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【どう見るこの株】HPCシステムズは売られ過ぎ感、23年6月期2桁営業・経常増益予想
HPCシステムズ<6597>(東証グロース)はハイパフォーマンスコンピューティング分野のソリューションとして、研究者や開発者の基礎研究、先端研究、量産までを多角的に支援するワンストップサービスを提供している。23年6月期は需要が高水準に推移して大幅増収、2桁営業・経常増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は8月の年初来高値圏から急反落して水準を切り下げたが、売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。
■HPC事業とCTO事業を展開
経営理念に「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」を掲げ、ハイパフォーマンスコンピューティング分野のソリューションとして、研究者や開発者の基礎研究、先端研究、量産までを多角的に支援するワンストップサービスを提供している。
セグメント区分は、科学技術計算用高性能コンピュータに関連するシステムインテグレーション事業(HPC事業)、および顧客企業の注文仕様に応じて産業用コンピュータを開発・製造する事業(CTO事業)としている。22年6月期は、HPC事業の売上高が39億56百万円でセグメント利益が4億30百万円、CTO事業の売上高が20億65百万円で営業利益が2億23百万円だった。
22年3月には、量子コンピュータ向け化学計算プログラムの事業展開加速に向けて、QunaSys社に出資して資本業務提携した。またコニカミノルタと画像IoT/AI分野における技術パートナー契約を締結した。22年4月には、ローカル5G通信対応のオールインワンエッジコンピュータ「Edge Tank」の販売を開始した。
■24年6月期営業利益12.8億円目標
長期ビジョン「Byond2030」では目指す姿として「コンピュータサイエンスを基軸とした世界を代表する21世紀のビジナリーカンパニー」を掲げている。
さらに中期経営計画「Vision2024」では、最終年度24年6月期の目標値として、売上高100億円(内訳はHPC事業70億円、CTO事業30億円)、営業利益12.8億円(内訳はHPC事業9.6億円、CTO事業3.2億円)、営業利益率12.8%、ROE26%を掲げている。
事業戦略として、HPC事業ではスーパーコンピューティングと人工知能(AI)の裾野拡大、CTO事業ではコンピュータサイエンスを駆使した長期供給型CTOソリューションの提供と収益基盤強化を推進する。
■23年6月期大幅増収、2桁営業・経常増益予想
23年6月期の業績(非連結)予想は売上高が22年6月期比39.5%増の84億円で、営業利益が11.7%増の7億30百万円、経常利益が10.2%増の6億95百万円、当期純利益が9.3%増の4億73百万円としている。配当予想は22年6月期と同額の25円(期末一括)としている。
原材料・エネルギー価格変動によるコスト上昇を想定するが、需要が高水準に推移して大幅増収、2桁営業・経常増益予想としている。計算科学シミュレーション、クラウド、AI、ディープラーニング、ビッグデータ処理など、民間企業や大学等公的機関の研究開発部門における需要が拡大基調であり、多様化・高度化する顧客の要望に対する高品質・高付加価値の製品・サービスを提供する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は戻り試す
株価は8月の年初来高値圏から急反落して水準を切り下げたが、売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。9月22日の終値は2190円、今期予想PER(会社予想のEPS111円66銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の25円で算出)は約1.1%、前期実績PBR(前期実績のBPS523円81銭で算出)は約4.2倍、時価総額は約94億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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