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イギリス人なら誰もが知っている! イギリス英語特有のスラング特集 (9)
今回も、イギリス人なら誰もが知っている、かつ、日常的によく使うスラングを2つ紹介したい。イギリス以外ではあまり使われないかもしれないが、会話だけでなく文章でも頻出するワードなので、多少なりともイギリス英語に関心があるならば知っておいて損はないだろう。
【前回は】日常会話に頻出! イギリス英語のスラング特集(8)
■Gobsmacked
「gobsmacked」とは、非常に驚いた様子を意味する。「astonished」や「astounded」より衝撃度は大きく、驚きのあまり口がきけないほどの様子をイメージするとよいだろう。
これはもともと「gob」と「smacked」を組み合わせた表現で、文字通りの意味は「口を叩かれた」となる。「smack」は、「ぴしゃりと打つ」などの意味を持つ一般的な動詞である。一方、「gob」とはアイルランド語とスコットランド・ゲール語に由来する「口」を意味する言葉だ。
つまり、口をぴしゃりと叩かれた時のような強い驚きを表すわけである。驚きを示す表現に「jaw-dropping」(あごが落ちる、つまり、開いた口がふさがらないほど驚いた状態)という言葉もあるが、これと同じくイメージしやすい口語的な表現と言えるだろう。
なお、「gobsmacked」はそれほど古いスラングではなく、確認できる最古の記録は1935年のものだ。一般的によく使われるようになったのは20世紀後半以降で、現在では、イギリス人なら誰もが知っている非常にポピュラーなスラングとしての地位を確立している。
ちなみに、「gobsmacked」は今ではアメリカなどイギリス以外の国でも広く知られているが、それに一役買ったのが、オーディション番組をきっかけに一躍スターになった歌手、Susan Boyle(スーザン・ボイル)だと言われている。
オーディションで絶賛され時の人となったスーザンは、CNNの取材に対して「自分が誰よりも驚いている」と答えた。その言葉が、「I'm gobsmacked, absolutely gobsmacked.」だったのだ。
彼女の言葉はこのスラングに馴染みのないアメリカ人たちの関心を呼んだようで、その直後から「gobsmacked」が検索ワードランキングを急上昇したそうだ。
■Gutted
「gutted」は、文字通りの意味では「はらわたを抜かれた」だが、日常的な会話では「打ちのめされた」や「ひどく落胆した」といった意味で使われる。
腹部、つまり、感情の深い部分をえぐり取られたかのような強い悲しみや失望を表現すると考えるとイメージしやすいだろう。
「gutted」は、失恋や失敗、期待外れの出来事など、心の底からの失望を感じるような状況で使われることが多い。たとえば、サッカーファンが贔屓のチームが負けた時に、「I was absolutely gutted.」などと言うのをよく耳にする。
あくまでスラングであり、フォーマルな場には適さないかもしれないが、「gutted」は、「chuffed」や「knackered」と並んで、イギリス英語の日常会話で頻発するスラングの1つである。
・She was gutted to find out that she didn't get the job she interviewed for.
(彼女は、面接した仕事を得られなかったことを知って、ひどく失望した)(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る)
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