santecの10期連続営業増益はダテじゃない、10年弱の修正株価18倍のパフォーマンス

2022年11月7日 17:09

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5月に販売を開始した高出力レーザー向けLCOS型空間光変調器。(画像: santecの発表資料より)

5月に販売を開始した高出力レーザー向けLCOS型空間光変調器。(画像: santecの発表資料より)[写真拡大]

 santec(東証スタンダード、以サンテック)。光通信用部品と、光測定器が2本柱。収益力高い。前2022年3月期の「15.5%営業増益」まで、10期連続の営業増益(9期連続増収)。

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 前期の「18.4%増収、15.5%営業増益、22.6%経常増益、49.7%最終増益、10円増配40円配」に続き今期も、「35.0%の増収(120億円)、27.9%の営業増益(21億円)、12.9%の経常増益(22億円)、2.6%の最終増益(17億円)」計画で立ち上がった。開示済みの第1四半期は「前年同期比89.2%増収(31億8800万円)、192%営業増益(8億6600万円)、239.3%経常増益(10億7900万円)、211.2%最終増益(7億6800万円)」。

 ちなみに期初予想の中間期はそれぞれ「60億円、10億5000万円、11億円、8億5000万円」。サンテックは決算説明会で質問に対し、こんな風に答えている。

 「光測定器関連事業は産業用・医療用が好調。買収2社の貢献。円安効果」。

 「米ドル・円の期初想定レートは1$:115円。1円の円安で約3000万円の営業利益増となった」。

 その上で中間期及び通期の上方修正の可能性について、「産業用・医療用の光測定器は堅調な推移を見込んでいる。だが光通信用光部品・光測定器の売り上げ予測はやや不透明。現時点では据え置き」。

 なお会社四季報は既に「独自増額」し、「増配も」としている。

 当面は中間期の実績・内容を見届けるしかない。前期決算資料から事業分野の具体的な商品を見ておく。

★光部品関連事業: 光伝送機器メーカーに光通信用部品の提供。LCOS(液晶を使ったマイクロディスプレイ)技術を利用した空間好変調器を、研究開発機関などに販売。今後を占う上では、新型コロナウイルス感染症や米中貿易摩擦等によるサプライチェーンの混乱に伴う光伝送機器メーカーの部品調達難がカギとなる。

★光測定器関連事業: 主は光通信部品の現場・研究開発向け、波長可変光原。製造業や医療機関向けOCT(光の干渉性=光の複数の波が打ち消し合ったり強め合ったりする=を利用して測定対象の微細構造を画像化する)システムと光源の提供。眼科用光学式眼内寸法測定装置の製販。

 時価は3000円台出入り水準。3月安値(1125円)から右肩上がりの値動きで9月に3050円まで買われた後、2400円まで調整した後の戻り過程。10期連続営業増益はダテではない。過去10年近くの調整済み株価パフォーマンスは18倍近い。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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