メガバンク大手4社の2023年4-9月決算

2023年11月26日 08:52

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記事提供元:エコノミックニュース

まちまちな中間期業績、通期見通しに

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 金融大手、メガバンク4グループのりそなホールディングス、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループの2023年4~9月期(第2四半期)中間決算が出揃った。中間期業績はりそなは増収減益、みずほは増収増益、三菱UFJは増収3ケタ増益、三井住友は増収、経常減益、わずかに最終増益。通期の最終利益の見通しはりそな減益、みずほ増益、三菱UFJ増益(目標)、三井住友大幅増益過去最高益更新と、まちまちな中間期業績、通期見通しになった。

■りそなは増収減益。関西2行を直接傘下におさめる

 りそなホールディングスの4~9月期決算(日本基準)は、経常収益は1.8%増の4435億円、経常利益は1.1%減の1144億円、中間純利益(最終利益)は0.2%減の825億円と増収減益。中間配当は前年同期から50銭増配の11円。4~9月期最終利益の通期見通しに対する進捗率は55.0%だった。

 前期に外国債券の売却損を計上した影響が一巡し、本業のもうけを示す実質業務純益が21%増加している。政策保有株の売却益が前期に比べて減少。取引先の貸し倒れに備える与信費用が増加した。

 通期業績見通しに修正はない。当期純利益は6.5%減の1500億円の最終減益見通し。配当見通しも修正はなく、期末配当予想は前期から50銭増配の11円で、年間配当予想は22円とした。決算発表と同時に、経営効率化を目的に傘下に関西みらい銀行、みなと銀行を抱える完全子会社の中間持株会社、関西みらいフィナンシャルグループの吸収合併を発表した。150億円を上限とする自社株買いの実施も発表している。

■みずほは本業収益堅調と円安をふまえ通期見通し上方修正

 みずほフィナンシャルグループの4~9月期決算(日本基準)は、経常収益は44.1%増の4兆2445億円、経常利益は30.6%増の5740億円、中間純利益(最終利益)は24.4%増の4157億円で、前年同期の減益から増益へ、損益が大幅に改善した。中間配当は前年同期から7円50銭増配の50円。4~9月期最終利益の通期見通しに対する進捗率は64.9%だった。

 

 顧客部門も市場部門も業績堅調で、円安も追い風になっている。連結粗利益は13.8%増の1兆3129億円。円安、インフレの影響に加え、海外を中心に成長領域へ資源を投下したことで経費は増加したが、連結業務純益は21.6%増の5360億円と前年同期比で業績を伸ばしている。与信関係費用は78.1%減の110億円で低位に収まっている。円安やインフレの影響で業績が悪化する取引先が出ることを想定して引当金を194億円積み増した一方、一部の取引先で戻入れ益の計上があったことが寄与した。

 通期業績見通しは、堅調な本業収益と円安による増益効果をふまえて上方修正。経常収益は非公表、当期純利益は300億円上積みして15.2%増の6400億円の増益を見込んでいる。木原正裕社長は「為替や与信関係費用でダウンサイドリスクがあるものの、純利益6400億円は十分達成できる」と述べている。通期配当予想も2円50銭上方修正し、期末配当は前期から7円50銭増配の50円、年間配当は前期から15円増配の100円とした。

■三菱UFJの中間期最終利益は前年同期の約4倍

 三菱UFJフィナンシャル・グループの4~9月期決算(日本基準)は、経常収益は31.3%増の5兆6656億円、経常利益は116.5%増の1兆2799億円、中間純利益(最終利益)は301.3%増の9272億円。業務純益の増加、モルガンスタンレーの持分法適用決算期変更、さらに円安の影響も寄与し、最終利益は前年同期の減益から増益へ一変。前年同期の約4倍にも達し、グループ発足以来の最高額になった。中間配当は前年同期から4円50銭増配の20円50銭。4~9月期最終利益の通期見通し(目標)に対する進捗率は71.3%だった。

 通期業績見通しに修正はない。経常収益は非公表、総合金融グループゆえにさまざまな不確実性が存在するという理由で当期純利益の業績予想は非開示だが、目標は5月の当初発表時と同じ前期比16.4%増の1兆3000億円としている。予想期末配当予想は前期から4円50銭増配して20円50銭、予想年間配当は前期から9円増配して41円としている。なお、4000億円を上限に自社株買いも実施すると発表した。

 亀澤宏規社長は通期見通しを据え置いた理由について「下期はモルガンスタンレーの決算期変更や為替の円安などの一過性要因が剥落する可能性がある」ことに加え「円債、外債のポジション含み損があり、ポジション整理をやっていきたい」と述べている。

■三井住友は通期で10期ぶり過去最高益更新の見通し

 三井住友フィナンシャルグループの4~9月期決算(日本基準)は、経常収益は53.7%増の4兆4829億円、経常利益は2.3%減の7092億円、中間純利益(最終利益)は0.2%増の5264億円と増収、経常減益、わずかに最終増益だった。中間配当は前年同期から20円増配の135円。4~9月期最終利益の通期見通しに対する進捗率は57.2%だった。

 通期業績見通しは上方修正し、当期純利益は1000億円上積みして前期比14.2%増の9200億円で、10期ぶりに過去最高益を更新する見通し。配当予想も上方修正し、予想期末配当は前期から10円増配し135円。予想年間配当は当初予想から20円上積みし、前期比で30円増配の270円としている。(編集担当:寺尾淳)

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