14期連続増収・5期連続営業増益:ユニバーサル園芸社とはこんな会社

2023年7月5日 09:24

印刷

 株主優待策を停止する企業が増加傾向にあるとされる。「原資は配当に向けるべし」という見方が背景だと言う。頷けなくもない。がそんな流れの中にあって、株主優待策を「上積み」する企業に出会った。

【こちらも】中間期売上高過去最高更新:駐車場業界4位のパラカに惹かれる理由

 ユニバーサル園芸社(東証スタンダード。以下、園芸社)。オフィスなどへの観葉植物のレンタル大手。園芸雑貨や生花などの小売りも手掛けている。6月19日に以下のような株主優待策の変更を発表した。

 『今2023年6月期から、(実施していた株主優待策)年2回6月30日・12月31日を基準日とした100株以上株主に提供していた当社オリジナルクオカード(コンビニ、ファミレス、書店など加盟各店で使用可)について、6月末分を1000円分から2000円分に変更する』。

 そんなニュースリリースに接したのが、園芸社を「調べて見よう」と思ったキッカケだった。まず、四季報の収益動向を追った。2019年6月期の「16.9%増収、20.3%営業増益」以降、前期までこんな具合。「6.0%増収、18.8%営業増益」「5.0%増収、14.8%営業増益」「21.2%増収、43.8%営業増益、2円増配22円配」。

 そして今6月期は「16.0%の増収(134億5900万円)、5.4%の営業増益(19億5900万円)」計画で立ち上がり、第3四半期実績の進捗率は「74.8%、82.3%」。着地に下振れ懸念は低い。計画通りに着地すれば、「14期連続の増収、5期連続の営業増益、かつ5期連続の最高純益更新」となる。

 第3四半期を園芸社では、こう説明している。

★グリーン事業: 主軸。レンタルグリーン(貸し植木)の契約が計画通りに推移。レンタルアートフラワー事業(室内壁面装飾・増加アレンジメント)も順調に推移。前年同期比26.6%増収、23.7%営業増益。売上高営業利益率は関東圏エリアが21.7%、関西圏エリア26.9%、海外エリア11.4%。海外に関しては前年同期の7.7%から3.7P上昇しており海外事業も順調に推移していることが窺える。

★卸売り事業: コロナ禍を背景に高く推移していた植物需要が落ち着きを見せ始め、電気料や資源・エネルギー価格等の増加で0.6%増収、13.0%営業減益。

★小売り事業: 卸売り事業同様の要因の推移で、8.8%増収/58.8%の営業減益。ただ着地については「母の日や季節要因で第4四半期は繁忙期になる」とした。

 連続増収・営業増益は「来期の予想が未発表の今は、なんとも・・・」としたが、口ぶりには「期待して頂いて結構かと」とする響きが感じられら。 (記事:千葉明・記事一覧を見る

関連記事