アスカネットは23年4月期3Q累計大幅増収増益で通期予想を上方修正

2023年3月7日 10:48

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  アスカネット<2438>(東証グロース)は3月6日の取引時間終了後に23年4月期第3四半期累計業績(非連結)を発表した。大幅増収増益だった。葬儀関連のフューネラル事業では遺影写真加工枚数が順調に増加し、写真集関連のフォトブック事業ではコロナ禍の影響が徐々に和らぎ、特にプロフェッショナル写真家向けが好調に推移した。そして通期予想を上方修正した。従来はコストアップなどを考慮して小幅増益予想としていたが、想定以上の増収効果や稼働率上昇効果などで大幅増益予想とした。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は安値圏の小幅レンジでモミ合う形だったが、上方修正を好感して上放れの可能性がありそうだ。出直りを期待したい。

■23年4月期3Q累計大幅増収増益で通期予想を上方修正

 23年4月期第3四半期累計の業績(非連結)は売上高が前年同期比10.9%増の52億円、営業利益が30.8%増の4億83百万円、経常利益が32.9%増の4億97百万円、四半期純利益が33.2%増の3億49百万円だった。大幅増収増益と順調だった。フューネラル事業においては遺影写真加工枚数が順調に増加し、写真集関連のフォトブック事業においてはコロナ禍の影響が徐々に和らぎ、特にプロフェッショナル写真家向けが好調に推移した。

 セグメント別(内部売上・全社費用等調整前)に見ると、葬儀関連のフューネラル事業は売上高が16.1%増の23億43百万円で、営業利益が11.3%増の5億75百万円だった。コロナ禍も影響して葬儀の小規模化傾向が継続しているが、売上面では、営業強化による葬儀社との新規契約獲得が順調に推移し、全国的な葬儀施行件数の増加も背景として、主力の遺影写真加工収入をはじめ、ハード機器やサプライ品の売上も増加した。葬儀業界向けDXサービス「tsunagoo」サービスも順調だった。利益面は、画像処理部門オペレーターを中心とする人員増強で人件費が増加し、採用関連費や旅費交通費なども増加したが、増収効果で吸収した。

 写真集関連のフォトブック事業は売上高が7.2%増の27億33百万円で営業利益が19.5%増の5億83百万円だった。コロナ禍の影響が徐々に和らぎ、プロフェッショナル写真家向け「アスカブック」のウェディング関連が回復傾向となり、製品ラインナップを充実させている写真スタジオ向けも好調に推移した。一般消費者向けは、旅行・イベントの自粛やマスク着用の常態化に伴う撮影機会の減少で厳しい状況が続いているためOEM売上が減少したが、自社ブランド「マイブック」が各種キャンペーンなども寄与して回復傾向となった。利益面は、原材料費・水道光熱費の上昇などコストアップ要因があったが、生産体制の効率的運営や稼働率上昇効果で吸収した。

 空中結像プレートASKA3D関連の空中ディスプレイ事業は売上高が6.3%増の1億28百万円で営業利益が2億24百万円の損失(前年同期は2億38百万円の損失)だった。先行投資段階のため赤字継続だが、売上面ではサイネージ向けガラス製ASKA3Dプレートや金型の売上で増収だった。利益面は、展示会出展の増加に伴って広告宣伝費が増加したが、研究開発費のコントロールなどで営業損失が縮小した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が15億43百万円で営業利益が52百万円、第2四半期は売上高が16億17百万円で営業利益が85百万円、第3四半期は売上高が20億40百万円で営業利益が3億46百万円だった。なお下期の構成比が高い季節特性がある。

 通期の業績(非連結)予想については3月6日付で上方修正して、売上高が22年4月期比10.6%増の70億円、営業利益が45.5%増の6億40百万円、経常利益が48.0%増の6億70百万円、当期純利益が41.2%増の4億70百万円としている。配当予想は据え置いて22年4月期比1円増配の8円(期末一括)としている。

 前回予想に対して売上高を1億10百万円、営業利益を1億90百万円、経常利益を1億80百万円、当期純利益を1億22百万円、それぞれ上方修正した。従来はコストアップなどを考慮して小幅増益予想としていたが、想定以上の増収効果や稼働率上昇効果などで大幅増益予想とした。売上面ではフューネラル事業の画像処理収入やフォトブック事業のプロ写真家向けが計画を上回る見込みとなり、利益面では増収効果に加えて、効率的運営、稼働率上昇、研究開発費コントロールなどが寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価はモミ合い上放れの可能性

 株価は安値圏の小幅レンジでモミ合う形だったが、上方修正を好感してモミ合いから上放れの可能性がありそうだ。出直りを期待したい。3月6日の終値は915円、今期予想PER(会社予想のEPS28円16銭で算出)は約32倍、今期予想配当利回り(会社予想の8円で算出)は約0.9%、前期実績PBR(前期実績のBPS358円24銭で算出)は約2.6倍、そして時価総額は約160億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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