フランス映画『あのこと』中絶が違法だった時代、望まぬ妊娠に苦悩する大学生描く“体験型”映画

2022年9月12日 08:29

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記事提供元:ファッションプレス

 フランス映画『あのこと』が、2022年12月2日(金)にBunkamura ル・シネマ 他にて全国順次公開公開される。

■ヴェネチア国際映画祭“金獅子賞”受賞作

 2021年ヴェネチア国際映画祭にて、『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ率いる審査員満場一致で最高賞である金獅子賞を受賞した映画『Happening(英題)』が、映画『あのこと』として日本公開。

 『あのこと』の物語の舞台は1960年代のフランス。当時のフランスでは法律で中絶が禁止され、処罰されていた。そんな中、望まぬ妊娠をした主人公の大学生・アンヌは自らが願う未来をつかむため、あらゆる解決策を模索。迫りくるタイムリミットに焦燥しながらも、1人で戦うアンヌの12週間が描かれる。

■主人公アンヌと“一体化”したかのような圧倒的没入感

 『あのこと』の特別な魅力は、アンヌと身も心も“一体化”したかのような没入感だ。アンヌの「恐怖と怒りと情熱」を一部始終“体感”できる、溺れるほどの臨場感が観客に迫る。アンヌが時の経過とともにどんどん孤立し追い詰められていく様子や、全編を通してアンヌにぴったりと肉薄した鬼気迫る映像が、ヒリヒリとした鮮烈な「体験型」映画体験をもたらす。

■監督はオードレイ・ディヴァン、原作はアニー・エルノー『事件』

 監督を務めるのは、本作をきっかけに世界中から注目を集めるオードレイ・ディヴァン。原作は、アニー・エルノーが自身の実話を基に書き上げた小説『事件』だ。

■主演はアナマリア・ヴァルトロメイ

 主人公のアンヌを演じるのは、アナマリア・ヴァルトロメイ。子役時代に『ヴィオレッタ』で娘役を務めるなど活躍し、『あのこと』の演技でセザール賞を受賞した。

 〈映画『あのこと』あらすじ〉
1960年代、中絶が違法だったフランス。大学生のアンヌは予期せぬ妊娠をするが、学位と未来のために今は産めない。選択肢は1つ――。

アンヌの毎日は輝いていた。貧しい労働者階級に生まれたが、飛びぬけた知性と努力で大学に進学し、未来を約束する学位にも手が届こうとしていた。ところが、大切な試験を前に妊娠が発覚し、狼狽する。中絶は違法の60年代フランスで、アンヌはあらゆる解決策に挑むのだが──。

【詳細】
映画『あのこと』
公開日:2022年12月2日(金)
監督:オードレイ・ディヴァン
出演:アナマリア・ヴァルトロメイ、サンドリーヌ・ボネール
原作:アニー・エルノー『事件』
配給:ギャガ
2021/フランス映画/カラー/ビスタ/5.1ch デジタル/100 分/翻訳:丸山垂穂

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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