10月のバイト時給、求人各社とも前年上回る 年末年始にかけ一層の求人需要も

2022年12月16日 09:21

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 求人サイトを運営する各社が11月度のパート・アルバイト時給動向を発表。4社全てで平均時給が前年同月を上回り、年末年始の繁忙期に向けて旺盛な求人動向が続いていることが分かった。

【前月は】10月のバイト時給、多くの職種で上昇継続 年末年始に向け人材確保の動きも

■アイデムは東西日本ともに前年上回る

 8日、アイデムが2022年11月の「パート・アルバイトの募集時平均時給」を発表した。東日本エリアの平均時給は前年同月比22円増の1,221円となり、4カ月ぶりに前年同月を上回った。

 このうち関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の平均時給は同18円増の1,241円。大分類の職種では専門・技術職のみ前年同月を下回り、同61円減の1,526円と大幅なマイナスだった。プラスとなった職種では、事務職(11月の時給:1,131円、前年同月比:58円増)、飲食サービス職(1,071円、50円増)、製造関連・ドライバー職(1,126円、29円増)で上げ幅が大きめだった。

 西日本エリアの平均時給は同36円増の1,251円。このうち関西3府県(大阪、兵庫、京都)の平均時給は同47円増の1,266円となり、2カ月ぶりに前年同月を上回った。大分類は東日本同様に専門・技術職のみ前年同月を下回り、同94円減の1,554円。プラスだった職種では、販売・接客サービス職(平均時給:1,022円、33円増、以下同じ)、事務職(1,060円、43円増)、飲食サービス職(1,017円、34円増)、製造関連・ドライバー職(1,053円、29円増)で大きく伸びている。

■マイナビは3カ月連続で前年上回る

 13日、マイナビが11月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。11月の全国平均時給は前年同月比31円増の1,170円となり、3カ月連続で前年同月を上回った。

 職種別で時給が上がったのは、カウンター業務が1,128円(前年同月比:105円増、以下同じ)、家庭教師が1,668円(160円増)、営業が1,589円(220円増)、アパレル・ファッション関連の販売が1,053円(85円増)。テクニカルサポート・保守・テスターが1,443円(259円増)、編集・制作・校正が1,275円(94円増)、その他イベント・キャンペーンが1,385円(364円増)。ファーストフード・デリが1,071円(98円増)、その他警備・清掃・ビル管理が1,082円(71円増)。搬入・搬出・会場設営が1,848円(586円増)、構内作業・フォークリフト・溶接が1,351円(86円増)、食品製造・加工が1,044円(70円増)、新聞配達・ポスティングが1,202円(101円増)など。

 反対に時給が下がったのは、家電量販店が1,190円(50円減)、SE・プログラマが1,417円(165円減)、イベント企画・運営が1,395円(66円減)、医療専門職が1,390円(109円減)、保育士が1,405円(70円減)、その他レジャー・アミューズメントが1,115円(110円減)、その他オフィスワークが1,148円(157円増)など。

 地域別では北海道・東北が前年同月比57円増の1,046円、関東が同27円増の1,249円、甲信越・北陸が同36円増の1,093円、東海が同37円増の1,127円、関西が同36円増の1,163円、中国・四国が同43円増の1,031円、九州・沖縄が同43円増の1,049円となり、2カ月連続で全地域が前年同月を上回った。

■リクルートは19カ月連続で前年上回る

 14日、リクルートのジョブズリサーチセンターが11月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比38円増の1,149円となり、19カ月連続で前年同月を上回った。発表によると、フード系や製造・物流・清掃系で年末年始の繁忙期に備えて求人が増えているという。

 職種別で時給が上がったのは、ホテルスタッフが1,146円(前年同月比:60円増、以下同じ)、ホールスタッフが1,101円(50円増)、調理・コック・板前(見習い含む)が1,093円(57円増)、ファーストフードが1,085円(76円増)。製造・生産(重工業除く)が1,275円(66円増)、ドライバー・配送・デリバリーが1,163円(54円増)、電話対応が1,227円(57円増)、営業が1,539円(92円増)。訪問介護員(ホームヘルパー)が1,310円(56円増)、介護福祉士が1,314円(57円増)、塾講師が1,523円(88円増)、幼稚園教諭が1,389円(51円増)など。

 反対に時給が下がったのは、アパレル販売が1,062円(73円減)、コールセンタースタッフが1,383円(58円減)、営業が1,320円(76円減)、スポーツインストラクターが1,178円(36円減)、プログラマ・エンジニアが1,163円(85円減)など。

 地域別では首都圏が前年同月比34円増の1,189円、東海が同41円増の1,069円、関西が同32円増の1,118円となり、3地域ともに前年同月を上回る状況が続いている。

■ディップは23カ月連続で前年上回る

 同日、ディップが11月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国の平均時給は前年同月比28円増の1,219円となり、23カ月連続で前年同月を上回った。またアルバイト・パートの求人件数は同8.9%増の約27万9,000件。

 職種別で時給が上がったのは、営業・企画営業が1,400円(前年同月比:118円増、以下同じ)、受付・秘書が1,250円(130円増)、テレアポ・テレオペが1,385円(110円増)、オフィスその他が1,242円(148円増)。編集・制作・撮影が1,278円(197円増)、SE・PG・エンジニア・運用が1,578円(251円増)、専門職その他が1,636円(556円増)。アパレル・雑貨販売が1,062円(72円増)、専門ショップが1,060円(73円増)、ホール・キッチンスタッフが1,081円(45円増)。レジャー・娯楽施設が1,126円(58円増)、点検・技術が1,102円(56円増)、エステ・リラクゼーションが1,138円(63円増)。軽作業・物流その他が1,180円(90円増)、教育・保育が1,223円(145円増)など。

 反対に下がったのは、薬剤師・登録販売者・薬局が1,238円(199円減)、調査業務が1,386円(72円減)、調査・モニターその他が1,214円(78円減)。イベント関連が1,412円(276円減)、モデル・エキストラ・芸能関連が1,620円(170円減)、美容・理容・サロンその他が1,015円(82円減)。工場・製造その他が1,204円(70円減)、試験監督・添削が1,430円(183円減)など。

 地域別では関東が前年同月比30円増の1,265円、東海が同49円増の1,200円、関西が同7円減の1,207円、九州が同38円増の1,151円だった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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