29日の香港市場概況:ハンセン1.2%安で3日ぶり反落、不動産セクターに売り

2023年6月29日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 29日の香港市場概況:ハンセン1.2%安で3日ぶり反落、不動産セクターに売り
29日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比237.69ポイント(1.24%)安の18934.36ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が94.63ポイント(1.45%)安の6426.59ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は821億7560万香港ドルと低迷が続いている(28日は793億1850万香港ドル)。


投資家の慎重スタンスが強まる流れ。人民元相場の動向や、米国の対中圧力強化など不安材料が依然としてくすぶっている。為替動向に関しては、国有銀行による買い支え観測を受けて27日には一時元高に振れたものの、翌28日には再びその上昇分を帳消しにする元安水準まで落ち込んだ。29日も弱含みで推移している。資金流出が警戒される状況だ。また、あす30日に6月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が公表されることも気がかり材料として意識されている。ハンセン指数は小じっかりスタートしたものの、程なくマイナスに転じ、徐々に下げ幅を広げた。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が6.2%安、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が5.7%安、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が5.2%安と下げが目立った。


セクター別では、管理サービスやデベロッパーなど中国の不動産が安い。上記した碧桂園服務のほか、融創服務HD(1516/HK)が6.4%、世茂服務HD(873/HK)が4.4%、合景泰富地産HD(1813/HK)が9.4%、碧桂園HD(2007/HK)が4.8%、雅居楽集団HD(3383/HK)が3.9%ずつ下落した。


レストランチェーンや酒造の飲食関連もさえない。呷哺呷哺餐飲管理HD(520/HK)が3.4%安、海底撈国際HD(6862/HK)が3.2%安、九毛九国際HD(9922/HK)が3.0%安、百威亜太HD(1876/HK)が4.2%安、華潤ビールHD(291/HK)が1.4%安と値を下げた。


空運セクターも売られる。中国国際航空(753/HK)が3.3%安、中国南方航空(1055/HK)が3.1%安、中国東方航空(670/HK)が2.2%安、国泰航空(293/HK)が1.8%安で引けた。


半面、半導体ファウンドリー中国大手の華虹半導体(1347/HK)は2.0%逆行高。同社は28日引け後、上海のハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」への重複上場に際し、半導体産業振興のための国策ファンド「国家集成電路産業投資基金二期(大基金二期)」が戦略投資家として一部A株を引き受けると発表した。


一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.22%安の3182.38ポイントで取引を終了した。不動産株が安い。酒造・食品や小売の消費株、発電株、エネルギー株、運輸株、素材株、金融株なども売られた。半面、ハイテク関連株は高い。軍事関連株、医薬品株、自動車株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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