株式投資を体験しながら学習するアプリ「まねらん」　全銀協らが開発

　全国銀行協会とグリーンモンスターは16日、協力開発した体験型投資学習アプリ「まねらん」をリリースしたと発表した。無料で利用できるスマートフォンアプリで、株式取引の一連の流れを忠実に再現したデモンストレーションが可能だ。

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　アプリはiOSとAndroidいずれも対応しており、個人情報の入力は任意であることから手軽に利用できる。東京証券取引所から提供された実際の株価データを基に、アプリ内通貨を使ってバーチャルな取引が出来る。さらに「クイックモード」として、過去1年間の株価の推移を短期間で体感し、売買のタイミングを学ぶことも可能。

　アプリ上において株購入の場面では成行と指値を選ぶことも出来、さらにそれぞれの購入方法について画面上で解説も表示される。アプリではデモ取引以外に、株式投資の基礎が学べるページや、株式投資も含めた投資全体の最新記事の閲覧も可能。株式投資のデモ取引だけでなく、同アプリでは金融知識全体が学べる。

　デモ取引では、購入の際に基準となるさまざまな選び方から銘柄を検索できるようになっているのも面白い。株式投資の初心者では、何を基準に銘柄を選んでよいかわからないことが少なくない。同アプリでは「業種から選ぶ」「チャート型から選ぶ」「株主優待から選ぶ」「購入金額から選ぶ」などの選び方を提示。まずは興味のある銘柄からデモ取引をしてみるのも良いだろう。

　デモ取引で購入後は、ポートフォリオも確認できる。現在価格や購入価格、評価損益が表示されるため、売るタイミングをデモンストレーションする場合の参考にしやすい。また、近年投資家の間で人気の高いIPO投資のデモ取引が出来るのも心強い。投資初心者だけでなく、すでに投資経験はあるもののIPO経験がまだない人にとってもおすすめの機能といえる。

　投資は余剰資金を用いて行うのが鉄則だが、同アプリではレベルに応じた給与が設定され、税金や生活費などを清算した後の可処分所得相当のアプリ内通貨が与えられる。そのうち、どれくらいなら投資に充てても良いのかを考えながらデモ取引を進めるため、より実生活に近い疑似体験が可能である。つまり、投資の学びだけでなく、家計全体のキャッシュフローも意識しながら投資体験が出来る。

　年々長寿化が進む中、預貯金だけの備えでは長生きのリスクに不安を覚える人も少なくない。多少の資産運用が必要であると認識していても、なかなか一歩踏み出すのは勇気が必要だ。

　体験型投資学習アプリ「まねらん」を利用し、実際の可処分所得の中から株式投資を実践する練習をしてみてもいいだろう。無料で利用でき、デモ取引の再現性も高いことから、投資初心者はもちろん経験者の学び直しにもおすすめしたい。（記事：大野　翠・記事一覧を見る）