メタの好決算は回復の狼煙か!?

2023年8月5日 08:19

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●メタが好決算

 Facebookを運営するメタ・プラットホームズは7月26日、第2四半期(4‐6月期)の決算を発表し、予想を上回る好決算となった。これを受けて、7月28日までに株価が約10%上昇した。

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 4月も第1四半期(1-3月期)の決算が好調だったことを受けて、株価が約10%上昇した場面があった。今回は前年同期比で売上高約11%増の大幅増収だ。苦戦していたネット広告の復調が顕著だった。

 昨年まで景気減速による広告収入の減少で前年から利益が半減するなど、苦境が続いていたメタだったが、ここにきて反転攻勢の狼煙を見せている。

 メタにどのような変化があったのか、GAFAの一角であるメタの好調は何を意味するのだろうか?

●メタ好決算の理由

 まず、メタが注力する短編動画の「リールズ」の好調さが顕著だった。

 一昨年、昨年から収入が3倍ずつの右肩上がりの上昇を続けており、今年は年間換算収入では100億ドルに達していると、ザッカーバーグCEOは述べている。

 再生回数も大幅に上昇しており、ライバルの「TikTok」(ティックトック)に迫る勢いを見せている。

 7月からはX(旧Twitter)に対抗し、インスタグラムの基盤を活用した新サービス「Threads」(スレッズ)も開始。サービス開始から5日でユーザー数が1億人を超えるなど、話題になった。

 さらなる広告収入の増加が期待される。

●完全回復か?

 好調なメタではあるが、一方でリストラも積極的に進めている。

 23年3月には前年に引き続き、約1万人の従業員の追加削減を発表しており、昨年の同時期から約15%近くの人員削減を実行している。

 メタの柱である広告収入が好調の陰で、ザッカーバーグ氏肝いりのメタバース部門は苦境が続いている。

 AI(人工知能)やメタバースへの投資を積極的に続けてはいるが、それに伴う設備投資なども嵩んでおり、赤字が続いている。

 それらへの投資のためのリストラという見方もあり、人員削減に伴う退職金もコストとなっている。

 同じくGAFAの一角であるアルファベットも、インタネット広告事業が好調で、第2四半期の利益は市場予測を上回っている。

 メタはまだまだ広告収入に依存せざるを得ず、メタバース事業も成長の目途が立っていない現状では、米国景気に左右される状況になるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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