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11日の香港市場概況:ハンセン0.8%高で続伸、本土不動産セクターに買い
*18:00JST 11日の香港市場概況:ハンセン0.8%高で続伸、本土不動産セクターに買い
連休明け11日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比154.04ポイント(0.76%)高の20485.24ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が56.32ポイント(0.82%)高の6950.37ポイントとそろって続伸した。売買代金は1268億9540万香港ドルに拡大している(6日は1016億8630万香港ドル)。
内外の景気改善期待が相場を支える流れ。世界銀行のマルパス総裁は10日、2023年の中国成長率見通しに関し、1月時点の4.3%から直近予想の5.1%に改善していると発言した。また、3月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が予想を上回り、失業率は過去最低水準に低下している。ただ、指数はマイナス圏に沈む場面もみられた。本土株の下げや、AI(人工知能)サービスの不透明感が重しとなっている。当局は11日、生成型AIサービスを管理するための規定案を発表した。一方、寄り付き直後に公表された今年3月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)が前年同月比プラス0.7%となり前月から鈍化。生産者物価指数(PPI)はマイナス2.5%となり、下落率は前月実績(マイナス1.4%)を上回った。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、本土不動産の上げが目立つ。碧桂園HD(2007/HK)が14.1%高、碧桂園服務HD(6098/HK)が11.5%高、龍湖集団HD(960/HK)が7.5%高、中国海外発展(688/HK)が4.5%高で引けた。中国の著名ファンドマネジャーで、運用成績トップクラスのヘッジファンド「上海半夏投資管理中心」の創業者でもある李バイ氏はこのほど、「中国の不動産株は10年に一度の投資チャンスを迎えている」との見解を示している。中国中堅デベロッパーの龍湖が公表した今年3月の営業実績では、成約額が前年同月比で38%増加した。
中国発電セクターも高い。華能国際電力(902/HK)が8.3%、華電国際電力(1071/HK)が7.5%、華潤電力HD(836/HK)が5.7%、中国電力国際発展(2380/HK)が4.0%ずつ上昇した。
中国の証券・保険セクターもしっかり。広発証券(1776/HK)が3.7%高、中信証券(6030/HK)と海通証券(6837/HK)がっそろって2.2%高、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.5%高、中国人民財産保険(2328/HK)が1.5%高と値を上げた。
自動車セクターも物色される。理想汽車(2015/HK)と長城汽車(2333/HK)がそろって3.1%高、小鵬汽車(9868/HK)が2.4%高、吉利汽車HD(175/HK)が2.3%高と値を上げた。
半面、半導体や通信ネットワークの一角はさえない。晶門半導体(2878/HK)が7.1%、華虹半導体(1347/HK)が5.3%、中芯国際集成電路製造(981/HK)が2.9%、中国電信(728/HK)が2.1%、中国移動(941/HK)が1.1%、中国鉄塔(788/HK)が2.1%ずつ下落した。
一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.05%安の3313.57ポイントで取引を終了した。ITハイテク株が安い。消費関連株、医薬品株、運輸株、公益株、軍事関連株なども売られている。半面、不動産株は高い。銀行・証券株、素材株、エネルギー株も買われた。
亜州リサーチ(株)《CS》
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