15日の香港市場概況:ハンセン1.8%高で5日ぶり反発、中国金融セクターに買い

2023年5月15日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 15日の香港市場概況:ハンセン1.8%高で5日ぶり反発、中国金融セクターに買い
週明け15日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比343.89ポイント(1.75%)高の19971.13ポイントと5日ぶりに反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も116.53ポイント(1.75%)高の6780.08ポイントと反発した。売買代金は1016億2420万香港ドルと低調が続いている(12日は1027億7320万香港ドル)。


中国大型株のバリュエーション見直しが期待される流れ。上海証券取引所は金融業界の価値向上に関する座談会を17日に開催する――と報じられた。上海証券取引所は先週11日にも、「中央企業(中央政府直属の国有企業)の投資価値発見とバリュエーション回帰促進」と題する会議を開いている。米国や中国の景気不安がくすぶる中、指数はマイナス圏で推移する場面がみられたものの、終盤に入り上げ幅を広げた。中国ではあす16日、4月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)が公表される。(亜州リサーチ編集部)


中国金融セクターが相場を主導。中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が2.6%高、交通銀行(3328/HK)が2.3%高、中国農業銀行(1288/HK)が2.0%高、中国平安保険(2318/HK)が3.8%高、中国人寿保険(2628/HK)が3.7%高で引けた。そのほかハンセン指数の構成銘柄では、中国インターネットサービス大手の騰訊HD(700/HK)が3.9%高と上げが目立っている。同社は今週17日、1〜3月期決算を報告する予定。ブローカー各社のコンセンサス予想では、3割増益が見込まれている。


酒造や食品飲料の中国消費関連も高い。華潤ビールHD(291/HK)が4.6%、百威亜太HD(1876/HK)が3.4%、青島ビール(168/HK)が3.2%、中国蒙牛乳業(2319/HK)が2.4%、農夫山泉(9633/HK)が1.8%ずつ上昇した。


他の個別株動向では、ハンセン指数の構成銘柄に新規採用される旅行サイト中国大手、携程集団(9961/HK)が2.3%値を上げた。そのほか、新規採用が決まった銘柄では、京東健康(6618/HK)が2.2%高、紫金鉱業集団(2899/HK)が1.9%高、華潤電力HD(836/HK)が1.5%安となっている。除外銘柄はなし。これにより、ハンセン指数の構成銘柄は76→80に増加する運びだ(入れ替えは6月5日に発効)。


半面、中国不動産セクターは安い。合景泰富地産HD(1813/HK)が11.9%、碧桂園HD(2007/HK)が4.3%、広州富力地産(2777/HK)が3.4%、融創中国HD(1918/HK)が2.5%ずつ下落した。流動性懸念が再燃。合景泰富地産は14日、一部社債のデフォルト(債務不履行)を報告した。販売の落ち込みも警戒。富力地産が公表した今年4月の営業実績では、不動産成約額が前年同月比で6割減少した。


一方、本土市場は5日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.17%高の3310.74ポイントで取引を終了した。金融株が上げを主導。ハイテク株、軍事関連株、素材株、インフラ関連株、医薬品株、消費関連株、エネルギー株、運輸株なども買われた。半面、不動産株は安い。公益株、メディア・娯楽株も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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