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企業倒産、9月は18カ月連続で前年上回る 2023年度上半期は4年ぶりに4000件超え
東京商工リサーチが2023年9月の企業倒産状況を発表。原材料や光熱費などのコスト増や人手不足を背景として、高いペースで企業の倒産が続いていることが分かった。
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■700件超えのハイペースな倒産件数が続く
10日、東京商工リサーチが9月の倒産状況を発表。全国の企業倒産(負債額1,000万円以上)件数は前年同月比20.20%増の720件となり、18カ月連続で前年同月を上回った。23年3月の809件には及ばないものの、5月の706件から5カ月連続で700件を超える高いペースの倒産件数が続いている。
負債総額は6,919億4,200万円で同約4.8倍となり、2カ月ぶりに前年同月を上回った。9月としては13年ぶりに6,000億円を超えている。これはパナソニック液晶ディスプレイ(負債総額:5,836億円、以下同じ)の大型倒産が発生したためで、その他で負債総額が大きい企業倒産には、医療用機器製造・卸売りの白井松機械(86億9,600万円)、脱毛サロン経営のビューティースリー(80億円)、日用雑貨製造の近畿用品製造(62億円)などがある。
■7産業で倒産件数が前年上回る
産業別の倒産件数で最も多いのは、サービス業他の271件(前年同月比:34.15%増、以下同じ)、ついで建設業が131件(0.76%増)、小売業が85件(26.86%増)、卸売業が75件(3.84%減)、製造業が68件(17.24%増)など。
倒産件数が前年同月を上回ったのは、先の4業種のほか、不動産業(9月の倒産件数:21件、前年同月比:50.00%増、以下同じ)、運輸業(36件、2倍)、情報通信業(28件、55.55%増)。反対に前年同月を下回ったのは卸売業のほか、農・林・漁・鉱業(4件、66.66%減)、金融・保険業(1件、50.00%減)の3業種。
また新型コロナウイルス関連の倒産件数は234件で、前年同月比9.8%増。2020年2月からの累計倒産件数は7,127件となった。
■9地区中7地区で前年上回る
地区別の倒産件数で最も多かったのは関東(倒産件数:258件、前年同月比:4.8%増、以下同じ)で、17カ月連続で前年同月を上回っている。その他の地区は、北海道(15件、11.7%減)、東北(38件、52.0%増)、中部(109件、45.3%増)、北陸(13件、35.0%減)、中国(28件、21.7%増)、九州(61件、24.4%増)、近畿(188件、37.2%増)、四国(10件、42.8%増)と、7地区で前年同月を上回った。
■上半期の倒産件数は4年ぶりに4,000件超え
同日、2023年度上半期(4~9月)の企業倒産状況も発表した。倒産件数は前年同期比37.66%増の4,324件となり、2年連続で前年同期を上回っただけでなく、4年ぶりに4,000件超えとなった。
負債総額は同8.38%減の1兆5,959億9,800万円。大型倒産には、パナソニック液晶ディスプレイ(負債総額:5,836億円、以下同じ)、ユニゾホールディングス(1,261億9,800万円)、FCNT(872億円)、ジャパン・イーエム・ソリューションズ(613億円)などがあるものの、マレリホールディングス(1兆1,330億円)の倒産があった前年同期をやや下回った。
■32年ぶりに全10産業で前年上回る
産業別の上半期倒産件数は1991年上半期以来、32年ぶりに全10産業で倒産件数が前年同期を上回った。
産業別で倒産件数が最も多いのはサービス業他の1,468件(前年同月比:42.11%増、以下同じ)。ついで建設業が852件(41.05%増)、卸売業が486件(25.58%増)、製造業が463件(35.77%増)、小売業が462件(34.69%増)、運輸業が211件(30.24%増)、情報通信業が176件(54.38%増)、不動産業が142件(30.24%増)、農・林・漁・鉱業が46件(15.00%増)、金融・保険業(18件、38.46%増)となっている。
■15年ぶりに全地区で前年上回る
地区別では15年ぶりに全9地区で前年同期を上回った。最も倒産件数が多かった地区は、関東の1,630件(前年同月比:32.3%増、以下同じ)。他の地区は、北海道が123件(24.2%増)、東北が244件(64.7%増)、中部が531件(34.0%増)、北陸が82件(28.1%増)、近畿が1,080件(35.0%増)、中国が190件(53.2%増)、四国が85件(84.7%増)、九州が379件(55.3%増)となっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
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