19日の香港市場概況:ハンセン0.5%安で反落、大型ネット株は逆行高

2022年12月19日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 19日の香港市場概況:ハンセン0.5%安で反落、大型ネット株は逆行高
週明け19日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比97.86ポイント(0.50%)安の19352.81ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が30.13ポイント(0.45%)安の6604.62ポイントとそろって反落した。売買代金は1006億6500万香港ドルに縮小している(16日は1360億2000万香港ドル)。


新型コロナウイルスの感染急拡大による景気不安が高まる流れ。中国の各主要都市で、新規感染が急増している。また、病院の外来に受診者が殺到し、各地で医療提供体制がひっ迫し始めたとも伝わった。ただ、大きく売り込む動きはみられない。経済対策の期待感が相場を下支えしている。翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」が先週16日に終了。会議では消費の回復・拡大を優先課題とし、積極的な財政政策と緩和的な金融政策を続ける方針が示された。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が9.4%安、医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)が8.2%安、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が6.6%安と下げが目立った。


セクター別では、医薬品が安い。翰森製薬集団(3692/HK)が5.7%、中国生物製薬(1177/HK)が4.4%、石薬集団(1093/HK)が4.1%ずつ下落した。


半面、大手ネット株は物色される。飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が1.6%高、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(700/HK)が1.1%高、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(9988/HK)が0.7%高で取引を終えた。上述の中央経済工作会議では、大型テック企業を巡る政策について、「プラットフォーム企業を支援し、経済発展、雇用創出、国際競争をリードさせる」との方針が示された。


このほか、教育セクターの上げが目立つ。光正教育国際HD(6068/HK)が52.5%急騰したほか、成実外教育(1565/HK)が13.4%高、新東方在線科技HD(1797/HK)が8.0%高などと値上がりした。中国政府は先週、「内需拡大戦略計画綱要(2022〜35年)」を発表。その中で、多様な教育サービスの提供を奨励し、民営教育の発展を支援・規範化する方針を表明した。証券ブローカーは「教育セクターの政策リスクが後退しつつある」と指摘している。


一方、本土市場は3日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.92%安の3107.12ポイントで取引を終了した。医薬品株が安い。エネルギー株、インフラ関連株、素材株、金融株、ハイテク株などが幅広く売られた。一方、不動産株の一角が買われている。
亜州リサーチ(株)《FA》

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