7日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で3日続落、中国EVに売り

2023年7月7日 18:08

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記事提供元:フィスコ

*18:08JST 7日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で3日続落、中国EVに売り
7日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比167.35ポイント(0.90%)安の18365.70ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が69.67ポイント(1.11%)安の6198.86ポイントとそろって3日続落した。ハンセン指数は約5週ぶりの安値水準を切り下げている。売買代金は994億5590万香港ドルとどまった(6日は972億9100万香港ドル)。


世界株安が嫌気される流れ。昨夜の欧米市場では、利上げ圧力の高まりで主要株価指数が軒並み下落した。米国では、雇用や景況感の指標が予想を大幅に上回っている。インフレ高進も懸念された。もっとも、下値は限定的。人民元安の警戒感がやや後退したことや、中国経済対策に対する期待感が相場を支えた。(亜州リサーチ編集部)


「ニューエコノミー」銘柄に売りが先行。ハンセン科技(テック)指数は1.2%安と他の指数をアンダーパフォームした。個別では、新興電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(9868/HK)が5.2%安、同じくEVメーカーの蔚来集団(9866/HK)が4.1%安、オンラインゲーム事業・アプリケーション・ソフト開発の金山軟件(3888/HK)が3.9%安と下げが目立っている。ほか、オンラインゲームの網易(9999/HK)が3.2%安。「米国市場に上場する一部の中国企業の会計監査を巡り、米当局が新ラウンドの検査を開始したもよう」などと伝わった。報道によれば、網易も検査対象となっている。


スポーツ用品や家電など消費セクターも安い。李寧(2331/HK)が4.3%、安踏体育用品(2020/HK)が2.6%、創維集団(751/HK)が5.8%、TCL電子HD(1070/HK)が4.4%ずつ下落した。


太陽光発電の関連銘柄もさえない。信義光能HD(968/HK)が6.8%安、福莱特玻璃集団(6865/HK)が4.6%安、信義能源HD(3868/HK)が2.8%安、陽光能源HD(757/HK)が2.1%安で引けた。


半面、海運・空運セクターの一角はしっかり。中遠海運能源運輸(1138/HK)が2.1%、中遠海運HD(1919/HK)が1.2%、東方海外(316/HK)が1.1%、中国東方航空(670/HK)が1.8%ずつ上昇した。


他の個別株動向では、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(9988/HK)が3.4%高。当局の締め付けが終了するとの見方が浮上した。外電は7日、「阿里巴巴傘下の金融サービス会社、マ蟻集団(アント・グループ)に対し、中国当局が早ければ7日にも罰金を科すと発表するもよう」と報道。罰金の発表は、当局主導によるアント再編の終結を意味するものと指摘されている。


一方、本土市場も3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.28%安の3196.61ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。消費関連株、通信ネットワーク株、メディア・娯楽株、インフラ関連株、医薬品株、素材株、不動産株、銀行・保険株の一角なども売られた。半面、空運関連株は高い。エネルギー株、海運株、公益株、証券株も買われた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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