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YCC修正を乗り切った日本株はさらに上昇か!?
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●日銀がYCC柔軟化
日本銀行は28日の金融政策決定会合で、長期金利操作(イールドカーブコントロール、以下YCC)を柔軟化すると発表した。
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大規模な金融緩和は維持した上で、長期金利の変動幅の上限を0.5%超に容認するとしているが、実質上限を1%まで拡大したのと同じであり、事実上のYCC撤廃というのが、マーケットの見方である。
日銀・植田総裁による発表が28日の午後3時半からであったが、発表前に日経のリーク記事が出て長期金利が上昇し、141円台だったドル円は一時138円まで円高が進んだ。
翌週31日はドル円も発表前の水準の141円台まで回復し、日経平均も412円高の大幅上昇で取引を終えた。
YCCという難関を乗り切った日本株はまだまだ期待できるのか?
●事前にはYCC修正せずと見られていた
会合前はYCCの修正はないというのが大勢の見方だった。
事前の植田氏と内田氏の日銀正副総裁の発言では、「金融や市場に配慮しつつ」とあり、YCCを修正するともしないとも取れる発言であった。
変動幅は1%という数字が独り歩きしているが、これも発表はしておらず、市場は債権を売り込みづらい。1%という発表があれば、1%に上昇するまで売り込まれていた可能性がある。
懸念されていた、YCC修正による株価の下落というピンチを乗り切ったことで、植田総裁の評価が高まっている。
●気になる今後の展開
マーケットとの対話という点で、成功した今回のYCC柔軟化。
今後争点となるのは、長期金利の上昇となるだろう。長期金利が0.6%台後半程度なら、円高・株安へと進む可能性は高くないと見られている。
YCC柔軟化とは言っても、米国のように急速に金利を上げるわけではなく、金融緩和は未だ継続していくことを考えれば、日本株が買われやすい状況は続くだろう。
引き続き、好調な日本企業の決算や割安感を投資家は注目するだろう。
もし変化があるならば、それは国内要因ではなく、米国の利上げの終了やウクライナ動向の変化など、外部要因となるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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