関連記事
ボイジャー1号の7倍速い「ペレット推進システム」、欠点は減速不可
「ペレットビーム推進(Pellet-Beam Propulsion)」と呼ばれる新たな推進システムが研究者から提示され、今年の頭にNASAから初期段階の開発費用として17万5000ドルの助成金を獲得することに成功したという。このペレットビーム推進システムを利用すれば、理論上は探査機ボイジャー1号が35年かけて達成した太陽系の外に出たのと同じことを5年以内に実現できるのだそうだ(ScienceAlert、ナゾロジー)。
このコンセプトが注目されてる理由としては、従来の化学燃料ロケットでは不可能だった、人類が生きている間に恒星間空間に到達できる可能性があること。そして1トン以上のペイロードを持つ大型の宇宙船に利用できることにある。ペレットビームのコンセプトは、ライトセイル推進システムにヒントを得たものだという。2隻の宇宙船を用意し、1隻目は地球近傍に設置、粒子をレーザーで加速させて発射する役割を果たす。粒子を毎秒120㎞まで加速させたのちに、2隻目の宇宙船に衝突させるという。発射される粒子は質量を持つため、大きな運動量を伝達することが可能で、これにより重量のある宇宙船を加速させることが可能になるのだという。ただこの推進システムはその方式から減速ができないという大問題があるようだ。
スラドのコメントを読む | サイエンスセクション | サイエンス | 宇宙
関連ストーリー:
H3 ロケット 1 号機、エンジン不着火の原因は搭載機器の過電流か 2023年03月18日
NASAとDARPA、2027年にも原子力ロケットの実証試験へ 2023年01月31日
JAXAが月探査機「OMOTENASHI」不具合の調査結果を報告 2022年12月29日
JAXA、スクラムジェットエンジンによる超音速燃焼飛行試験に成功 2022年07月24日
ナウカのスラスタートラブルで国際宇宙ステーション本体が540度回転していたことが判明 2021年08月06日
※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク