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自己資本比率62.6%、ROE予想30.0%のトヨクモを、野村證券出身の山本氏が起業した契機
3月に公開された「Toyokumo kintoneApp認証 ユーザーページ」体験デモのイメージ。(画像: トヨクモの発表資料より)[写真拡大]
トヨクモ(東証グロース)。詳細は後述するが「安否確認」と、サイボウズ(東証プライム)キントーンが両輪の法人向けクラウドサービス事業を展開している。2020年9月上場。四季報のパラパラ読みで出会った。
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目を惹かれたのは22年12月期末で、「自己資本比率62.6%」「ROE27.6%(今12月期30.0%予想)」という点。(新規)事業の展開に好都合な状況を有する、儲け上手な企業と読み取ることができる。
しかも実質上の初決算となった21年12月期の「43.9%増収、70.1%営業増益、90.9%最終増益、初配当5円」に続き前期も、「22.9%増収、52.8%営業増益、48.9%最終増益、2円増配7円配」。そして今12月期も「20.3%増収(23億3000万円)、12.6%営業増益(7億2000万円)、14.7%最終増益(4億9000万円)、3円増配10円配」計画。
詳細はHPに譲るが、事業内容の概要はこんな具合。
『安否確認』: 気象庁の災害警報に連動して、安否確認連絡を自動送信。回答結果を部署ごとに、分かりやすく自動集計。双方向に情報共有が可能な、掲示板やメッセージ機能。導入企業数は3000社を超え、継続率99.8%。BCP(事業継続)の入り口とされる「社員」の災害時等の確認が可能。
『トヨクモKintone連携サービス』: キントーンと連携するWebフォーム(ページ)を、簡単に作れるサービス。キントーン上のデータを簡単に集計できるサービス。データを簡単にバックアップできるサービス。契約件数は8000件を超えている。
トヨクモは2010年に現社長の山本裕次氏により設立されているが、起業に至る経緯が興味深い。山本氏は学卒後、野村證券に身を置いた。理由をこう語っている。
「金持ちになるには、金持ちに会うのが一番だと思った。約10年間の野村時代の中で彼らのものの考え方を学ぶうちに彼らの時代を担う事業の見方を学び、“今後どんな時代になるのかを知ることが大事”だと気付いた。時はまさに1900年代半ば。アメリカでインターネット関連の企業が急成長していた。これだ、IT業界だと実感した。縁もありサイボウズに身を転じた。1年後に100%子会社(現トヨクモ)の設立を認めてもらった(後にMBOで独立)。原点は“中小企業向けのIT普及が不可欠”という思いだった」。
いわゆるSaaSの導入が進んでいる。「2026年度にはソフトウエア市場の約7割:1兆6681億円がSaaSとなろう」とする調査もある。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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