ファーストコーポレーションは上値試す、23年5月期3Q累計2桁増益で通期上振れ余地

2023年4月10日 12:23

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  ファーストコーポレーション<1430>(東証プライム)は、4月7日の取引時間中に23年5月期第3四半期累計業績(非連結)を発表した。不動産売上高が前年の反動で減少したが、完成工事高の順調な推移が牽引し、全体として2桁増益で着地した。そして通期増益予想を据え置いた。大型案件の本体工事着工などが牽引する見込みだ。完成工事総利益率の向上なども勘案すれば通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価はモミ合いから上放れの形となって急伸している。年初来高値を更新して19年以来の高値圏だ。好業績や高配当利回りを評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年5月期3Q累計2桁増益、通期据え置きだが上振れ余地

 23年5月期第3四半期累計の業績(非連結)は、売上高が前年同期比18.7%減の178億23百万円、営業利益が13.1%増の13億38百万円、経常利益が13.8%増の13億21百万円、四半期純利益が15.3%増の9億13百万円だった。不動産売上高が前年の反動で減少したが、完成工事高が順調な推移が牽引し、全体として2桁増益で着地した。全体の売上総利益率は13.0%で3.4ポイント上昇した。

 完成工事高は23.0%増の143億69百万円、完成工事総利益は21.7%増の15億53百万円、不動産売上高は81.8%減の17億81百万円、不動産売上総利益は74.1%減の2億09百万円、共同事業収入は4.3倍の10億25百万円、共同事業収入総利益は23.8倍の3億58百万円、その他の売上高は3.0倍の6億47百万円、その他の売上高総利益は45.8倍の1億93百万円だった。

 受注高は23年2月28日時点で8件合計351億85百万円(うち造注方式94億71百万円)となり、通期計画の7件合計310億円(うち造注方式90億円)を超過達成した。22年11月に(仮称)千葉駅東口西銀座B地区優良建築物等整備事業新築工事、プレミスト大倉山、23年2月に(仮称)港北区新横浜1丁目計画新築工事(造注案件)などを受注している。建築資材価格上昇に伴い、受注金額も上昇傾向としている。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が47億30百万円で営業利益が2億57百万円、第2四半期は売上高が54億47百万円で営業利益が3億95百万円、第3四半期は売上高が76億46百万円で営業利益が6億86百万円だった。

 23年5月期通期の業績(非連結)予想は据え置いている。売上高は22年5月期比7.2%減の280億円、営業利益は6.5%増の20億44百万円、経常利益は5.8%増の20億円、当期純利益は8.0%増の13億70百万円としている。配当予想は3円増配の35円(期末一括)としている。

 完成工事高は10.0%増の177億19百万円、完成工事総利益は16.7%増の20億06百万円、不動産売上高は37.1%減の84億49百万円、不動産売上総利益は37.3%減の9億円、共同事業収入は4.0倍の12億53百万円、共同事業収入総利益は18.8倍の3億47百万円、その他の売上高は79.9%増の5億76百万円、その他の売上高総利益は1億29百万円(22年5月期は2百万円の赤字)の計画としている。なお全体の売上総利益は6.7%増の33億84百万円、売上総利益率は1.6ポイント上昇して12.1%の計画としている。

 通期予想は据え置いている。大型案件の本体工事着工などが牽引する見込みだ。なお4月6日には販売用不動産の取得および売却(23年5月末予定、23年5月期業績予想に織り込み済み)をリリースしている。完成工事総利益率の向上なども勘案すれば通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価はモミ合いから上放れの形となって急伸している。年初来高値を更新して19年以来の高値圏だ。好業績や高配当利回りを評価して上値を試す展開を期待したい。4月7日の終値は885円、今期予想PER(会社予想のEPS114円91銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の35円で算出)は約4.0%、前期実績PBR(前期実績のBPS585円00銭で算出)は約1.5倍、そして時価総額は約118億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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