成長市場:リユースを背景に株価も堅調な推移のゲオHDの足元

2023年3月2日 16:38

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3月にオープンを予定する2nd STREETの台湾18号店『宜蘭家樂福イーランカルフール店テン』(ゲオホールディングスの発表資料より)

3月にオープンを予定する2nd STREETの台湾18号店『宜蘭家樂福イーランカルフール店テン』(ゲオホールディングスの発表資料より)[写真拡大]

 ゲオホールディングス(東証プライム。以下ゲオHD)。1989年に小さなレンタルビデオ店からスタートした。M&Aなどを駆使し商圏を拡大してきた。また時代の流れを巧みに掴み、目下はリユースビジネスを中心とした全国1900を超える店舗(FCも含む)を構えている。店舗型のリユースでは最大級の存在である。

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 リサイクル通信社の調べによると2021年のリユース市場規模は、前年比11.7%増の2兆6988億円。店舗型のリユース市場もコロナ禍を潜り抜け、12.0%増と回復している。2011年からの10年間で捉えると市場規模は2.14倍に拡大。また25年には3兆5000億円に膨らむ見通しだという。そんな市場環境もあり、ゲオHDに勢いを覚える。

 前期・今期とも「店舗営業」という形態上、「コロナに対する慎重姿勢」で収益計画を立てた。22年3月期は「2.0%増収、89.6%営業増益」で着地したが、中間期時点で例えば営業利益予想を「40億円から70億円」に上方修正した。

 そして今期も「4.5%の増収(3500億円)、14.4%の営業減益(70億円)」と慎重さと道連れの計画で始まったが、中間期開示と同時に売上高は据え置きも営業利益は「22.35%増(100億円)」に上方修正した。ちなみに第3四半期の営業利益実績は113億5700万円。着地時の一層の上振れを示唆している。

 リサイクル通信ではリユース市場について、こう解説している。「これまでもバブル崩壊やリーマンショックなどの経済情勢の大きな変化を転機として、リユース市場は拡大してきた・・・・・不用品を売却したり、中古品を購入したりすることは年々世間に浸透しつつある」

 第3四半期を詳細に覗いてみた。

◎総店舗数: 2007店(前年同期比49店増。直営店1822店、FC・代理店185)。

◎GEO(ゲオ): 携帯・スマフォ・家庭用ゲーム機器のリユース(買取販売)・DVDレンタルを展開。1098店(13店減)。

◎2nd STREET: 衣料品や家電製品の買取販売。国内787店(23店増)。

◎同: 米・マレーシア・台湾で展開。45店舗(19店増)。

 リユースという拡大市場で「店舗」という投資コストを伴うゲオHDを、株式市場はどんな風に捉えているのか。

 評価している、と捉えられる。本稿作成中の時価は1700円台後半から終盤。昨年来高値2322円(大納会)から押し目を入れて揉み合い。IFIS目標平均株価2400円を勘案すると、時価の予想税引き後配当利回り1%を拠り所に待ってみるのも一法か。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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