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永谷園の歴史・足元・海外戦略、申し分なし でも配当性向はいささか低くありませんか!?
1月に発売された「おとなのふりかけ 梅しそ」(画像: 永谷園ホールディングスの発表資料より)[写真拡大]
永谷園ホールディングス(東証プライム。以下、永谷園)。味噌汁・お茶漬けなど即席和風総菜の大手。昨年11月に続き2月にも値上げ。その影響が出てこないか心配だが、収益動向は四季報:業績欄の見出しを借用すると【伸長】。設立は1953年とされるが・・・そこに至る入り口は江戸時代に遡る。
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江戸時代に現在の京都府宇治田原町で、永谷宗七郎義弘(永谷家の大先祖)なる御仁が宇治茶の栽培を手掛けていた。いまの煎茶(青みがかった緑色の青製茶)の加工手法を開発。それまでの「黒製茶」に対し青製煎茶は江戸にも広まり、大ヒットとなった。
それに着目したのが、山本嘉兵衛なる人物。海苔・茶の製販で知られる山本山の創業者である。山本氏は宇治茶の江戸での、今流に言えば総販売代理店を手掛け巨万の財を成したとされる。
さて話は1950年代に飛ぶ。現在の永谷園の創業者とされる故永谷嘉男氏は戦地から戻り、焼失してしまった実家の茶畑に愕然としながらも再建に乗り出した。もし故永谷氏が煎茶農園の運営・拡大にだけ精を出していたら、今日の永谷園はない。52年に「お茶づけ海苔」を発売した。永谷園の真の源流である。
こんな風に永谷園の歴史を紐解きその後を追っていくと、まず「へぇ~」と思ったのが事業費率の34%が「海外」という点であり「M&A」戦略をその過程で駆使している点だった。
例えば、英国のブルームコという企業を約150億円で買収している。永谷園に通じたアナリストから、こう説明を受けた。
「ブルームコムの傘下には世界でも屈指のフリーズドライ食品会社がある。永谷園の狙いは自社でも培ってきたフリーズドライの加工技術に磨きをかけ、海外展開に拍車をかけるというものだった。150億円の4割方は官民ファンドの産業革新機構が出資した。海外市場開拓が国をあげての大勝負だったといえる」。
また商品開発でも基軸を動かすことなく、横への広がりにも積極的展開を見せている。ロングセラー商品の「お茶づけ海苔」「おとなのふりかけ」のお茶漬け・ふりかけ類。「即席みそ汁」中心のスープ類。「すし太郎」「麻婆春雨」など調理食品類が3本柱。
だが例えば前期末の決算資料では、こんな表現に出会う。「お子様の朝食利用を訴求する“めざまし茶づけ”」「ロングセラーブランド:おとなのふりかけに“おとなのふりかけわさび”を」「総菜分野では“レンジのすすめ”シリーズにチャーハンの素を」etc。
作成中の時価は2000円トビ台。昨年来高値・安値は2113円、1891円。31円の安定配当は評価するが、1点注文を。配当性向がいささか低すぎませんか!?(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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