1月のバイト時給、上昇傾向続く 幅広い職種で時給アップ

2023年2月15日 11:06

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 求人サイトを運営する各社が2023年1月度のパート・アルバイト時給動向を発表し、学生アルバイトの入れ替えなどを見越して、幅広い職業で旺盛な人材需要が続いていることが分かった。

【前月は】12月のバイト時給、コロナ前の人材需要戻る リクルートは過去最高を更新

■アイデムは東日本が前年上回る

 8日、アイデムが2023年1月の「パート・アルバイトの募集時平均時給」を発表した。東日本エリアの平均時給は前年同月比40円増の1,230円となり、3カ月連続で前年同月を上回った。このうち関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の平均時給は同35円増の1,250円。

 大分類の職種では専門・技術職のみ前年を下回り、同39円減の1,521円だった。前年を上回った職種では、販売・接客サービス職(12月の時給:1,105円、前年同期比:56円増)事務職(1,144円、72円増)、飲食サービス職(1,065円、39円増)で上げ幅が大きめだった。

 西日本エリアの平均時給は同46円減の1,223円、関西3府県(大阪、兵庫、京都)は同52円減の1,237円となり、ともに2カ月連続で前年を下回った。大分類では専門・技術職が同203円減の1,512円となり、大幅に下回った。前年を上回った職種では、事務職(1,070円、43円増)、飲食・サービス職(1,030円、50円増)、製造関連・ドライバー職(1,058円、41円増)で大きく伸びている。

■マイナビは5カ月連続で前年上回る

 13日、マイナビが2023年1月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。1月の全国平均時給は前年同月比48円増の1,175円となり、5カ月連続で前年同月を上回った。

 職種別で時給が上がったのは、その他販売・接客・サービスが1,152円(前年同月比:104円増、以下同じ)、ホテル・ブライダル・トラベルが1,128円(89円増)、その他教育が1,294円(119円増)、家庭教師が1,645円(146円増)。

 アパレル・ファッション関連の商品管理が1,074円(89円増)、販売が1,094円(113円増)。DTP・CADオペレーターが1,233円(87円増)、その他イベント・キャンペーンが1,250円(127円増)、ファーストフード・デリが1,071円(97円増)、パチンコ・アミューズメントが1,282円(87円増)。

 その他軽作業が1,345円(293円増)、搬入・搬出・会場設営が1,869円(645円増)、その他工場・倉庫・建築・土木が1,342円(155円増)、構内作業・フォークリフト・溶接が1,439円(229円増)。食品製造・加工が1,058円(101円増)、製造・ラインが1,330円(108円増)、引越が1,193円(70円増)、新聞配達・ポスティングが1,212円(127円増)など。

 反対に時給が下がったのは、営業が1,256円(79円減)、SE・プログラマが1,472円(116円減)、テクニカルサポート・保守・テスターが1,271円(145円減)。

 その他クリエイティブ・編集が1,202円(144円減)、医療専門職が1,376円(70円減)、看護師・准看護師が1,522円(121円減)、薬剤師・登録販売者が1,343円(95円減)。レジャー・アミューズメントのインストラクターが1,264円(65円減)。その他オフィスワークが1,116円(300円減)、事務・データ入力・受付が1,131円(150円減)など。

 地域別では、北海道・東北が同74円増の1,054円、関東が同34円増の1,249円、甲信越・北陸が同86円増の1,126円、東海が同56円増の1,123円、関西が同50円増の1,163円、中国・四国が同70円増の1,042円、九州・沖縄が同81円増の1,058円となり、4カ月連続で全ての地域で前年同月を上回った。

■リクルートは21カ月連続で前年上回る

 14日、リクルートのジョブズリサーチセンターが2023年1月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比32円増の1,142円となり、21カ月連続で前年同月を上回った。

 年末を過ぎて落ち着いた様子が見られた職種がある一方、フード系、販売・サービス系、製造・物流・清掃系で人材需要が高まっており、引き続き幅広い職種で時給アップが続く可能性があるという。

 職種別で時給が上がったのは、コンビニスタッフが1,048円(前年同月比:53円増、以下同じ)、ホテルスタッフが1,161円(65円増)、家事支援が1,164円(65円増)。ホールスタッフ(飲食店)が1,109円(52円増)、調理・コック・板前(見習い含む)が1,109円(52円増)、ファーストフードが1,105円(86円増)、洗い場・パントリーが1,094円(53円増)。

 発送・仕分け・梱包が1,165円(48円増)、ドライバー(中型・大型・バス・タクシー)が1,192円(63円増)、管理人が1,147円(52円増)。電話応対が1,224円(49円増)、医療事務が1,098円(48円増)、サービス管理責任者・サービス提供責任者(介護・福祉系)が1,209円(59円増)など。

 反対に時給が下がったのは、コールセンタースタッフが1,393円(84円減)、営業が1,325円(186円減)、スポーツインストラクターが1,185円(82円減)など。

 地域別では首都圏が同28円増の1,182円、東海が同34円増の1,059円、関西が同27円増の1,114円となり、3地域ともに前年を上回る状況が続いている。

■ディップは25カ月連続で前年上回る

 同日、ディップが2023年1月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国の平均時給は前年同月比25円増の1,231円となり、25カ月連続で前年同月を上回った。アルバイト・パートの求人件数は同0.9%増の約25万7,000件だった。

 職種別で時給が上がったのは、営業・企画営業が1,401円(前年同月比:107円増、以下同じ)、携帯・家電販売が1,482円(76円増)。

 サービスの職業のキャンペーン関連が1,556円(132円増)、モデル・エキストラ・芸能関連が1,737円(231円増)、旅行が1,320円(156円増)、エステ・リラクゼーションが1,121円(60円増)。塾講師・家庭教師が1,745円(178円増)、教育・保育が1,181円(102円増)、教師・講師・インストラクターが1,686円(203円増)など。

 反対に下がったのは、オフィスその他が1,252円(74円減)、編集・制作・撮影が1,110円(81円減)、薬剤師・登録販売者・薬局が1,200円(239円減)、専門職・その他が1,124円(157円減)、調査・モニターその他が1,266円(155円減)。

 サービスの職業のイベント関連が1,397円(220円減)、レジャー・娯楽関連が1,107円(272円減)。建築系が1,343円(322円減)、建築・土木その他が1,196円(394円減)、工場・製造その他が1,247円(85円減)、試験監督・添削が1,569円(99円減)など。

 地域別では関東が同38円増の1,267円、東海が同53円増の1,207円、関西が同21円減の1,215円、九州が同5円減の1,161円だった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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