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WOWOW、外部環境変化等により苦戦し減収減益 会員ビジネスを再び成長軌道に乗せるため今期は各種施策に注力
WOWOW、外部環境変化等により苦戦し減収減益 会員ビジネスを再び成長軌道に乗せるため今期は各種施策に注力[写真拡大]
外部環境の認識
田中晃氏(以下、田中):代表取締役 社長執行役員の田中です。本日は決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
コロナ禍を契機に、マーケットやライフスタイルの大きな変化の中で、当社は苦戦が続いています。業績ハイライトの前に、WOWOWの競争環境について現状認識をお話ししたいと思います。
1つ目は言うまでもなく、動画配信サービスの台頭による、コンテンツ獲得および会員獲得競争の激化です。特に、大型スポーツコンテンツの権利争いは激しく、WOWOWが取り組んできたスポーツが、他のサービスに移ることも起きています。
2つ目が、動画配信業界の合従連衡です。ご存知のとおりU-NEXTがParaviを統合しました。また、DAZNがDMMと商品連携したように、各社の事業提携は活発に進行しています。そのような中で、NTTドコモが新しいサービスをローンチしました。この小さな日本のマーケットに10以上のサービスが乱立しており、事業連携、合従連衡は、さらに進む気配です。
しかも、国内での事業採算を度外視したような低価格競争が続いています。1年後の勢力図は、今とまったく違うかもしれません。混沌として、極めて流動的だと言わざるを得ません。当社もその中に位置していると認識しています。
3つ目が、ユーザーニーズの変化スピードです。ユーザーがコンテンツを楽しむ多様なスタイルは、もはやコロナ禍前には戻りません。一部のユーザーは、新しくて刺激的で、独創的なコンテンツを求めて、ネットの世界を日々動いています。そして、そのスピードは加速度的に速くなっています。
それに加え、生成AIなどのテクノロジーの進化が、ユーザーのサービスの選択や私たちのクリエイティブの世界にどのような影響を与えるのか、まったくわかりません。
極めて流動的な競争環境の中、WOWOW独自の価値を維持し、高めていくことが最も重要だと考えています。これについては、のちほどお話しします。
2022年度決算 ハイライト①
ここから、2022年度の決算ハイライトをご説明します。2022年度は、スポーツや音楽ライブなどの独占性の強化に加え、当社初のハリウッドとの日米共同制作ドラマ『TOKYO VICE』などの大型オリジナルコンテンツの放送・配信が、新規加入獲得につながりました。
また、お客さまの利用時間と接触時間の増加を図るために、「WOWOWオンデマンド」はコンテンツを大幅に拡充し、2022年7月にはUI/UXの改善を実施しました。しかしながら、先ほどご説明した外部環境の変化の流れを受け、結果として、正味加入件数は4期連続の大きな純減となりました。
2022年度決算 ハイライト②
収支のハイライトです。売上高は前期と比べ、会員収入が減少したことなどにより、減収となりました。経常利益は、番組費が減少したものの、売上高の減少による利益減の影響等により、減益となりました。
株主還元については、1株当たりの期末配当金は、当初の予想どおり、50円とする予定です。5月19日開催の当社取締役会に付議予定です。また、自己株式の取得を2月27日に実施し、当社普通株式60万株を取得しました。数字の詳細については、これより経営管理統括の尾上が説明します。
2022年度決算 加入状況
尾上純一氏(以下、尾上):経営管理統括の尾上です。2023年度の配当計画まで、私がご説明します。まず、加入状況です。2022年度の新規加入件数は55万1,000件、前期比で6万件の減少です。解約件数は67万2,000件となり、前期比で5万1,000件の減少となりました。
前期に放送・配信した「UEFA EURO 2020TM サッカー欧州選手権」の影響などにより、新規加入件数、解約件数ともに減少となりました。その結果として、正味加入件数は12万1,000件の純減となり前期比で1万件の減少、累計正味加入件数は256万件となり、前期比で12万1,000件の減少となりました。
2022年度決算 収支状況(連結)
連結の収支状況です。前期と比べて減収減益となりました。売上高は771億100万円で、前期比で25億5,600万円の減収です。経常利益は35億4,700万円で、前期比で18億100万円の減益となりました。差異要因は、次ページ以降でご説明します。
セグメント別連結売上高/営業利益対比
セグメント別の状況です。メディア・コンテンツセグメントは、主にお客さまからの視聴料である会員収入が売上高の多くを占めています。
売上高は、イベント事業等が好調だったことによりその他収入が増加したものの、会員収入が前期と比べ32億9,000万円の減少となったことなどから、前期から26億1,600万円の減収となりました。営業利益は、番組費が減少したものの、売上高の減少などにより、前期から18億5,300万円の減益となりました。
テレマーケティングセグメントは、連結子会社のWOWOWコミュニケーションズにおける事業となります。外部売上高が増加したことなどにより、売上高は前期と比べ、1億3,100万円の増収となりました。営業利益は、外部顧客からの新規受注にかかる初期コストの発生などにより、前期比で1億8,900万円の減益となりました。
連結経常利益 前期との差異要因
連結経常利益の差異要因です。スライド左側のグラフが利益の増加要因、右側が減少要因です。増加要因として、番組費が前期から10億5,700万円減少しています。詳細は後ほどご説明します。
また、加入者の減少などにより、プラットフォーム月額手数料、販売促進費が減少しています。その他は、加入者の減少によるプログラムガイド費の減少などが、主な要因です。
減少要因としては、会員収入が前期から32億9,000万円減少しています。グループ会社収支は、費用の先行投下等があったため、前期比で2億6,800万円の減少となりました。また、為替差益は前期比で1億2,800万円減少しました。
番組費の推移
番組費の推移です。前期に放送した「UEFA EURO 2020TM サッカー欧州選手権」や、開局30周年記念の大型のオリジナルドラマの放送・配信がなかったことなどにより、番組費は前期と比べ、10億5,700万円減少しました。
2023年度 加入計画
続いて、2023年度の事業計画の数字についてご説明します。2023年度の加入計画は、新規加入件数、解約件数ともに65万件、正味加入件数はプラスマイナス0、累計正味加入件数は256万件としました。
正味加入件数は、この後ご説明するマーケティング改革やコンテンツ強化の取り組みなどにより、また、解約については、会員IDをキーとしてお客さまとのコミュニケーションの緊密化を進め、お客さまの声をコンテンツやサービスにより反映する取り組みを強化することなどにより、それぞれ前期からの改善を目指していきます。
2023年度 収支計画(連結)
2023年度の収支計画です。2023年度は減収減益を見込んでいます。連結売上高は、イベント事業などその他収入の増加を見込むものの、会員収入の減少により、前期比で減収となる見込みです。経常利益については、番組費は減少するものの、売上高の減少などによる利益減の影響により、前期比で減益となる見込みです。
2023年度 投資計画(単体)
2023年度の投資計画です。2022年度は主に放送・配信設備、顧客管理システムの改修等に投資しました。2023年度の投資予定額は30億円で、放送・配信設備やコンテンツ管理システム等に投資を行う予定となっています。
2023年度 配当計画
2023年度の配当計画です。当社の配当方針は、各事業年度の業績、財務体質の強化、中長期の事業戦略などを総合的に勘案し、内部留保の充実を図りつつ、継続的に安定的な配当を目指すこととしています。
今期以降、会員ビジネスを再び成長軌道に乗せるためにコンテンツの強化を行うほか、会員事業の高度化をするためのシステムへの投資を行うこと、また、成長に向けた新規事業開発への投資を行っていくことなど、将来の成長に向けたさまざまな取り組みを進めるため、2023年度の1株当たりの配当計画は、前期から20円減の30円としました。ご理解のほど、よろしくお願いします。
2023年度 事業計画の方針
田中:ここからは、2023年度の事業計画を達成するための戦略等についてご説明します。お伝えしたとおり、事業環境は混沌としており、極めて流動的です。先ほど、WOWOW独自の価値を維持し、高めることが最も重要だとお話ししました。
独自の価値とは、シンプルに言えば2つです。選び抜いた質の高いコンテンツと、そのコンテンツを愛してくださり、他サービスよりも高い料金を払ってくださる250万件の会員です。2023年度の事業計画の方針として、「会員ファースト」と「独自性の追求」を掲げました。当たり前の方針ですが、流動的な事業環境下においては重要な武器になると考えています。
まずはコンテンツの拡充と独自性を追求して、メディアサービスの基盤を回復させること、そして、視聴だけではなくて、視聴プラスアルファの価値を創出して、月額2,300円以上の価値をお客さまに提供し、収益基盤を生み出すことです。
そのために会員IDによるコミュニケーションへの転換など、マーケティング改革に取り組みます。さらに新規事業の開発にも投資し、収益源の多様化を図っていきます。詳細については、各担当執行役員からご説明します。まずは、メディア事業統括の横山です。
1.「メディア・コンテンツ」セグメントの事業基盤回復①
横山誠一氏(以下、横山):今年4月から執行役員に就任したメディア事業統括の横山です。マーケティング面においては、会員IDを主軸としたコミュニケーションへの転換を急ぐため、3つの改革に取り組みます。
1つ目は、有料動画配信ユーザーに向けたデジタルマーケティング、SNS施策です。こちらに大きく舵を切り、「WOWOWオンデマンド」の認知度の向上を図ります。
2つ目に、加入の接点を増やすための新たな販路や施策を開発していきます。昨年は「Amazon Fire TV」からWOWOWの加入が可能になり、「WOWOWオンデマンド」のテレビ対応端末の拡充なども行いましたが、今年も同様に、新たな販路、施策の開発に取り組みます。
さらに、上期中にWebでの加入手続きをシンプルにし、興味喚起から契約完了までをスムーズに行うことができるようにしていきます。この施策により、新規加入の7割強が会員IDを取得すると見込んでいます。
3つ目は、実際に加入したお客さまの会員IDを元に、コミュニケーションのパーソナライズ化を進め、お客さまの声をよりコンテンツやサービスに反映する取り組みを強化していきます。このようなマーケティング改革を行うことにより、正味加入件数の純減トレンドからの脱却を目指していきます。
1.「メディア・コンテンツ」セグメントの事業基盤回復②
田代秀樹氏:コンテンツ・クリエイティブ担当の田代です。コンテンツにおける改革についてご説明します。2023年度は「WOWOWオンデマンド」のコンテンツを充実することに加え、世の中の注目を集める独自コンテンツを四半期ごとにラインナップしていきます。
『鬼滅の刃』『呪術廻戦』のようなアニメなど、日常的な利用につながるコンテンツを拡充するほか、他社配信サービスとの差別化を図れるような音楽、ドラマを強化します。
さらにスポーツでは、より独自性を高めるため、「LPGA女子ゴルフツアー」の日本人選手専用カメラ映像の配信も引き続き実施します。そして、お客さまがWOWOWを意識する機会を増やしていくため、世の中の注目を集める独自コンテンツをラインナップしていきます。
これらのコンテンツについては、プロモーションや顧客満足度施策を重点統括することで、お客さまと接触する場面を増やし、ほかのコンテンツへの気づき、認知、利用などにつなげる好循環を目指します。
1.「メディア・コンテンツ」セグメントの事業基盤回復③
特にアニメは選び抜かれた新作・旧作アニメを常時50タイトル強、配信しています。「WOWOWオンデマンド」の魅力を高めていくことで、お客さまの利用を促進し、加入継続につなげていきます。
1.「メディア・コンテンツ」セグメントの事業基盤回復④
今年4月からスタートした「連続ドラマW フィクサー」は、唐沢寿明さんを主演に迎え、脚本家、井上由美子さんが描くオリジナルドラマで好評をいただいています。3シーズンにわたる大型シリーズとして展開していきます。
そのほかにも長期間でアーティストと取り組む音楽案件や、複数年にわたる映画とドラマが連動した大型企画なども予定しています。
とにかく大切なことは、WOWOWらしい、他社には負けないクリエイティブを発揮することだと思っています。
2.収益拡大:新たな収益機会の創出
山本均氏(以下、山本):経営戦略統括の山本です。先ほどご説明にあったとおり、2023年度の方針に「会員ファースト」を掲げました。2年前に公表した中期経営計画の考え方に変更はありませんが、コンテンツ中心から会員を中心とした考え方に改め、ビジネス展開を進めていきます。
さらに今期は新たな収益機会を創出することで、収益拡大にも取り組みます。例えば、付加価値の高いコンテンツ体験を創出するために、2023年度にはTVOD(視聴レンタル制の都度課金型動画配信)を新たに開始するほか、グループ会社の外部販売のさらなる強化などに取り組んでいきます。
今年の3月末に公表したとおり、これらの取り組みを加速するべく、既存事業の強化や新規事業の創出の手段として、当社は国内外の企業やベンチャー企業、ベンチャーファンド等を対象に投資を開始しました。
エンターテインメント業界を取り巻く環境が大きく変化する中、中期経営計画のビジョンを達成するためには内部のリソースだけではなく、人材、技術など外部リソースの活用や取り込みを行っていく必要があると考えています。
2.収益拡大:エンターテインメントを軸とした幅広い領域への投資を実行
投資対象としては、主に動画配信関連ビジネスやファンコミュニティ事業などを手掛ける企業に加え、映像にとどまらない次世代のデジタルエンターテインメント企業、さらにシニア向けのサービスを手掛ける企業等を考えています。
なお、これらの投資については、既存事業で得られるキャッシュフローと手元資金をベースに実施する予定です。
2.収益拡大:投資実績
投資実績をご紹介します。PLAY社は2022年7月に実施した「WOWOWオンデマンド」のリニューアルをはじめ、国内大手の動画配信サービスを多く支援しています。今回の資本業務提携により、PLAY社との協力体制が強化され、配信事業の開発スピードの向上と、運営の効率化が実現されます。
また、DIMENSION社が組成したファンドにLP出資しました。DIMENSION2号ファンドは、出資者に上場企業家が多数おり、紹介による案件開拓ルートを保有しています。これらのディールは昨年に立ち上げた部署、事業開発室が担当しました。設立から約1年が経過し、案件のソーシングが重要な課題として明確となりました。
このソーシングの課題を解決するため、当社の投資領域と親和性のあるファンドへの出資を通じて協業先を開拓することとしました。決算説明は以上となります。
質疑応答:マーケティング改革の施策について
質問者:加入件数の純減を止めるためにマーケティング改革をなさるというお話をうかがいましたが、冒頭の田中社長のご説明にもありましたように、競争環境が激化しており、これまでの販促活動を強化するだけでは心もとないような気がします。御社として、この純減傾向を止めるためのエンジンとなる施策について、可能な範囲で教えてください。
横山:デジタルマーケティングおよびSNS施策についてはまだまだ足りていないところがありましたので、今年度はその強化に取り組んでいきます。
また、現在はWebサイトにおいて「放送経由」と「配信経由」の2つの加入導線があり、お客さまが加入の手続きがちょっと分かりづらい状況ですが、ここを1つの入り口にして、手続きをシンプル化します。それにより、お客さまが加入手続きの途中で離脱していたポイントが減っていきます。ご加入後、確実に会員IDを取得していただくことになりますので、お客さまのニーズをしっかり把握することができるようになります。
お客さまに合ったサービスやコンテンツをしっかりと提案していくことで、お客さまとのコミュニケーションがより円滑になっていくと考えています。お客さまとより近い関係を築くことができるのが大きなポイントです。
質問者:これまでの会員手続きでわかりにくい部分があったということですが、どのような点が課題だったのでしょうか?
横山:現在、Webサイトは「放送経由」と「配信経由」の2つの加入導線があるため、お客さまからすると、自分はこっちで入りたい、どっちで入ればいいんだろうという迷いを生じさせるような入り口になっています。それが上期中に1つになります。入り口が1つになりますので、お客さまが迷うことなく、ご加入、最終的な契約完了、視聴といったところまで、簡便に行くことができるようになります。
質疑応答:国内外の企業等への投資目的について
質問者:国内外の企業やファンドへの積極的な投資を推進していくというお話でした。投資対象の中には、映像にとどまらないデジタルエンターテインメント企業や、シニア層の健康などのヘルスケアサービスなどを手掛ける企業も含まれるとのことでした。
単純に考えると、これまでWOWOWが手掛けてこなかったサービスを実現し、新たな収益源とするため、このような企業やファンドへの投資を行なっているのだと思います。今後、この投資施策によって、どのようなサービスを実現しようとお考えですか?
山本:WOWOWは開局以来、会員のみなさまから視聴料を毎月いただく会員事業を営んできましたが、これだけデジタル化が進展している中で、WOWOWの255万の会員のみなさまに、今後、より新しいサービスを提供することを目指していくためにはどうすればいいか、社内で議論を重ねました。
その結果、新しいサービスを開始し、収益化につなげていくためには、内部のリソースだけではなく外部リソースも必要と判断し、今回、積極的に投資を進めることといたしました。WOWOWの中核は、エンターテインメントコンテンツであることは不変です。しかし、Web3の時代、さまざまなデジタルエンタメが新しい発想で登場してきている中で、新しいことに挑戦しているベンチャー企業と組むことにより、お客さまに視聴体験以外のエンターテインメントコンテンツを提供できるのではないかと考えています。
また、WOWOWの加入者は、シニア層であり、エンターテインメントにお金を払って楽しんでいただけるお客さまが多いです。そのお客さまに、WOWOWが付加価値のあるサービスやエンターテインメントを提供することにより、新たにシニア向けサービスも利用いただける可能性が広がってくるのではないかと考えております。
今後はリサーチも含めながら、積極的に投資対象を探っていきたいなということです。先ほどコンテンツ中心から、会員を中心とした考え方に変えてビジネス展開を図っていくんだというお話をしましたが、あくまでベースは会員事業です。その意味をここに込めさせていただいているとご理解いただければと思います。
質問者:具体的な新しいサービスについては、相手とどのような提携を行うかによって展開が決まるため、現時点では未定ということでしょうか?
山本:ご認識のとおりです。
質疑応答:生成系AIの活用について
質問者:生成系AIを活用する動きがメディア業界で見られます。例えば、Netflixが生成系AIを使って作品を制作し、今年1月に公開する動きもありましたが、御社では生成系AIをどのように活用しようと考えているのか、教えてください。
田中:生成系AIは非常に大きな影響をもたらすだろうと認識しています。この点については2つの側面があります。
1つ目は、日々の事業展開に生成系AIがどのような影響を及ぼし、いかにして生産性を向上させていくことができるか。セキュリティを担保しながら、生成系AIをどのように活用していくかなどが重要なポイントになると思います。
2つ目に、当社ではクリエイティブなエンターテインメントを提供しています。クリエイティブの段階では、端的に言えば生成系AIがドラマの企画のプロット作成を簡単にできる時代になっています。人間であれば数日かかって出すアイデアが、わずか30秒で形成されるようになりました。そのような環境下で企画を選定して作成することに、生成系AIが大きく関わってくると考えています。
なお、クリエイティブに関しては過去のデータがベースとなりますが、著作権問題から切り離せなくなっています。そのため、クリエイティブな取り組みにおいては慎重である必要があります。回答が難しいですが、自分たちの頭でしっかりと考えながら取り組んでいきたいと思っています。
質疑応答:2023年度収支計画の増減要因について
質問者:御社の収支計画について、増減要因の内訳等があれば教えてください。
尾上:2023年度の収支計画は減収減益としています。正味加入件数の計画がプラスマイナスゼロということで、累計正味加入件数は2022年度の数字と変わりませんが、期中で加入件数が増減を繰り返していくことになります。トータルとしては、前期よりも会員収入が減少し、その分の利益が減少するといった点が主な要因となっています。
一方、グループ会社の収益についても、前期の売上・利益が今期はそこまで見込めない状況を鑑みて、一部のグループ会社で減収減益となっています。したがって、全体としては先ほどお伝えした数字になります。
また、番組費やマーケティングコストなどについては、状況に応じて適切な費用を投下していく予定としており、連結経常利益25億円を目指す考えです。
田中氏からのご挨拶
田中:みなさま、決算説明会にご参加いただき、ありがとうございました。本日の説明会はChatGPTを使用した効率化ではなく、ハンドメイドで開催しました。
今年4月から若手の執行役員を3人登用しました。そのうちの1人が横山です。横山は3月までU-NEXT社と統合されたParavi社で、「Paravi」のマーケティングの最前線で取締役として活躍していました。横山をはじめとした3人の若手執行役員が加わったことにより、新しい風が吹いています。
現在の厳しい事業環境を乗り越えるためには、若手人材の起用や多様な人材の登用が非常に重要だと考えています。今後も、役員・従業員を含め、多様な人材の起用・登用を通じて、先の見えない流動的な環境を乗り越えていきたいと思っています。今年度も引き続きご支援賜りますよう、よろしくお願いいたします。
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