日本エム・ディ・エムは24年3月期1Q減益だが、通期増益予想据え置き

2023年7月31日 14:56

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  日本エム・ディ・エム<7600>(東証プライム)は7月28日の取引時間終了後に24年3月期第1四半期連結業績を発表した。売上面は獲得症例数が伸長して増収と順調だったが、利益面は為替の円安影響や販管費の増加などで減益だった。通期予想は据え置いた。日本および米国における症例数の増加、円安影響の一巡などで増収増益予想としている。第1四半期は減益だったが、積極的な事業展開により、通期ベースで収益改善基調を期待したい。株価は安値圏でモミ合う形だ。目先的には第1四半期減益を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、下値限定的だろう。

■24年3月期1Qは円安影響などで減益だが、通期増益予想据え置き

 24年3月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比7.5%増の54億02百万円、営業利益が30.5%減の3億46百万円、経常利益が30.2%減の3億37百万円、親会社株主帰属四半期純利益が47.3%減の1億77百万円だった。

 売上面は獲得症例数が伸長して増収と順調だったが、利益面は為替の円安影響、国内における償還価格引き下げの影響、国内体制強化に伴う人件費の増加、米国売上増加に伴う支払手数料(コミッション・ロイヤリティ)の増加、研究開発費の増加、米国子会社ODEVにおいて隔年で主催している顧客向けセミナー開催などによる販促費の増加、円安に伴う米国での費用(円換算後)の増加などで減益だった。

 セグメント別(調整前)に見ると、日本国内は売上高が4.1%増の30億55百万円で営業利益が7.5%減の2億36百万円、米国は売上高が7.9%増の31億82百万円で営業利益が73.5%減の54百万円だった。なお米国の外部顧客向け売上高は、米ドルベースで4.8%増の16百万円米ドル、円換算後で12.1%増の23億47百万円だった。為替の換算レートは前年同期が1米ドル=129.50円、当期が1米ドル=138.11円だった。

 医療機器類の品目別・地域別売上高(円換算後)は、人工関節は日本が3.2%増の11億70百万円、米国が12.1%増の23億38百万円、骨接合材料(日本)はが8.1%増の10億38百万円、脊椎固定器具(日本と米国の合計)は0.7%減の8億21百万円だった。なお自社製品比率は前年同期と同じ80.1%だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年3月期比9.3%増の233億円、営業利益が23.5%増の25億円、経常利益が17.4%増の24億円、親会社株主帰属当期純利益が5.4%増の15億円としている。想定為替レートは1USドル=135円(23年3月期実績は1USドル=134.95円)としている。配当予想は23年3月期比1円増配の14円(期末一括)としている。連続増配予想で予想配当性向は24.5%となる。

 24年3月期は日本および米国における症例数の増加、円安影響の一巡などで増収増益予想としている。第1四半期は減益だったが、積極的な事業展開により、通期ベースで収益改善基調を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は安値圏でモミ合う形だ。目先的には第1四半期減益を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、下値限定的だろう。7月28日の終値は958円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS57円03銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS880円64銭で算出)は約1.1倍、そして時価総額は約254億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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