2030年まで、あと7年 折り返し地点迎えた日本のSDGsの今

2023年3月19日 16:32

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記事提供元:エコノミックニュース

日本でも浸透してきたSDGs(持続可能な開発目標)の取り組み

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 日本でも浸透してきたSDGs(持続可能な開発目標)の取り組み。中でも、エコバッグを愛用する、プラスチック製のストローなどは極力使わないなど、環境に配慮した生活スタイルは実践しやすいこともあって、多くの人が日常生活に取り入れているのではないだろうか。また、温室効果ガスの削減や、環境に配慮した業務形態に移行する企業も増えている。

 しかし、とかく環境面での活動が取り上げられやすいSDGsだが、持続可能な社会の実現のために設定された17の目標は、環境問題に関することだけではない。貧困や飢餓問題、教育問題、ジェンダーの平等、働き甲斐と経済成長など、人類が今後も豊かで発展的な生活を続けていくためには、改善していかなければならない課題は山積みだ。

 SDGsという言葉は、ここ2、3年の間で急速に認知され始めた感があるが、国連サミットで採択されたのは8年前の2015年だ。日本ではその翌年に「SDGs実施指針」が決定されている。2030年の設定期限まで、今年でちょうど折り返し地点に差し掛かるが、SDGsという言葉は知っていても、17の目標の内容や詳細をしっかりと把握している人は、まだまだ少ないのではないだろうか。

 その一方で、日本の企業や団体のSDGsへのアプローチが多様化してきたという一面も見受けられる。

 例えば、ユニークな取り組み事例として、三重県で、空き家・マンションサブリースやリノベーション施工プロデュースなどを手がける株式会社On-Coによる「さかさま不動産」というWEBサービスがある。これは、家主が物件を公開する通常の不動産賃貸のカタチとは異なり、まずは不動産を借りたい人が、やりたい想いをサイトに掲載することで、物件の貸主を募集するという、真逆の新しい不動産賃貸サービスだ。防犯上の理由などもあって不動産情報の公開をためらっている貸主や、借主の人柄などに不安を抱く貸主にも積極的にアプローチできることもあり、評判になっているようだ。一見すると、これのどこがSDGsと思うかもしれないが、日本では空き家問題が深刻化しており、少子高齢化も相まって、今後も空き家の増加や地方の過疎化などが懸念されている中、もっと認知が高まって全国に広がれば、課題解決の大きな一歩になり得るかもしれない。

 また、NPO法人eboardが提供する無料のオンライン教材「eboard(イーボード)」も面白い。これは、塾に通えない、授業についていけない、学校に行けないなど、様々な理由から「学びをあきらめてしまっている」子どもたちに学びのチャンスを届けるべく、無料で利用できる平均7〜8分程度の映像授業・デジタルドリルだ。これまでに550万人以上、毎月約20万人もの子どもたちがeboardで学んでいるという実績を見ると、日本の教育が抱える問題が浮き彫りになり、こういった「誰一人取り残されない」教育を多くの子どもたちに提供する手段の必要性が感じられる。ちなみにeboardは、第5回ジャパンSDGsアワードでSDGs「推進副本部長(内閣官房長官)賞」を獲得している。

 

 新しい取り組みだけでなく、SDGs以前から実施されている、根強い取り組みにも注目したい。

 岡山県に本社を置く養蜂業者、株式会社山田養蜂場が毎年実施している「ミツバチの一枚画コンクール」だ。2013年以降、国内外からの応募総数21万3962点という、日本で最もミツバチの絵が集まるコンクールと知られ、今年も3月8日から、第11回の作品募集が始まっている。ツバチを描くことで、「自然環境の大切さ」や、「助け合うことの大切さ」、「いのちの大切さ」など、ミツバチを通して見えてくる大切なことに目を向けるきっかけになる。授業に取り入れる学校や幼稚園も増えているようで、子どもたちの情操教育にも役立っているようだ。さらに、同コンクールでは応募作品1点につき、1本の植樹を行っており、作品の応募が森づくりにもつながっている。

 世界各国のSDGsの達成状況を可視化する、2022年版「SDG Index and Dashboards Report」によると、日本はSDGsの達成度において、世界156カ国中19位。上位20位以内には食い込んではいるものの、もっと上が目指せるはずだ。家庭や職場でも、まだまだ出来ることはあるはず。あなただけのユニークなSDGsを始めてみてはいかがだろうか。(編集担当:藤原伊織)

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