるのか? 副業禁止なら新NISAがおすすめな理由

2023年12月1日 16:23

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 副業をすることは広く浸透してきたものの、未だ副業禁止の企業もある。そこで、副業に代わる収入源としておすすめなのが、新NISAだ。本記事では、副業禁止でも新NISAができる理由と、注意点について紹介する。

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■約30%の企業が副業を禁止

 10月、Job総研は「2023年 副業・兼業の実態調査vol.2」の実施結果を発表した。この調査は、717人の社会人男女を対象としており、「副業の経験はありますか」という質問に対し、「ある」と答えたのは全体の32.1%だった。副業解禁から時間が経過したにも関わらず、60%以上が副業した経験がないのである。

 さらに、「副業は会社で許されていますか」という質問に対しては、31.5%が「許されていない」と回答した。つまり、2023年においても約30%の企業が副業を禁止している状況なのだ。

 最近では、円安などの影響もあり、以前にも増して家計の負担は大きくなっている。なんとか収入を増やせないものかと思案している人も多いだろうが、副業禁止ではなかなか打つ手が見つからない。そこで、副業禁止の企業で働いている人におすすめなのが、新NISAだ。

■新NISAとは?

 NISA(少額投資非課税制度)とは、日本政府による個人投資家向けの税制優遇制度である。このNISAの制度改正にともない、2024年から新たにスタートするのが新NISAだ。

 NISAは、株式投資や不動産投資などと同じ個人による投資活動にあたるため、副業には該当しない。そのため副業禁止の企業で働いている人にとっては、新NISAを副業の代わりにできるのだ。

 新NISAの大きな変更点は、「非課税保有期間の無期限化」、「年間投資枠の拡充」、「つみたて投資枠と成長投資枠の併用」である。

 現行NISAでは、非課税保有期間は最長で、つみたてNISAの20年となっていた。だが新NISAでは期限が撤廃され、無期限で非課税となる。

 そして年間投資枠も大幅に増え、生涯非課税限度額は、最大で1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)に引き上げられた。つみたて投資枠と成長投資枠の併用も可能となったため、堅実なだけでなく、積極的な投資活動で収入を増やすこともできる。

■新NISAのリスクもしっかり認識を

 新NISAの最も大きいメリットとしては、投資による利益は非課税になる点が挙げられる。一般的な株式投資や不動産投資といった投資活動で得た利益は、確定申告で所得税を納めなければならない。しかし新NISAは無期限で非課税なため、投資で得た利益は全て自分のものとなる。

 新NISAで得た利益を引き出す際は、株など購入した金融商品を売却して現金化する。この場合、銀行と異なり、現金化の手続きには1週間程度かかる。しかし新NISAは非課税なので、現金化による手数料は無料だ。一般的な株式の売買では、証券会社などに手数料を支払うため、新NISAの方がコスト面でメリットが大きい。

 だが新NISAは、メリットばかりではない。副業禁止で収入を増やす手段にはなるものの、あくまでも投資である点を強く認識する必要がある。まず、現行NISAも新NISAも同様に、元本割れのリスクがつきまとう。「元本割れ」とは、投資した時の金額よりも、購入した金融商品の価値が下回ってしまうことだ。例えば、30万円で購入した株が、15万円になってしまうのである。

 株などの金融商品は、大きさに差こそあれ、常に値動きがある。だから、価値が上がる金融商品を保有しておけば、利益が出るのだ。同時に、価値が下がれば、投資した資金を回収できないこともある。

 新NISAにおけるつみたて投資枠は、金融庁によって金融商品が選定されているため比較的リスクは低い。しかし、長期的な投資活動で利益を生み出すことを想定しているため、投資から数年は利益が増えたことを実感しづらいだろう。

 成長投資枠については、一般的な株式投資などと同様に、積極的な投資活動ができる。だが、つみたて投資枠よりも、リスクは大きい。新NISAは現行に比べて自由度が高まったことで、利益を増やせるチャンスも広がった。それだけに、考えなければならないことも増えたことを意味する。副業の代わりとして新NISAを始めるなら、正しい投資の知識も必要になるだろう。(記事:西島武・記事一覧を見る

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