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一層の成長に向け、使用契約プロの拡充を図るヨネックスの足元
1月下旬に発売予定のテニスラケット新「VCORE シリーズ」。(画像: ヨネックスの発表資料より)[写真拡大]
ヨネックス(東証スタンダード)。バドミントン用品(世界首位級)と、注力中のテニス用品が経営の双璧。
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2021年3月期こそコロナ禍に「17%減収、57%営業減益」も前3月期は「15.5%増収、14.3%営業増益、史上最高益更新」と切り返し、今3月期も「30.2%増収、36.5%営業増益、連続最高益更新」計画。第1四半期開示と同時に「30.2%の増収(970億円)、36.5%の営業増益(92億円)、21.1%の最終増益(70億円)」に、上方修正。
第2四半期実績で既に「売上高500億円、営業利益71億1600万円、最終利益55億9500万円」を積み上げており、更なる修正の可能性を含んでいる。
コロナ禍を潜り抜け従来の基調を取り戻していることは、中間期決算のコメントにも容易に読み取れる。
『スポーツ用品事業:日本』 バドミントン・テニスの部活需要が回復。原材料費や円安に伴うコスト増も売上総利益の増加でカバー。前年同期比29%増収、51.5%営業増益。
『同:アジア』 4月から5月にあった中国のロックダウンの影響は受けたが、解除後は店頭在庫の補充やオンラインセール向け出荷増効果。加えて円安で大幅増収を確保。台湾も取り組んできた大会・強打会などのイベントの広がり効果が発現。増収効果で営業利益は91.3%増。
『同:米・欧』 需要増(売上増効果)で前者は76.9%増収、117.4%営業増益。後者は44.2%増収、営業損失(3700万円)。
気掛かりなのは「中国動向」。IR担当部門では「完全に織り込むのは難しい。だがアジアは日本に匹敵する規模の市場。中心が中国である以上売上維持・増を引き出すイベントなどに注力している」という姿勢を示す。
そして注力市場:欧米については目を引く動きに出会った。一口で言えば「商品力」で攻めていく。1月下旬にヨネックス独自の形状理論だという「アイソメトリック」を採用した新しいラケットを発売する。「高い打ち出し角から急激に落ちて跳ねる高弾道のスピンボールが特徴」のラケットだとか。
要は件のラケットの使用契約をどんなプロと結ぶのかがポイント。世界ランキング(22年11月28日時点)4位、8位にはじまり、22年WTA(テニス女子プロ協会)サービスエース1位でウィンブルドン覇者などそうそうたる選手との契約が結ばれている。
本稿作成中の時価は1100円台。調整場面。IFIS目標平均株価1950円。バドミントン・テニスに興味深い投資家には、投資妙味あり・・・と思うが如何に。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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