関連記事
イギリス英語の魅力発見! スラング特集 (3)
今回もイギリス英語ならではのカジュアルな表現を紹介する。ビジネスシーンにはあまりふさわしくない表現もあるが、日常的な表現として覚えておいて損はないだろう。例文とともに確認してほしい。
【こちらも】もっと知りたいイギリス英語! スラング特集 (2)
■Builder's tea
ご存じのように、イギリスには紅茶文化が深く根付いている。「builder's tea」とは、そんなイギリスで最も庶民的な種類の紅茶のことだ。安いティーバックを使って濃いめにいれた紅茶に、ミルクをたっぷり加えて飲まれている。容れ物も上品なティーカップではなく、大きめのマグカップを使うのが一般的だ。
では、どうしてそんな紅茶が「builder's tea」と呼ばれているのだろうか。もともとは、家の修理や建設作業をしている職人らに対して振る舞われた紅茶に由来する言葉である。特に、寒い日にこのタイプの紅茶を振る舞うのが、礼儀とされていたようだ。それが今では、ミルクたっぷりの濃い紅茶を一般的に「builder's tea」と呼ぶようになったと考えられている。
・After a long day of hard work, nothing beats the refreshing taste of a builder's tea.
(1日の仕事を終えた後に味わうbuilder's teaの1杯が、何よりも心地よい)
■Butchers
文字どおりの意味だと「肉屋」だが、「butchers」はイギリス英語のスラング、正確には、Cockneyのライミング・スラングにおいて「look」を意味する。
Cockneyとは、ロンドン東部を中心とした労働者階級が用いる方言(アクセント)だが、そのライミング・スラングとは彼らが使う独特の言葉遊びを指す。特定の言葉の意味を、韻を踏む別のフレーズで表現し、さらに、そのフレーズの一部を省略するという方法で作られる。
「butchers」がなぜ「look」なのかというと、「look」と韻を踏む「butcher's hook(肉屋のフック)」が先に考えられていた。ここから、「butcher's hook」を「look」と同じ意味で使うようになったのだ。そのうち、後半の「hook」が省略されるようになり、いつしか「butchers」だけで「look」を表すようになったという具合だ。
・Take a butchers at that.
(あれを見てみろよ)
■Cack-handed
「cack-handed」とは、不器用なことを表すスラングだ。不器用、または、へたくそなやり方で行われた作業を「cack-handed」と形容する。
「cack」とは排泄物を意味する古風なスラングだ。それを形容詞として使った結果、この表現が生まれたわけだが、不慣れでぎこちない様子が理解できるのではないだろうか。なお、語尾に「-ly」を付けて「cack-handedly」とすると、副詞にもなる。
・She wrote the invitation card in a cack-handed way.
(彼女は招待状を不器用に書いた)
・He handles a screwdriver cack-handedly.
(彼はドライバーを不器用に扱う)(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る)
スポンサードリンク
関連キーワード