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ツガミの久方ぶりの下方修正、その捉え方は?
ツガミの久方ぶりの下方修正、その捉え方は?[写真拡大]
小型旋盤で首位:ツガミ(東証プライム)の下方修正に、久方ぶりに遭遇した。
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前3月期の「51.1%増収、97.8%営業増益、90.2%最終増益(最高益)、14円増配40円配」に対し今期は、「5.2%増収、0.7%営業増益、0.1%最終増益、4円増配44円配」と慎重な計画で立ち上がってはいた。期初計画の積算には定評がある。それだけに、いささかのショックを覚えた。
修正は11月8日。「2%増収(950億円)、10%営業減益(170億円)、12%最終減益(84億円)」。配当は据え置いた。「理由」は中間期の実態に見て取れた。
そもそも期初段階で中間期を「0.4%の減収(490億円)、12.1%の営業減益(95億円)、11.8%の最終減益(48億円)」を予想していたが、実績は「479億6500万円、87億8600万円、42億7000万円」。IR担当部署は「中国の影響が大きかった」とした。
ツガミの売り上げは90%余が、海外で占められている。主要3カ国の中間期の状況は、こんな具合。
★中国: 売上高は前年同期比8.1%増の438億3400万円(国内売上高比2.5倍強)も、セグメント利益は12.7%減の78億5600万円(同、約15倍)。「ゼロコロナ政策」の影響を受けた結果だ。
★インド: 86.6%増収(21億6200万円)、セグメント利益1000万円(前年同期0百万円)。
★韓国: 36.7%減(7億1000万円)、セグメント利益は85.8%減(6200万円)。
ちなみに国内市場は1.5%減収(172億3500万円)、セグメント利益63.4%減(5億1900万円)。
「来期は中国の影響薄れ増勢に転じる」とする指摘もある。IR担当者から「中国に取得した工場が下期から修繕・増築が始まる」とする声も聞かれる。
だが下方修正の起因となった中間期の実際から、こんな側面も推察できる。
「内外ともツガミの事業環境は足踏み状態が続く可能性は否定できない」
「中国市場偏重に脆さは無いのか(欧米で複合機などハイエンド製品の拡充をはかる、とはしているが)」
「円安トレンドは真に転換しうるのか」etc。
株価は一連の流れを、こう映し出している。1月高値(1788円)から6月安値(1058円)で底を打ち、夏場以降は1100円から1250のゾーン内の展開。本稿作成中の時価の予想税引き後配当利回りは3%超と魅力的も、IFIS目標平均株価は1350円にとどまる。株価も迷っているのだろうか。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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